Quantum Mesh 液浸冷却システム『KAMUI』の特許を取得
日本初の商用化、 地下水を活用した世界最高水準 PUE1.03 のエネルギー効率を実現
Quantum Mesh株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:篠原 裕幸、以下 Quantum Mesh)は、当社が開発・商用運用してきた液浸冷却システム『KAMUI』に関わる独自技術について、包括的特許(特願2025-036914)を取得したことをお知らせいたします。
今回取得した特許は、KAMUIを用いた高効率な液浸冷却を可能にする熱交換構造、油流動設計、ラック構造など複数の技術要素を統合的に権利化したものです。
■液浸冷却システム『KAMUI』を開発した背景
2023年のChatGPT3.5公開以降、生成AIは世界的に急速な広がりを見せ、現在では毎週10億人規模が利用するインフラへと成長しました。それに伴い、AI処理に不可欠なGPUの消費電力の増大が進み、従来の空冷データセンターでは最新GPUを冷却しきれないという課題が顕在化しています。水冷方式も普及が進む一方、GPUの発熱量は想定を超えるペースで増大しており、冷却能力・電力消費の両面で限界が見え始めています。
こうした状況下で、最も注目されている次世代技術が液浸冷却です。サーバーを絶縁オイルに浸し、その温度上昇を効率的に回収・冷却することで、高密度GPU環境における抜本的な省エネを実現します。Quantum Meshは、来るべきAI社会を支えるデジタルインフラを構築すべく液浸冷却システムKAMUIを開発するとともに、高効率な冷却を実現する仕組みを考案し運用に至っています。
■『KAMUI』を用いた冷却システムの特徴
KAMUIは、閉鎖循環式の単相式独自液浸システムで、2024年に開発・運用を開始。2025年より商用化し用途に合わせたサーバーと組み合わせる形で提供しています。KAMUIの最大の特徴は以下の点にあります。
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日本および世界で豊富に存在する“地下水”を冷却源として活用
年間を通じて14〜18℃と安定した地下水を冷却源として活用し、効率的な熱交換を実現。自然環境を活かしたサステナブル設計で、環境負荷の極めて低いデータセンター運用を可能にします。また、地下水が利用しにくい地域に向けて、一定量の水資源を用いたチラー冷却方式にも対応可能で、導入環境の柔軟性も確保しています。
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PUE1.03〜1.04という世界最高水準のエネルギー効率
液浸冷却の採用により、必要冷却電力は従来の空調方式の1/10以下。データセンター全体では PUE1.03〜1.04 という世界最高クラスの効率を達成しています。(当社調べ)
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1m²以下のフットプリントで40kVAを冷却可能
高密度GPUサーバーの普及を見据え、1㎡未満というコンパクトなフットプリントに40kVA級の冷却能力を実装。従来比で約80%の空間削減を実現し、都市部や地方の限られたスペースで高性能データセンターを運用できます。
■KAMUIについて
『KAMUI』は、Quantum Meshが独自開発した閉鎖循環式の単相液浸冷却システムです。サーバー自体を冷却液に浸しサーバーから発生する熱を効率的に吸収する仕組みとなります。この液浸冷却システムでは、一年を通じて14~18℃と安定した温度である地下水とサーバーの発熱によって温まった冷却液を熱交換することでサーバーを冷却。その冷却に必要な電力は、従来の空調による冷却方式と比べて1/10以下に抑えられ、データセンター全体としてはPUE1.03~1.04という世界最高水準の効率を実現しています。
また、断面積約1m2のラックにおいて40kVAまで冷却可能であり、従来のデータセンターに比べて空間効率も8割ほど削減できます。

Quantum Mesh 株式会社について
Quantum Mesh 株式会社は、情報の安全な保護と計算処理を担う可搬型データセンターを開発・運用しています。流通する大量の情報資産を世界レベルの高度なセキュリティで保護し、高度な計算能力で有効に利活用できる環境を提供。また、データセンターを起点としたAI・IoTによる未来の街づくりを提案、「正しいDX」の実現を目指しています。
【会社概要】
社 名 :Quantum Mesh 株式会社
本 社 :東京都中央区銀座二丁目15-2 KR Ginza Ⅱ4F
設 立 :2023年6月
代表者 :代表取締役 篠原 裕幸
事業内容:可搬型データセンターの開発および運営
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