ウルシステムズ、auカブコム証券の開発環境を改善
ビジネスニーズに合わせてシステムを俊敏に変更できる仕組みを構築
ウルシステムズ株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:横山芳成、以下、ウルシステムズ)は、auカブコム証券株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役会長兼社長:二宮明雄、以下、auカブコム証券)の開発環境の構築作業を自動化し、俊敏な機能開発を可能にしました。
auカブコム証券は三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、MUFG)とKDDIのジョイントベンチャーとして様々なサービスを提供しています。同社はシステムを内製化していることでも知られています。安全性および品質の確保とビジネスニーズへの俊敏な対応を目指して先進技術の導入や開発業務の改善・効率化を継続的に進めています。
開発効率化の一環で、同社がこのほど着手したのが開発環境の構築作業の効率化です。同社の基幹業務システムは構成要素が緊密に連携する、いわゆるモノリシックな構成をとっています。このため機能追加や変更を行う際はシステム全体を再現した開発環境を用意する必要がありました。構成要素が多く、手作業が大半を占める開発環境の構築はインフラ管理チームにとって負担の大きな作業でした。同チームは多岐にわたる業務を担当しており、開発チームの要望に即座に対応できない点も課題でした。ビジネスニーズや法制度への対応を背景として開発プロジェクトが急増する中、構築手順を抜本的に見直して開発環境を短期間で調達する仕組みを整える必要がありました。
auカブコム証券から技術支援を要請されたウルシステムズは2ステップで開発環境の構築作業を効率化しました。まずは基幹業務システムを丹念に読み解き、それぞれの機能が動作するために必要な最小限の構成を明らかにしました。環境構築の対象を絞り込むことにより、作業工数を2週間から1日に短縮しました。また、手順を明文化することで開発チームがインフラ管理チームに頼らず環境を構築できるようにしました。続くステップでは環境構築の自動化を進めました。環境構築の手順を一つひとつ紐解き、ブラックボックス化・形骸化しているものを除去して、シンプルかつ最短経路でそれぞれの構成要素を再現する手順を確立しました。利用頻度の多い構成についてはIaCツールを用いて手順をコード化し、構築作業を完全自動化しました。
新しい仕組みは2023年6月にリリースし、安定的に稼働しています。従来は開発環境の追加が困難だったため、同時並行できる開発プロジェクトの数に制約がありました。IaCを活用して環境構築の負荷を大幅に軽減したことにより、開発プロジェクトの数を増やし、サービス強化のスピードを高めることに成功しました。また、変更対象機能に合わせて必要最小限の環境を用意するため、インフラコストを大幅に低減しました。属人化の排除、安全性の向上なども実現しています。
今回のプロジェクトの成果についてauカブコム証券株式会社・執行役員の小崎敬介氏は次のようにコメントしています。
「提供する商品が拡大・複雑化する中で、新規機能追加や既存機能改修のためのシステム開発環境を維持管理することが、弊社にとって年々、負担の増加要因となっていました。また、これらの開発環境の構築・維持には多くの人手を介する手順が存在し、開発案件のニーズに応じた複製すらも難しい状況でした。そのため、新たなビジネスニーズあるいは法制度の新設・改正への対応に際し、その都度、大がかりな開発環境の調整が必要となり、業務施策遂行のネックにもなっておりました。今般、ウルシステムズ様には、新旧様々なアーキテクチャーが混在、かつ資料の整備状況もばらつきがちな弊社環境の改善にあたり、資料・ソースの両面から丹念にシステムを読み解いていただいたうえで、業務面の重要性も考慮したプロアクティブな複製範囲のご提案から実装をしていただきました。また、運用が軌道に乗るまでのご支援も丁寧にしていただきました。この過程で、ご担当の方がいずれも、主体的に課題をとらえ、タイムリーにプロジェクトスコープを提案するだけでなく、更にその実現のための新技術を用いた実装をも短期で自ら実施するという、文字どおりコンサルとエンジニアの「二刀流」の大活躍をしてくださいました。加えてそのご提案は弊社の業務ニーズを正しく捉え、初期の段階からフィージビリティある内容であり、それをさらにTrial&Error(試行錯誤)で改善し、加えて、その過程でもさらに新たなニーズを掘り起こしていただく等、まさにウルシステムズ様が重視されている「発注者側支援」の精神を常に体現する仕事ぶりを見せてくださいました。」
auカブコム証券は今後基幹業務システムの構成の見直しなども見据えています。ウルシステムズは引き続き、auカブコム証券の先進的な取り組みを支えてまいります。
■お問い合わせ先
ウルシステムズ株式会社 広報室
お問い合わせフォーム(https://www.ulsystems.co.jp/inquiry/)
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