配偶者と死別した“没イチ”は全国約955万人 実情に迫る調査レポートを公表
周囲の理解は不足、特に男性が立ち直り困難な傾向
僧侶手配サービス利用者数No.1※1の「お坊さん便」および定額葬儀サービス※2「よりそうのお葬式」を運営する株式会社よりそう(本社:東京都品川区、代表取締役:芦沢雅治、以下「よりそう」)は、昨今社会的認知が高まりつつある配偶者と死別した方々 “没(ボツ)イチ”に関する調査レポートを公表します。2018年11月22日に発表した再婚を希望する“没イチ”の方を応援する企画「スイートピー再婚便」に伴うもので、“没イチ”の方の実情を把握することを目的とした調査です。その結果、周囲の一言や先入観に心を痛めた経験談や、死別した配偶者への思いや感情が幅広く集まったほか、男性は特に死別による心理的な影響が大きくその後の立ち直りに困難を抱える傾向にあるという“没イチ”の実情が明らかになりました。改めて“没イチ”の概要をご紹介するとともに、調査結果をお知らせします。
■ “没イチ”とは
昨今配偶者と死別した経験を持つ方々を指して“没イチ”と呼ぶ動きが広がっています。以前から社会学あるいは死生学の中で「遺族」に含まれた状態で取り扱われてきましたが、2017年ごろ「人生100年時代」という言葉に注目が集まり始めたこともあり“没イチ”という呼称とともに概念の認知が高まっています。第一生命経済研究所の主席研究員である小谷みどり氏が出版した書籍「没イチ」(2018年、新潮社)によると、この名称を提唱したのは2012年に小谷氏が結成した「没イチ会」のメンバー。配偶者の分まで前向きに生きる人が増えてほしいという願いを込め、“バツイチ”(=離婚経験を前向きにとらえるために成立した言葉)になぞらえた命名だとされています。
■“没イチ”に関する主な数値
2015年の国勢調査によると、40歳以上の“没イチ”は全国に約955万人おり、その約8割を平均寿命の長い女性が占めています。“没イチ”人口は1990年の710万人から35%増加している一方、増加分の大半は一人暮らしの方となっています。このことから、高齢化と核家族化の影響で“没イチ”かつ“おひとり様”の方が増加している傾向が伺えます。今回の調査結果でも回答者男性の66%、女性の92%に子供がいる一方で、男女ともに過半数は現在一人暮らしでした。また、“没イチ”になった年齢は60歳前後です。2017年の日本の平均寿命は約84歳であり、“没イチ”としての人生を四半世紀近く過ごす方が多くいることが判明しました。
このことから、死別後の精神的なケアや生活維持、配偶者側の親族との付き合い、死後再婚等の問題に一人で直面することになるシニア“没イチ”はさらに増加すると見込まれます。同時にそのサポートに社会全体で取り組む必要が高まると考えられます。
■調査の背景
近年“没イチ”に関する注目度は増しつつある一方、当事者の実情や抱えている悩みについては十分知られていません。一方、よりそうが提供する「よりそうのお葬式」のご利用者のうち4人に1人は配偶者を亡くした“没イチ”の方です。今回の調査は、「故人さまとご遺族によりそい、その後の新たな旅立ちまでサポートしたい」というよりそうのブランド理念を背景に、“没イチ”の方に対する葬儀供養業界、および社会全体における理解をより高めることを目指したものです。
■調査結果概要~別添調査レポートより抜粋
よりそうでは今回、全国40代以上の配偶者を亡くした“没イチ”男女157人(男性50人、女性107人)を対象に、配偶者との死別経験に関する調査を実施しました。その結果、主に以下のような結果が得られました。
①“没イチ”には60歳前後で死別を経験した人が多い
現在の年齢と死別後の経過期間を質問すると、男女共に現在は68歳で、死別後8〜9年強が経過していました(中央値)。“没イチ”には60歳前後にパートナーを亡くした方が多いことが伺えます。
(注記:本調査はインターネット調査のため80代以上の方の回答が少なく、年齢が下方に寄っている点に留意)
②配慮の足りない一言や決めつけに戸惑ったり傷ついたりした経験がある
周囲から言われて困ったことについて自由回答で質問すると、配慮の足りない周囲からの言葉に傷ついたり、相手側の親族との関係で苦労したり、再婚についての考え方を周囲から押し付けられたりしている実情が分かりました。
③死別した配偶者への思いや感情は人それぞれである
死別した配偶者を見送った経験を通じて結果的に得られたのかもしれない、と感じることについて質問すると、周囲の有難さやこの世が無常であること、孤独、新しい人間関係といった人生の本質に関わる様々な気づきや出会いを見出していることが分かりました。
