bestat、点群・メッシュから円筒形状を高精度に自動検出する技術で特許取得
欠損データからでも“正しい円筒”を抽出、現場の3Dデータを正確なCADデータへ自動変換する新アルゴリズムを開発
産業用3Dデータ特化のbestat株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:松田 尚子、以下bestat)は、点群・メッシュデータから円筒形状を高精度に自動検出する新技術について、日本国内で特許を取得しました。本技術により、欠損や遮蔽により完全な360度計測ができない環境でも必要な円筒のみを正しく抽出し、3DのCADデータ(ソリッドデータ)として活用できるようになります。

円筒検出技術の重要性について
製造業やインフラ・プラントでは、配管・ダクト・タンクなど「円筒形状」が多く存在しており、現場を3Dで再現するデジタルツイン構築において重要な要素の一つとなっています。しかし従来の円筒検出技術(※)は、複数の配管が折り重なった現場では誤検出が発生しやすく、(壁際・埋設・影などによる)欠損に弱いため、正しい3Dデータにするためには現場で追加の人の手による作業が必須でした。
※Araújo, A. M. C., & Oliveira, M. M. (2020). Connectivity-based cylinder detection in unorganized point clouds. Pattern Recognition, 100, 107161. https://doi.org/10.1016/j.patcog.2019.107161
特許技術のポイント
今回取得した特許技術は、従来技術に対して以下の点で大きく進化しています。
1.円筒抽出の実用精度が10倍以上向上
誤検出が多く実用に耐えなかった従来手法に対し、今回の独自アルゴリズムでは視覚的に“正しい円筒”のみを抽出する精度が10倍以上向上しました。その結果、手作業による3Dデータ修正が大幅に削減されます。
2. 欠損や遮蔽があっても円筒を推定し、再現
壁際・地中・構造物裏など、360度撮影できない状況でも形状を推定・復元し、点群が途切れていても“円筒らしさ”を推定して検出します。
3. CADソリッドデータとして即利用可能
検出した円筒は3D.CoreでそのままCADデータ(ソリッドデータ)に変換できるため、従来のように手動でのモデリング工数が不要になります。
<活用シーン例>
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プラント・工場の配管モデリング
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インフラの点検、現況調査、施工性確認
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配線・配管図面の更新作業
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工場ライン等の配置・搬入シミュレーション
本特許技術により、従来は点群を目視しながらCADを描き直していた工数(数時間〜数十時間)を大幅に削減できます。今回の技術は、単なる円筒抽出精度の向上にとどまらず、将来的にはAIエージェントが現場データから自動でCADを生成する流れの中核技術として組み込まれていく予定です。
bestatは、今後もより良いアルゴリズムや最新技術を取り入れながら、製造・インフラ・土木の現場における3Dデータ取得・生成・活用を推進してまいります。
3Dデータの取得・生成・活用を支援するプラットフォーム「3D.Core」
3D.Coreは、東京大学松尾研究所発のbestatが開発する産業向け3Dデータ活用プラットフォームです。点群データ・写真・動画・360度動画など、現場で取得される多様な3Dデータをもとに、取得・生成・活用までを一気通貫で支援します。
すでに製造業・インフラ・土木・建設などの分野で70社以上での導入実績があり、工場・プラント・橋梁・発電設備など、現場のデジタルツイン構築や生産技術業務、設備保全・点検、レイアウト検討など幅広い用途で利用が進んでいます。

bestat株式会社
会社名 :bestat株式会社
代表 :代表取締役 松田 尚子
設立 :2018年
所在地 :〒113-0033 東京都文京区本郷6丁目25−14
事業内容:
・3Dデータの取得・生成・活用プラットフォーム『3D.Core』シリーズの提供
・3Dデータ処理API提供
・デジタルツイン構築
・3Dデータ活用にまつわる業務のAIエージェント開発
URL :https://bestat-data.com/
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