出会った相手になんと呼ばれたい?なんと呼べばいい?多様な性のあり方を表現する「ジェンダー代名詞」とは
Tinderで「ジェンダー代名詞」を設定しよう!
人と出会い、関係を深めるうえで、お互いを“どのように呼び合うか”は、最初のステップになります。日本語には性別によって敬称を区別しない「〜さん」と言う呼び方がありますが、相手の性自認や性表現だけでなく、社会的な立場や年齢、相手との距離感など、様々な要素によって、どの敬称を選ぶか迷うこともあります。自分が何と呼ばれたいか、相手をどう呼んだら良いのか。人の名前と代名詞は、その人のアイデンティティの重要な一部だからこそ、ジェンダーを特定する言葉を先入観によって選択するのではなく、配慮をもって適切に使用することは、その人へのリスペクトを示すうえでとても大切なことです。
本リリースでは、昨年4月にローンチしたオリジナルサイト「Let's Talk Gender」でコンテンツディレクターを努めた中里虎鉄さんとともに、ジェンダー代名詞の意味や、その適切な使い方について解説します。相手の選択を尊重して、心地よいコミュニケーションを取るためのヒントをぜひ見つけてください。
ジェンダー代名詞とは?
TinderやSNS上で、プロフィールに「she/her」や「they/them」と書いている人を見かけることが増えました。このように、性別を表すための人称代名詞のことを「ジェンダー代名詞(プロナウン)」と言います。生まれたときに割り当てられた性別ではなく、性自認や性表現を表すものです。一般的には性自認・性表現が女性である人に対して使われる「she/her(彼女)」、男性である人に対して使われる「he/him(彼)」、女性・男性と言う枠組みに当てはならないノンバイナリーの人などに対して使われる「they/them(日本語で表す言葉は現在ない)」がありますが、人によってまちまちで、様々な種類があります。
例えば、性自認が女性で性表現がノンバイナリーの場合、「she/they」とする人もいれば、プロフィール上で、使って欲しい代名詞を書いている人も多くいます。このように自分が呼ばれたいものを表明することで、間違って認識されることを防ぐことができます。
まずは相手がどう呼ばれたいか、直接聞いてみよう!
相手の性のあり方を尊重する一歩として、相手の見た目や行動から判断して「彼女/彼」と呼ぶ前に、「何と呼んだらいいですか?」と、聞くことから始めてみることが大切です。「私の名前は○○○で、私の代名詞はshe/her/hers(彼女)です。あなたはどのように呼ばれるのが心地よいですか?」と言えばOK!また、「〜ちゃん(主には女性に使われる)」「〜君(主に男性に使われる)」など、相手の敬称を確認しないまま、思い込みで選ぶのは避けましょう。
虎鉄さんからのアドバイス「日本語でThey/Themを表す言葉は現在ありません。なのでノンバイナリーやジェンダークィアを自認している人を第三者に伝える場合には「彼/彼女」を使うのではなく、名前で伝えることが心地良いと感じる人もいます。何て呼ばれることが心地よいか、会話の始めに聞いてあげるとコミュニケーションがスムーズになるかもしれないですね!」
相手の代名詞を間違えて呼んでしまった場合はどうすれば良い?
シスジェンダーや異性愛規範、性別二元論などが根付いている社会では、相手の呼び方を間違えてしまったり、迷うこともあるかもしれません。見た目や仕草で無意識に相手の性別を判断して、本人の性自認とは異なるジェンダー代名詞や敬称を使ってしまうことを「ミスジェンダリング」と呼びますが、これは相手を深く傷つけてしまう場合があります。ただ、間違えてしまうことは誰しもあります。大切なのは気づいた時、間違いを認めて素直に謝ること。焦らず真摯に対話を重ね、相手の性のあり方を尊重したコミュニケーションを取ることが大切です!
虎鉄さんからのアドバイス「シスジェンダー、ヘテロセクシュアル、性別二元論が根付いている社会で生きてきた当事者たちは、日常的にミスジェンダリングをされることもあり、気にしないフリをすることもあるでしょう。本人からの指摘がなければ「傷ついていない」わけではないので、お互いに安心して話せる環境を作るためにも、間違えてしまったらしっかり謝ることが大切です。コミュニケーションを取るうえで、お互いに安心できるというのはとても大切なことです」
その代名詞が永久的なものではないことも忘れずに!
18歳から25歳の若者を対象に実施された調査では、33%の人が自分のセクシュアリティはどちらかというと流動的であり、29%の人が自分のジェンダーアイデンティティは過去3年間でより流動的になったと回答しました(※1)。ジェンダー代名詞も将来的に変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。その人のジェンダー代名詞は、その時点におけるその人のアイデンティティであることを常に忘れないでください!
