地方創生の次は“縮充”へ。株式会社むじょう、人口減少社会に向き合う新事業を展開

株式会社むじょう

「地域活性化」だけではなく、「縮小するなかでどう充実した生活を目指すか」という選択肢を――。

人口減少時代の持続可能な地域づくりをテーマに、株式会社むじょう(本社:東京都目黒区、代表:前田陽汰)は、「縮充」という概念を掲げた事業群を本格始動します。

空き家・公共交通・山林・農地・教育・医療・自治会活動など幅広い分野で、「減ることを前提に、どう在り続けるか」を追求していきます。


従来の地域活性化ではない、新しい選択肢を社会に提示

人口減少、高齢化、空き家率の上昇、インフラ維持困難。

こうした問題に直面する中、政府・自治体・企業はこれまで「地方創生」「移住促進」「活性化」など、“増やすこと”を中心とした対策を重ねてきました。

しかし、もはや“増える前提”そのものが崩れつつある今、問われるべきは「どう減っていくのか」「減ったあと、どうあるか」です。

株式会社むじょうは、この問いに真正面から向き合うべく、「縮充(しゅくじゅう)」という概念を中心に据えた新規事業を開始しました。

(出典:株式会社むじょう 会社概要資料)



「縮充」とは何か――減るからこそ、充実するという思想

「縮充」は、“縮小(shrink)”と“充実(fulfillment)”をかけ合わせた造語です。

むじょうはこの思想のもと、人口減少によって既存モデルが限界を迎えている分野に対して、あえて「無理に守らない」「適切な規模に畳む」「余白を活かす」という視点で新しい設計図を描いていきます。拡大でも撤退でもない、第三の地域のあり方。それが「縮充」です。

(出典:株式会社むじょう 会社概要資料)


現在進行中のプロジェクト群

むじょうではすでに以下の分野でリサーチ・実証を進めています。

耕作放棄地の縮充――使わず、放置せず、“粗放管理で維持する”という第三の管理方法

むじょうが定義する「耕作放棄地の縮充」とは、土地の可能性を維持しつつ、関係者の心の重荷にならない状態を保つこと。作付けもしないが、完全放置もしない、その間を担う選択肢として、現在はヤギの放牧による“粗放管理”という形を採用しています。

写真提供:株式会社むじょう 広報部

自社牧場(神奈川県湯河原町)では現在9頭のヤギを飼育中。耕作放棄地をヤギにより緩やかに管理することで、雑草の繁茂や獣害のリスクを防ぎつつ、管理コストを最小限に抑えることが可能になります。この取り組みは「活用でも放置でもない」という新しい土地の向き合い方を模索するもので、今後は自治体との連携により、町有地管理や山間地・中山間地の“余白”を支えるモデルとしての普及を目指します。

田んぼの縮充――無理なく、心地よく続けられる田んぼのサイズへ

写真提供:株式会社むじょう 広報部

「田んぼの縮充」は、単なる農地の集約ではなく、“無理なく心地よい範囲で農を続けられること”を目的としたアプローチです。守る農地と還す農地を明確に分け、農業の継続性と自然の回復を両立させるモデルへの移行を見据えています。

現在はその最初の一歩として、島根県海士町にて「継ぐ米」という販路開拓事業を展開中。これは農産物の“単価”を安定させることによって、農家が「どれだけ作るか」を自律的に調整できるようにする仕組みです。

農家の収入は「生産量 × 単価」で決まるため、単価が安定すれば、生産量を減らしても生活が維持できる可能性が生まれます。

結果として、耕作する農地の面積の調整がしやすくなり、小規模でも持続可能な営農体制への転換が見込めます。


研究機能も拡充。「縮充研究所」を新設

社会実装だけでなく、理論とデータに基づく「縮充の可視化」も目的とし、むじょうは新たに「縮充研究所」を立ち上げました。

今後は各分野の専門家・自治体・研究者と連携し、政策提言や白書の発行、パートナー自治体との共創型プロジェクトを展開していきます。


今後の展望

株式会社むじょうは、「縮充」という概念を社会実装していくにあたり、単なるコンサルティング企業ではなく、現場から理論をつくり、理論を再び現場に還元する“実践知の循環”を担う組織を目指しています。

すでに自社で農地・耕作放棄地・教育といった複数の実証フィールドを持ち、理論を現場から紡ぎ出すプロセスを進行中です。一方で、全国すべての現場をむじょう単独で担うことは現実的ではありません。

そこで今後は、「縮充研究所」をハブとして、各分野の知見を横断的に体系化し、全国に共有可能な形での知の蓄積と発信を進めていきます。その第一歩として、2025年度中に「縮充白書」の発行を予定しており、テーマ別に縮充のアプローチをまとめた初のレポートとなる予定です。

また、5月よりパートナー自治体・企業の募集を正式に開始し、共同での調査・実装・政策提言を行う「縮充連携プロジェクト」を展開していきます。あわせて、調査対象となる地域やフィールドの公募も検討中であり、「縮充」という思想に共鳴する全国の地域と共に、地域の未来を共創していくことを目指します。

さらに、来年度以降は「縮充」をテーマに研究を行う学生や若手研究者への助成制度の組成も計画中です。縮充という新しい視点を、実務だけでなくアカデミアや教育の分野にも広げていくことで、思想としての厚みと持続性を高めていきたいと考えています。


お問い合わせ先

担当:松田

メール:info@mujo.page

電話:050-3138-3737

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会社概要

株式会社むじょう

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URL
https://www.mujo.page/
業種
サービス業
本社所在地
東京都目黒区中目黒3-6-2 中目黒F・Sビル5階
電話番号
050-3138-3737
代表者名
前田陽汰
上場
未上場
資本金
810万円
設立
2020年05月