アラスカで暮らす絵本作家・あずみ虫さんがおくる、野生動物の物語絵本『ホッキョクグマのプック』
株式会社童心社(出版社本社:東京都文京区 代表取締役社長・後藤修平)は、絵本『ホッキョクグマのプック』を1月13日に発売いたします。
本作『ホッキョクグマのプック』は、アラスカを拠点に活動する絵本作家のあずみ虫さんが、野生動物を取材して描く物語絵本。
野生動物を観察したいという思いから、1年の半分を自然ゆたかなアラスカで暮らすあずみ虫さん。
本作は、アラスカで住むようになったあずみ虫さんが、現地で取材・観察して作り上げた初めての絵本です。
トピックス:
・『ホッキョクグマのプック』あらすじ
・ホッキョクグマの親子を絵本に――あずみ虫さんインタビューより
・ホッキョクグマを守ることは、地球全体の自然を守ること ――本作あとがきより
・書誌情報
・著者プロフィール
監修協力:村田浩一(よこはまズーラシア動物園園長)
- 『ホッキョクグマのプック』あらすじ
さむい冬のある日。カナダの北極地方で、ちいさなホッキョクグマのあかちゃんが生まれました。
おかあさんは、あかちゃんにプックという名前をつけました。
春になると、プックははじめて巣穴の外にでます。
はじめてみる外の世界は、とてもひろくて、みたことのないものがいっぱい!
プックのだいぼうけんのはじまりです。
プックが、おかあさんのまねをして鼻を空たかくあげて、まわりのにおいをかいでみると、
今までかいだことのない、こわいにおいが近づいてきて……。
ホッキョクグマの親子のあたたかな愛情を、親しみやすいイラストで描きます。
- ホッキョクグマの親子を絵本に――あずみ虫さんインタビューより
絵本の仕事をするようになり、アラスカへ行き野生動物たちを自分の目で見したいと思うようになったといいます。アラスカに行く予定を立てる中、写真家の大竹英洋さんのさそいでホッキョクグマを観察するツアーへ参加したことが、この作品に取り組むきっかけになったと言います。
以下あずみ虫さんインタビューより抜粋
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ツアーへ同行したのは、カナダのチャーチルというところでした。カナダとアラスカは隣接していて、文化や生息している野生動物も非常に近いのです。
通常、ホッキョクグマを見るツアーでは、車の中から観察することが多いのですが、そのツアーは徒歩で観察できるというものでした。ガラス越しの観察ではなく、野生のホッキョクグマと同じ空間を共有し、接することができたことは私にとって、ありがたくとても大きな体験でした。
そこで出会ったホッキョクグマの親子がいます。その子グマは私たちに興味をもって、元気いっぱいに走り寄って来ました。
しかし、近づきすぎることは危険なので、ガイドの人が子グマに雪をかけると、子グマは慌ててお母さんの後ろに隠れました。でもやっぱり私たちのことが気になって、こちらをじっと見ていました。無邪気なこの子グマをとても愛おしく感じました。
その後も何度かこの親子を観察する機会を持てたのですが、子グマがお母さんに甘えて口をペロペロなめている姿や、くっついてお昼寝をしている姿など、いろんな姿をその親子は見せてくれました。
――その親子の姿が、絵本の元になっているのですね。
そうなんです。
親子の写真を撮ると、同じポーズになってしまうほど、子グマがしょっちゅうお母さんの真似をしていてました(笑)。何でもお母さんと一緒で、子グマは本当にお母さんが大好きなんだなと思いましたし、親子の愛情を感じて、このホッキョクグマの親子の絵本を作りたい!と思ったのです。
――実際の観察がベースになっているので、物語絵本ではありますが、しっかりとホッキョクグマの生態に基づいて作られているのですね。観察をして印象に残ったことなど教えてください。
鼻を高く上げてにおいをかいでいる様子でしょうか。
ホッキョクグマにとって、においをかぐことはとても大事なことなのです。鼻を高く上げて、空気中のにおいをかいで、目に見えない広い範囲で起きていることを把握しています。
死んだクジラか何かが浜にうちあげられた時にも、鼻を高く上げて、においを察知し、死骸を食べに出かけていました。
この絵本で出てくるようなホッキョクグマ親子も、オスのクマに出会い襲われないように、時々においをかいで、注意しながら移動していました。
(以上、あずみ虫さんインタビューより抜粋)
あずみ虫さんインタビュー全文はこちら
https://www.doshinsha.co.jp/news/detail.php?id=2870
- ホッキョクグマを守ることは、地球全体の自然を守ること ――本作あとがきより
あずみ虫さんは、日本を出てアラスカで暮らす中で、温暖化や地球全体の自然を守ることについて考えるようになったといいます。本作には、こうした野生の中で生きる命について考えるきっかけになってくれたらという、作者の強い思いがこめられています。
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アラスカの夜空では、オーロラを見ることができます。ある晩、外にでると、大きな光の幕がくらい空に広がり、だんだんと中心にあつまって、ついには巨大な発光する川となりました。
はじめは、巨大な光にのみこまれそうで、こわいとかんじましたが、ながめているうちに、そのうつくしさに、ひきこまれていきました。
こんなふうに、野生動物やそれをとりまく自然について、アラスカでくらすうちに、知るようになりました。
近年、地球温暖化の影響で海に氷がはる期間がみじかくなり、主食のアザラシを食べられずに死んでしまうホッキョクグマがふえています。
ホッキョクグマをまもることは、氷の海だけでなく、地球全体の自然をまもることにもつながります。温暖化を止めるために、わたしたちにどんなことができるか、ひとりひとりが考えていかなければなりません。
ホッキョクグマやすべての生きものたちが、この地球で、かわらずにずっと生きつづけていけることを、ねがっています。
(『ホッキョクグマのプック』あとがきより)
- 書誌情報
作:あずみ虫
定価:1,650円 (本体1,500円+税10%)
判型:A4変型判
サイズ:24.6×21.6cm
ページ数:41ページ
ISBNコード:978-4-494-01585-6
発売日:2023年1月13日
対象:3歳~
童心社ホームページ:https://www.doshinsha.co.jp/search/info.php?isbn=9784494015856
- 著者プロフィール
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