「ふるさと診療」2周年──地域医療を支える新しいかたち
自宅・来院型のオンライン診療から、実務手引き、医師ネットワークまで──地域医療を多層的に支える5つの取組み

1.「自宅型オンライン診療(DtoP)」で救急体制を補完──防府市での夜間オンライン診療体制の構築

2024年10月、防府市では夜間の初期救急医療体制を補完する取り組みとして、防府市休日診療所において「自宅型」のオンライン診療が開始されました。本モデルでは、患者さんが自宅などからスマートフォン等を用いて医師の診察を受けることができ、診療所での長時間待機や院内感染リスクを回避し、身体的・心理的負担の軽減につながっています。
山口県にゆかりのある医師が離れたところからでもふるさとを想う気持ちを元に診療を行うことで、オンライン診療であっても地域の医療関係者との関係性が担保され、方言を交えて診療するなど心温まる光景が見られました。本取り組みは厚生労働省の調査事業にも採択され、NHK山口放送局にも取材・放映されるなど、全国的な注目を集めています。
▶ PR記事:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000136007.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000136007.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000136007.html
▶ NHK報道:
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20240926/4060021313.html
2.「来院型オンライン診療(DtoP with N)」で地域医療機関を支援──岩国市医療センター医師会病院の実践

岩国市医療センター医師会病院では、医師・患者さん・看護師が連携する「来院型」のオンライン診療(DtoP with N)が開始されました。本モデルでは、患者さんが病院に来院し、看護師と共に診察室内に設置されているパソコンを通じて、遠隔地にいる医師がオンラインで診療を行います。看護師が診療を補助することで、必要な処置が可能となります。
このモデルの特長は、自宅型のオンライン診療では実施が難しい迅速検査や点滴処置などにも柔軟に対応できる点にあります。地域医療機関内での新たな診療の選択肢として、対面診療を補完する役割を果たしています。
岩国市の取り組みにおいても、「ふるさと診療ドクター」が診療を担当しており、地域外に住みながらも「ふるさと」を身近に感じながら、山口県に貢献する仕組みとして機能しています。さらに、防府市、岩国市の両事例で診療報酬や患者情報が地域医療機関に紐づくため、地域医療の経済循環にも配慮された構造となっており、持続可能な地域医療の実現に貢献しています。
▶ PR記事:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000136007.html
▶ NHK報道:https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20250620/4060023429.html
3.「へき地におけるオンライン診療等の手引き」並びに「へき地等におけるオンライン服薬指導の導入の手引き」の策定──制度・実務の両面から導入を後押し


山間部やへき地においてオンライン診療・服薬指導の導入を検討する自治体や医療機関を支援するために、山口県立総合医療センター へき地医療支援センターおよび公益社団法人地域医療振興協会が作成した「へき地におけるオンライン診療等の手引き」、山口県(健康福祉部薬務課)が作成した「へき地等におけるオンライン服薬指導の導入の手引き」の執筆協力を弊社が行いました。
これまでの防府市・岩国市でのオンライン診療体制構築事業や、山口県庁との連携によるへき地のオンライン服薬指導体制構築事業で得られた知見をもとに、地域関係者との合意形成・ICT導入・運用フロー・連携体制の具体的なステップを整理しました。へき地医療の現場ニーズに即した、実務者向けの実践的な手引きとしての活用が期待されます。
4.地域医療×オンライン診療の「ふるさと診療勉強会」開催──第10回を突破

弊社では、2023年5月より「ふるさと診療勉強会」を定期開催しています。本勉強会は、主にオンライン診療を用いて地域医療の課題を解決するためにオンライン診療の制度、活用方法、課題を、臨床に限らず医療の多方面から学ぶ場です。
医師・医療従事者・自治体職員・医師会関係者が多数参加頂き、これまでに延べ1,000名以上が参加しています。
第10回では、オンライン診療によって地元と関係性を継続し、将来的にUターンを考える医師のキャリアプランについての内容であり、現在問題となっている医師偏在対策の解決策になる可能性も示されました。
なお、本勉強会の内容は、日経メディカルに特集いただいております。詳細は以下をご参照ください。
▶ 日経メディカル記事:https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/cadetto/column/workshop/202505/588733.html
5.「ふるさと診療ドクター」登録者数400名突破──地域医師ネットワークの広がり

「ふるさと診療ドクター」は、ゆかりのある地域に対して、診療を行うことに加えて、診療以外の部分でも貢献したい医師の集まりです。オンライン診療に限らず、地域医療の体制構築や自治体支援など様々な形で貢献することが出来、「ふるさと診療ドクター」同士が関わり刺激を受け合うことで新たな関係性も生まれています。
2025年6月現在、「ふるさと診療ドクター」は400名を超えており、日本全国にゆかりのある医師に参加して頂いています。今後は各医師のふるさとを想う気持ちを応援し、Uターン・Iターンなどの地域と医師をつなぐ社会的基盤として今後さらに拡張していく予定です。
【株式会社ジェイエムインテグラルについて】
■所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂1-14-14 第35興和ビル5F
■設立:2021年6月
■事業内容:
・自治体向け医療関連サービスの提供
・医療・検査機器の販売
・医療ヘルスケアにおけるコンサルティング事業
・医療ヘルスケアにおける人材紹介
・クリニック経営支援
■ホームページ:
■事業概要と弊社の沿革
弊社は新型コロナウイルス感染症が流行していた2021年6月に設立され、自治体向けの感染症対策事業支援などを手掛けました。
特に山口県においては、各種新型コロナウイルスに関する検査支援に加え、フォローアップセンター(コールセンター)業務、発熱患者専用のオンライン診療体制の構築、ゲノム解析を含む新型コロナ陽性患者情報共有システムの開発などを受託しました。
明確な解決策がない中で自治体や地域関係者の皆様と対話しながら、山口県の医療環境に最適な対応策をご提案して参りました。
地域医療におけるDXの取り組みや人材確保が全国的に喫緊の課題となる中、医療のIT化支援や医師人材確保などを支援する「ふるさと診療」事業を展開しております。
【本件に関するお問合せ】
株式会社ジェイエムインテグラル
地域医療支援部:田中勇成
お問い合わせ:https://jmintegral.com/contact
Tel: 03-4500-7155
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