④突然死別を迎えた方が3割前後いる
配偶者との死別の可能性を知った時期について質問すると、突然だったという方の割合は、男性で27%、女性で37%にのぼることが明らかになりました。また、死別が突然だった方の現年齢と死別後の経過時間(中央値)を見ると、事前に死別が判明していた方に比べて4年ほど早い時期に配偶者を亡くしています。
⑤“没イチ”男性は死別後に生きがいを見出すことに苦労している
今現在、生きがいに感じていることとして、男女ともに趣味や子どもの存在を挙げる方が多い結果となりました。ただし、男性では生きがい自体がないと答えた方が女性と比べて3倍以上となり、“没イチ”男性はその後の人生の立て直しを困難だと感じている様子が伺えます。
<調査概要>
■株式会社よりそうについて
2009年に生活関連メディア運営事業からスタートした葬儀ITベンチャー企業。メディア運営を通じて届いたレビューをもとに、2013年より定額のパッケージ型葬儀「よりそうのお葬式(旧:シンプルなお葬式)」定額のお坊さん手配サービス「お坊さん便」の提供を開始。2018年7月より、人生の門出に立つ方とお坊さんを現代に合ったかたちでつなぐプロジェクト「お坊さん便ラボ」を開始。第1弾としてLINE Clovaへの法話・僧侶手配スキルの提供、第2弾として再婚希望の“没イチ”の方を応援する「スイートピー再婚便」を発表しています。
※1 2018年9月実施「僧侶手配サービスに関する調査」より。調査主体:株式会社よりそう、調査協力:株式会社クロス・マーケティング
※2「よりそうのお葬式」における定額とは、プランごとにサービス内容を定義し、その内容に限って予め定めた金額でサービス提供することを指します。利用者がプラン内容を超えるサービスを希望する場合や、居住地域および斎場や火葬場までの距離等によって、別途費用が発生する場合があります。
昨今配偶者と死別した経験を持つ方々を指して“没イチ”と呼ぶ動きが広がっています。以前から社会学あるいは死生学の中で「遺族」に含まれた状態で取り扱われてきましたが、2017年ごろ「人生100年時代」という言葉に注目が集まり始めたこともあり“没イチ”という呼称とともに概念の認知が高まっています。第一生命経済研究所の主席研究員である小谷みどり氏が出版した書籍「没イチ」(2018年、新潮社)によると、この名称を提唱したのは2012年に小谷氏が結成した「没イチ会」のメンバー。配偶者の分まで前向きに生きる人が増えてほしいという願いを込め、“バツイチ”(=離婚経験を前向きにとらえるために成立した言葉)になぞらえた命名だとされています。
■“没イチ”に関する主な数値
2015年の国勢調査によると、40歳以上の“没イチ”は全国に約955万人おり、その約8割を平均寿命の長い女性が占めています。“没イチ”人口は1990年の710万人から35%増加している一方、増加分の大半は一人暮らしの方となっています。このことから、高齢化と核家族化の影響で“没イチ”かつ“おひとり様”の方が増加している傾向が伺えます。今回の調査結果でも回答者男性の66%、女性の92%に子供がいる一方で、男女ともに過半数は現在一人暮らしでした。また、“没イチ”になった年齢は60歳前後です。2017年の日本の平均寿命は約84歳であり、“没イチ”としての人生を四半世紀近く過ごす方が多くいることが判明しました。
このことから、死別後の精神的なケアや生活維持、配偶者側の親族との付き合い、死後再婚等の問題に一人で直面することになるシニア“没イチ”はさらに増加すると見込まれます。同時にそのサポートに社会全体で取り組む必要が高まると考えられます。
■調査の背景
近年“没イチ”に関する注目度は増しつつある一方、当事者の実情や抱えている悩みについては十分知られていません。一方、よりそうが提供する「よりそうのお葬式」のご利用者のうち4人に1人は配偶者を亡くした“没イチ”の方です。今回の調査は、「故人さまとご遺族によりそい、その後の新たな旅立ちまでサポートしたい」というよりそうのブランド理念を背景に、“没イチ”の方に対する葬儀供養業界、および社会全体における理解をより高めることを目指したものです。
■調査結果概要~別添調査レポートより抜粋
よりそうでは今回、全国40代以上の配偶者を亡くした“没イチ”男女157人(男性50人、女性107人)を対象に、配偶者との死別経験に関する調査を実施しました。その結果、主に以下のような結果が得られました。
①“没イチ”には60歳前後で死別を経験した人が多い
