JAMIRA、株式会社プリメディカ、産業動物の腸内細菌叢評価・活用事業を開始
~細菌叢には力がある。細菌叢の正しい評価と活用で、産業動物をより健康に~
■背景
近年、次世代シーケンサーを駆使した腸内細菌叢解析の発達により、我々ヒトの腸内細菌叢と健康は密接に関係していることが明らかにされつつあります。加えてこれはヒトに限ったことではなく、産業動物においても腸内細菌叢と健康は密接に関係していることがわかってきています。
しかし、ヒトとは異なり産業動物においては、腸内細菌叢の網羅解析を駆使した研究はまだまだ黎明期を抜け出せない状況にあります。また、腸内細菌叢に関するデータの蓄積も乏しく、「健康」や「生産成績向上」に寄与する腸内細菌群も未知な部分がほとんどです。
そういった背景の中、産業動物における腸内細菌叢のデータベース構築を目的とする一般社団法人「産業動物細菌叢評価・活用機構」(JAMIRA:Japan Association for exploring and utilization of Microbiota in IndustRial Animals)が2022年8月16日に設立されました。
■事業の全体像
プリメディカにて腸内細菌叢の測定・解析を実施し、JAMIRAによる産業動物の腸内細菌叢の専門的な解釈を行うことで産業動物腸内細菌叢データベースの構築を目指します。蓄積されたデータは、生産成績の向上を目的とした飼料開発への応用など、飼料メーカー、畜産農家の皆様に利活用いただくことを想定しております。
■活用イメージ(ブタの場合)
「農場固有の腸内細菌叢を把握」
繁殖母豚において、日本国内の年間離乳頭数の多い農場(27.7頭/年)と少ない農場(19.3頭/年)の妊娠豚の腸内細菌叢を比較したところ、年間離乳頭数の多い農場の方が、Fibrobacter属菌などセルロース分解細菌の占有率が高く、両者が明確に異なることが報告されています※1。また、糞便中短鎖脂肪酸濃度を測定すると年間離乳頭数の多い農場の方が顕著に高い値を示していました。農場ごとの腸内細菌叢の違いや短鎖脂肪酸濃度を検証することで、農場生産成績改善の糸口とすることが期待できます。
※1 Uryu et al. 2020, Microorganisms
「生産効率を高める飼料開発への応用」
肉豚でも飼料効率や増体重が良いグループと悪いグループでは腸内細菌叢が異なることが多くの研究で示されています。プレバイオティクスの一種を離乳直後から給与した研究においては、3ヶ月後には有用菌の占有率が対照群よりも有意に高値となりました。この肉豚の出荷までの離乳後死亡率は対照群の約半分、出荷日齢は対照群において平均で11日間短縮され、生産性が向上しました※2。腸内細菌叢の改善を目的とした飼料開発を農場で検証する際に、当サービスが大きな役割を担います。
※2 Inoue et al. 2021, Pathogens
■腸内細菌叢の評価・活用について
JAMIRAは専門家からのアドバイスを付与した腸内細菌叢の評価・活用サービスを提供いたします※3。
産業動物の腸内細菌叢の評価・活用をご検討されている方は下記お問合せ先までご連絡ください。
※3専門家のアドバイスを受けるには一定の条件を満たす必要があります。
<学術顧問>
ウシ:北海道大学農学部 動物機能栄養学研究室 教授 小池聡
ブタ:摂南大学農学部 応用生物科学科 動物機能科学研究室 教授 井上亮
トリ:東北大学農学部 動物生命科学講座 准教授 喜久里基
<測定依頼に関すること> | <広報に関すること> |
一般社団法人「産業動物細菌叢評価・活用機構」 | 株式会社プリメディカ |
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