アストロスケール米国とOrbit Fab、初となる衛星への燃料補給契約を締結
「宇宙のガソリンスタンド」のサービスによって、衛星の使い捨てから脱却
持続可能な宇宙環境を目指し、スペースデブリ(宇宙ごみ、以下、デブリ)除去サービスを含む軌道上サービスに取り組む株式会社アストロスケールホールディングスの子会社であるアストロスケール米国(本社:デンバー、社長兼マネージングディレクター ロン・ロペス、以下「アストロスケール」)と軌道上での燃料補給を行う「宇宙のガソリンスタンド」に取り組む米Orbit Fab社(オービット・ファブ、本社:カリフォルニア、CEO ダニエル・ファーバー)は本日、地球静止軌道(GEO)でアストロスケールの寿命延長衛星LEXI(レキシー、Life Extension In-Orbitの略)へ燃料補給する商業契約を発表しました。LEXIは、Orbit Fabによる燃料補給の契約を締結する最初の衛星です。
本契約は、Orbit FabのGEO燃料運搬船が当社の寿命延長衛星LEXIに最大1,000kgのキセノン推進剤を補給するもので、これにより、アストロスケールは軌道上におけるLEXIのサービスミッションの範囲や柔軟性を拡大し、あらゆる顧客要求を満たすことができます。
アストロスケール米国の社長兼マネージングディレクターであるロン・ロペスは以下のように述べています。
「この合意は、宇宙の持続可能性(スペースサステナビリティ)と軌道上サービス市場の変革を表すものです。当社とOrbit Fabの取組みは、GEOでの寿命延長という顧客への提供価値を強化するとともに、宇宙エコシステムにおける軌道上サービス会社間での新たなビジネスモデルを推進し、衛星運用をより持続可能なものにするでしょう。」
アストロスケールの寿命延長衛星LEXIは、2026年までにGEOへ打上げ予定であり、米国政府や世界中のパートナー政府および民間衛星運用者に寿命延長サービスを提供します。LEXIの主要サービスは、ステーションキーピング(軌道維持)や姿勢制御、傾斜の修正、静止軌道内でのリロケーション、墓場軌道への廃棄などを含みます。アストロスケール米国は、LEXIのランデブやドッキング技術の開発を続けるとともに、宇宙空間でOrbit Fabによる燃料補給を可能にする「迅速に着脱可能な燃料移送インターフェース(RAFTI、Rapidly Attachable Fluid Transfer Interfaceの略)」を同衛星へ搭載するために協力しています。
Orbit FabのCEOであるダニエル・ファーバー氏は以下のように述べています。
「本契約の締結は宇宙産業にとって歴史的な瞬間であり、軌道上での燃料補給の差し迫った必要性をよく示しています。当社はアストロスケールと提携し、軌道上サービスとそのサービスを担う衛星への燃料補給という明確な需要を示すことで、軌道上サービスという新興セクターの成長を促進します。本契約は、固定価格で燃料を提供しアストロスケールがその燃料を購入するという、宇宙産業にとって初となるテイク・オア・ペイ方式を採用しており、サービスの提供前に契約の一部を収益化できるため、燃料タンカーと燃料運搬船のネットワークを迅速に構築できます。」
Orbit Fabは、今後5年から10年以内に数十の燃料タンカーと燃料運搬船を打ち上げ、地球低軌道(LEO)、GEO、および地球と月の間のシスルナ空間における顧客衛星コンステレーションの近くに配備する予定です。アストロスケールとOrbit Fabは、運用中の衛星にタンカーから直接燃料を転送するなど、軌道上サービス市場を拡大するための機会を模索しています。Orbit Fabの最初の2つの燃料運搬船は、2023年にLEOで試運転される予定です。
アストロスケール について
アストロスケールは、宇宙機の安全航行の確保を目指し、次世代へ持続可能な軌道を継承する為、スペースデブリ(宇宙ごみ)除去サービスの開発に取り組む世界初の民間企業です。 2013年の創業以来、軌道上で増加し続けるデブリの低減・除去策として、今後打ち上がる人工衛星が寿命を迎えたり恒久故障の際に除去を行うEOL※1、既存デブリを除去する為のADR※2、宇宙空間上での宇宙状況把握(ISSA※3)、稼働衛星の寿命延長(LEX※4)など軌道上サービスの実現を目指し技術開発を進めてきました。また、長期に渡り安全で持続可能な宇宙環境を目指す為、技術開発に加え、ビジネスモデルの確立、複数の民間企業や団体、行政機関と協働し、宇宙政策やベストプラクティスの策定に努めています。
本社・R&D 拠点の日本をはじめ、シンガポール、英国、米国、イスラエルとグローバルに事業を展開しています。
アストロスケール本社ウェブサイトはこちら: https://astroscale.com/ja/
※1 EOL:End-of-Lifeの略称
※2 ADR:Active Debris Removalの略称
※3 ISSA:In Situ Space Situational Awarenessの略称
※4 LEX:Life Extensionの略称
Orbit Fabについて
Orbit Fabは、推進剤のサプライチェーンをはじめとして、活気に満ちた宇宙経済を構築しています。同社の「宇宙のガソリンスタンド」のサービスは、ミッション期間を延長し、軌道を移動し、さらには地球に戻るために必要な推進剤を衛星運用者に提供することで、地球と宇宙の架け橋を築きます。世界初としては、初の商用衛星燃料補給ポートRAFTI、初の軌道上燃料貯蔵所、および民間企業による国際宇宙ステーションへの最初の水の補給などを誇ります。Orbit Fabは、Lockheed Martin、Northrop Grumman、SpaceFund、Bolt、Munich Re Venturesなどの主要な業界リーダーや投資家に支えられています。
詳細はこちら:orbitfab.com
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