現在の年齢と死別後の経過期間を質問すると、男女共に現在は68歳で、死別後8〜9年強が経過していました(中央値)。“没イチ”には60歳前後にパートナーを亡くした方が多いことが伺えます。
(注記:本調査はインターネット調査のため80代以上の方の回答が少なく、年齢が下方に寄っている点に留意)
②配慮の足りない一言や決めつけに戸惑ったり傷ついたりした経験がある
周囲から言われて困ったことについて自由回答で質問すると、配慮の足りない周囲からの言葉に傷ついたり、相手側の親族との関係で苦労したり、再婚についての考え方を周囲から押し付けられたりしている実情が分かりました。
- 同じ老人ホームで、ご主人を亡くされたある女性と出会い、同棲して3年になります。彼女自身遺族年金を受給しており、生活には困らないので今の所結婚したいとは思っていませんが、同棲しているだけで周りが色々とうるさいのが、苦労と言えば苦労です。(83歳 男性)
- 夫が亡くなった後の生活について夫の親族と理解し合えなかった。(64歳 女性)
- 「飲みに行こう」とよく誘われたがそんな気になれなかった。体はなくなっても魂は存続していると信じているが、同じ経験をしたことのない人には他人事に思うようで理解してもらえなかった。(65歳 女性)
③死別した配偶者への思いや感情は人それぞれである
死別した配偶者を見送った経験を通じて結果的に得られたのかもしれない、と感じることについて質問すると、周囲の有難さやこの世が無常であること、孤独、新しい人間関係といった人生の本質に関わる様々な気づきや出会いを見出していることが分かりました。
- 友人の励ましで立ち直れたので人に対する『感謝』の気持ちは強くなり自分も人の役にたちたいと思っている。(51歳 女性)
- 一人暮らしの厳しさと、一人暮らしの孤独に負けない過ごし方を習得した。(83歳 男性)
- 当たり前だと思って生活していた自分が、夫から、どれほどの幸せを与えてもらっていたのか、守られていたのか、後悔先に立たずとはこのことだと思い知らされた。もっと夫に感謝して、もっと大切にしてあげればよかったと毎日後悔。毎日無事に過ごせる事への感謝の気持ちが大切だという事。(69歳 女性)
④突然死別を迎えた方が3割前後いる
配偶者との死別の可能性を知った時期について質問すると、突然だったという方の割合は、男性で27%、女性で37%にのぼることが明らかになりました。また、死別が突然だった方の現年齢と死別後の経過時間(中央値)を見ると、事前に死別が判明していた方に比べて4年ほど早い時期に配偶者を亡くしています。
⑤“没イチ”男性は死別後に生きがいを見出すことに苦労している
今現在、生きがいに感じていることとして、男女ともに趣味や子どもの存在を挙げる方が多い結果となりました。ただし、男性では生きがい自体がないと答えた方が女性と比べて3倍以上となり、“没イチ”男性はその後の人生の立て直しを困難だと感じている様子が伺えます。
<調査概要>
- 調査名称:配偶者との死別経験者“没イチ”に関する調査レポート
- 調査時期:2018年11月〜12月
- 調査方法:インターネット調査。故人に関する繊細な事項が質問項目に含まれる事を調査冒頭に告知し、理解を得た方のみ回答
- 調査対象:日本全国40代以上の男女
- 対象者数:157名(男性50名、女性107名)
- ※上記内容を含む詳細なデータは別添調査レポートにてご紹介しています。(http://bit.ly/2Qe5jit)
■株式会社よりそうについて
2009年に生活関連メディア運営事業からスタートした葬儀ITベンチャー企業。メディア運営を通じて届いたレビューをもとに、2013年より定額のパッケージ型葬儀「よりそうのお葬式(旧:シンプルなお葬式)」定額のお坊さん手配サービス「お坊さん便」の提供を開始。2018年7月より、人生の門出に立つ方とお坊さんを現代に合ったかたちでつなぐプロジェクト「お坊さん便ラボ」を開始。第1弾としてLINE Clovaへの法話・僧侶手配スキルの提供、第2弾として再婚希望の“没イチ”の方を応援する「スイートピー再婚便」を発表しています。
※1 2018年9月実施「僧侶手配サービスに関する調査」より。調査主体:株式会社よりそう、調査協力:株式会社クロス・マーケティング
※2「よりそうのお葬式」における定額とは、プランごとにサービス内容を定義し、その内容に限って予め定めた金額でサービス提供することを指します。利用者がプラン内容を超えるサービスを希望する場合や、居住地域および斎場や火葬場までの距離等によって、別途費用が発生する場合があります。
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