虎鉄さんからのアドバイス「自分のジェンダー代名詞も、相手のジェンダー代名詞も、何と呼ばれるのが心地よいかは、その時の性のあり方や、様々な状況によって変化することもあります。それは決して、「完璧な状態ではない」わけではありません。自分/相手がどう呼ばれたいかを確認し続けることで、心地よいコミュニケーション、関係性を築く手助けになることでしょう。」
(※1)2023年1月21日から2月7日にかけて、米国、英国、オーストラリア、カナダの18〜25歳のアクティブに交際している独身者4,000人を対象に、OnePoll が Tinder に代わって実施した調査です。
新機能「ジェンダー代名詞」
1.プロフィール編集から「ジェンダー代名詞」を選択
2.「She/Her/He/Him/They/Them」選択肢の中から最大
4つまでの代名詞を選択することができます。
3.代名詞を選択したら、「完了」をクリック
4.プロフィールの名前のすぐ下に代名詞が表示されます。
オリジナルサイト「Let's Talk Gender」
URL:https://letstalkgender.jp/
多様なジェンダーについて学べ、深めることのできるオリジナルサイト「Let’s Talk Gender」を、2023年4月3日に公開しました。
ジェンダーやセクシュアリティ、ロマンティックについて、より深く理解するためのキーワードを紹介するほか、日常生活で起こりうる身近なシチュエーションを題材にしたQ&Aをまとめ、掲載しています。また、サイト内では性のあり方が多彩な10名によるインタビュームービーも公開。「性のあり方を探求することってどんなこと?」や「あなたのアイデンティティや身体についてどこまで聞いていいの?」などの質問に対する、十人十色の多様な考え方を紹介しています。
Tinder APAC コミュニケーション・ヴァイスプレジデント パプリ・デヴ(Papri Dev)コメント
「Tinderはこれまで、人と人との繋がりをサポートするプラットフォームとして、プロフィールで表現できる性自認やセクシュアリティの選択肢を広げてきました。現在、Tinderユーザーの半数を、18-25歳が占めています。Z世代はこれまでの世代に比べて、より積極的に、既存の交友関係以外での新たな繋がりを求め、様々な壁を打ち破っています。こうした傾向は異なる人種や宗教、国際間の恋愛の増加につながり、若者がより多様性やインクルージビティを受け入れていることを示しているのではないでしょうか。そんな若い世代にとって、今回の『ジェンダー代名詞』が、プロフィール上でありのままの自分を表現するだけでなく、相手にとって“心地よいコミュニケーションはなにか”を理解するきっかけとなれたら嬉しいです」
中里虎鉄さんプロフィール
1996年、東京都生まれ。編集者・フォトグラファー・ライターと肩書きに捉われず多岐にわたり活動している。雑誌『IWAKAN』を創刊し、独立後あらゆるメディアのコンテンツ制作に携わりながら、ノンバイナリーであることをオープンにし、LGBTQ+関連のコンテンツ監修なども行う。
虎鉄さんからの一言
「ジェンダー代名詞や敬称で相手のジェンダーアイデンティティを決めつけてしまうだけでなく、相手のセクシュアリティやロマンティックを決めつけてしまう言葉もあります。「彼氏/彼女はいるの?」と聞くことは、相手がヘテロセクシュアルであること、恋愛をする人であると決めつけてしまうことになりかねません。そういった場合には始めに「恋愛の話をしてもいい?」「恋愛ってする?」「恋人/パートナーはいる?」と相手の性のあり方を断定しない言葉を使うことで、相手を傷つけずに話すことができるかもしれません。始めは難しいと感じるかもしれませんが、相手が、自分が心地の良いコミュニケーション、関係性を築くために、少しずつ挑戦してみましょう。相手と誠実に対話することが、あなたの出会いや関係性をより広げてくれるきっかけになることを祈っています」
《Tinder®》 Tinderは2012年にアメリカで誕生した、新たな出会いを生み出す「世界最大級のマッチングアプリ」です。190の国と地域、45以上の言語で提供され、これまでに世界中で5億3000万以上のダウンロードされており、現在、メンバーの半数以上が18〜25歳で構成されています。2022年には、米ビジネス誌のファスト・カンパニーが発表した「世界で最も革新的な企業(The Worldʼs Most Innovative Companies)」のひとつに選ばれました。
《企業情報》
CEO :フェイ・イオソタルノ
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