プルーンが放射線被曝による骨喪失の予防に役立つ可能性

プルーンが宇宙飛行士の良好な骨形成に役立つ可能性を最新の動物研究が示唆

カリフォルニア プルーン協会

2016年2月11日付のScientific Reportsに、最新の興味深い、動物を使った研究が発表されました。宇宙空間における宇宙飛行士など、放射線被曝者の骨喪失の予防に、プルーンが役立つ可能性を示唆するものです。この研究は、宇宙空間が人体に及ぼす影響について理解を深めるための、1年間の宇宙ミッションがまもなく終了するという絶好のタイミングで行われました。また、放射線作業従事者や、癌治療の一環として放射線治療を受けている人々も、放射線被曝による骨喪失を被る可能性があります。これまでの研究でも、プルーンと骨の健康との関連性が示されてきましたが、今回の新たな研究では、放射線被曝に限定して、プルーンによる骨の維持について詳しく調べています。
 

カリフォルニア大学サンフランシスコ校退役軍人医療センター、カリフォルニア大学アーバイン校、およびテキサスA&M大学の研究者が、放射線被曝したマウスについて、対照群との比較を含め、抗酸化カクテルやジヒドロリポ酸(抗酸化剤)、イブプロフェン(抗炎症剤)、プルーンパウダー(抗酸化剤)など、さまざまな抗酸化作用や抗炎症作用を持つ物質を投与した効果を調査しました。その結果、放射線に対する好ましくない骨髄細胞反応を軽減するうえで、プルーンパウダーが、他のどの物質よりも効果的に作用することが観察されました。また、プルーンを与えられたマウスは、放射線被曝後に測定したどの構造パラメータにおいても、骨量の減少が見られなかったことも判明しました。この研究結果は、宇宙放射線や放射線治療といった避けられない放射線被曝による骨の喪失の防止に、プルーンが有効に役立つ可能性を示しています。



「宇宙滞在中に骨の強度を維持することは、宇宙飛行士が直面する深刻な問題です」。カリフォルニア大学サンフランシスコ校退役軍人医療センターの研究者で内科教授のバーナード・ハロラン(Bernard Halloran)博士は、このように述べています。「放射線による骨の喪失は、加齢に伴う骨粗鬆症の構造変化に似ています。しかし、薬物治療の副次的影響など、現行の療法に伴う健康上の懸念は依然として残ります。今回の予備研究は、プルーンを食べるという簡単な手段によって、宇宙旅行が骨の健康に及ぼす悪影響に対抗できるかもしれないという有望な可能性を示しています」。

これまでに行われた臨床試験でも、プルーンが骨の健康維持に役立つ可能性が示唆されてきました。『British Journal of Nutrition』 に掲載された臨床研究では、毎日2食分(10~12個)のプルーンを食べると、骨密度(BMD)が改善され、閉経後の女性の骨代謝率が減速される可能性があると示唆しています[1]。新たな研究により、毎日その半量のプルーン(1食分強(5~6個))でも、閉経後女性の骨の喪失の予防に役立つ可能性が示されています[2]。
 

また、第9回国際栄養骨粗鬆症学会で、ハロラン博士が動物を使った最新の研究について要旨を発表しましたが、そこでは、 プルーンが成長途上の骨量を最大に得るのに役立つ可能性が示唆されました。ハロラン博士の研究によって、プルーンを含む食餌が幼若マウスの骨量の増加を助け、若いマウスと成体マウスでも、骨量が最大100%増加したことが判明しています。

「こうした発見は驚くべきもので、プルーンが骨の健康維持に役立つという研究成果は、増加の一途をたどっています」とハロラン博士は述べています。「プルーンが放射線被曝者の骨の健康に及ぼす効果について、さらに研究を進めていきたいと思っています。これによって、放射線が骨の強度に及ぼす有害な影響に対抗する、有望で実際的な方法が判明するでしょう。また、さらに研究を続ければ、ヒトの骨格にプルーンが及ぼす保護的効果のメカニズムについて、さらに詳細な判断ができるようになるでしょう」

骨の健康への効果に加えて、消化器官や心臓の健康にプルーンが関連していることも、研究によって明らかになってきています。便秘に対するプルーンとオオバコ(サイリウム)の効果を比較する臨床試験により、オオバコよりもプルーンの方が効果的だと判明しました[3] 。また、動物を使った研究によって、プルーンがアテローム性動脈硬化の進行を遅らせる可能性があることも示唆されています[4]。

ドライフルーツのカリフォルニアプルーンには、さまざまな栄養素が詰まっています。カリウムや銅、ホウ素、ビタミンKなど、骨を保護する効果を持つと思われるビタミンとミネラルを含み、なかでもビタミンKは、カルシウムバランスの改善と骨のミネラル化の促進に役立ちます。1食分にあたる40グラムのプルーン(4~5個)は、ビタミンKを摂取するために絶好と考えられており、これによって、ビタミンKの1日の摂取目安量80マイクログラムの30%を摂取できます。

プルーン1食分約40g(約100キロカロリー)は、食物繊維の摂取にも役立ちます。プルーンの甘さは天然由来のもので、加糖されておらず、冷蔵の必要もありません。手軽なスナックとして、また菓子や料理の材料として楽しむことができます。そのままでも、刻んだりピューレにしたりしても、カリフォルニアプルーンを取り入れることで、レシピの栄養価を大幅に高めることができます。

研究に関する詳しい情報や、レシピ、ハウツービデオについては http://www.californiadriedplums.org をご覧ください。バーナード・ハロラン博士はカリフォルニアプルーン協会の資金提供のもとで研究を行っています。同協会は、この研究で使用されたプルーンパウダーを提供しました。

研究文献の詳細についてはhttp://nature.com/articles/doi:10.1038/srep21343をご覧ください。

プルーンに関する情報(日本語)はカリフォルニア プルーン協会*http://www.prune.jpまで。

*カリフォルニア プルーン協会とは
1952年に設立、カリフォルニア産プルーンの900の生産者及び22の加工業者を代表する機関で、カリフォルニア州農務省の管轄のもとに活動を行っています。現在カリフォルニア州は全米の約99%、世界全体の約41%のプルーンを生産。協会は22名の理事で構成されています。
対日活動は1987年に始まり、その活動内容は、プルーンに関する各種研究調査のほか、カリフォルニア産プルーン全般の需要拡大を目的とする宣伝・販売販促・PRを企画実施しています。

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[1] Hooshmand et al. Hooshmand他。『 Comparative effects of dried plum and dried apple on bone in postmenopausal women』 Br J Nutr. 2011年9月 106(6):923-30.

[2] Metti et al.  Metti他。『Effects of Low Dose of Dried Plum (50 g) on Bone Mineral Density and Bone Biomarkers in Older Postmenopausal Women』 2015年4月 The FASEB Journal vol. 29 no. 1 Supplement738.12

[3] Attaluri他。『 Randomized clinical trial: dried plums (prunes) vs. psyllium for constipation』 Aliment Pharmacol Ther. 2011年4月 33(7):822-8.

[4] Gallaher CM, Gallaher DD。 『Dried plums (prunes) reduce atherosclerosis lesion area in apolipoprotein E-deficient mice』 British Journal of Nutrition. 2009;101(2):233–239.

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未上場
資本金
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設立
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