建設業でDXが全社的に進んでいる企業はわずか1割 〜最大要因はDX推進人材の不足、3割超が受注を断った経験あり〜

【建設業の経営者・管理職に聞く建設業のDX実態調査】

株式会社ナレルグループ

建設業界の技術者派遣を行う株式会社ワールドコーポレーション(本社:東京都千代田区、代表取締役:小林 良、以下当社)は、建設業界に従事する経営者・役員および管理職300名を対象に、「DX(デジタルトランスフォーメーション)導入に関する実態調査」を実施しました。

近年、多くの産業でDXが急務となる一方、建設業界では他産業に比べて遅れが指摘されています(*1)。DXが停滞すれば、企業は競争力を失うだけでなく、事業継続そのものが危ぶまれます。

今回の調査では、経営者・役員・管理職300名へのアンケートを通じて、建設業のDX導入実態を徹底的に分析。その結果、全社的にDXが進む企業はわずか1割にとどまり、最大要因はDX推進人材の不足であること、さらに8割超が受注機会損失のリスクを抱えていることが明らかになりました。

*1:「DX白書2023」独立行政法人情報処理推進機構(P56)

■ 主な調査結果

・7割(66.7%)が「DXの目的は生産性向上」と回答。しかし、3割超(31.3%)は未着手にとどまり、全社的に進んでいる企業はわずか1割(10.3%)。

・まだ整備が進んでいないDX領域は、BIM/CIM(43.5%)、クラウド施工管理(42.0%)など。基幹業務のデジタル化が大きく停滞している。

・DXが進まない理由としては、「DX推進人材の不足」(47.2%)「現場社員のICT・デジタルスキル不足」(40.5%)など、人材面がDX推進の大きな壁となっている。

・「外部委託(BPO)」や「ICT人材派遣」といった外部リソースの活用に対するニーズも高く、外部の専門知識を取り入れることが解決策として注目されている。

・ICT人材不足が受注機会を直撃しており、3割超が受注を断った経験があり、8割超が将来的なリスクを抱えている。

■7割が「DXの目的は生産性向上」と回答

まず、「会社でDXを進める目的」を尋ねたところ、最も多かったのは「生産性向上」(66.7%)でした。人手不足や現場負荷の増大が続く中で、限られた人材で効率的に仕事を進めることが最大の課題であることが示されています。次いで「コスト削減」(47.0%)、「工程管理」(34.0%)が挙げられ、利益率の向上や複雑な工期調整への対応が強いニーズとなっていることが分かります。

■建設業の3割超がDXに未着手、全社的に進んでいるのはわずか1割

次に、「あなたの会社で、DXの取組みはできていますか?」と尋ねたところ、3割超(31.3%)が「全く行っていない」「必要性は認識しているが具体的取組みなし」と回答し、DXに未着手であることが分かりました。さらに「試験的に始めた段階」(22.0%)を含めると、半数以上(53.3%)がDXの取り組みを本格化できていない状況です。

一方で「全社的に進み、業務の多くがデジタル化されている」と答えたのはわずか1割(10.3%)程度。建設業界のDX化は、依然として部分的な取り組みにとどまり、全社的な浸透には至っていない実態が浮き彫りとなりました。

■BIM/CIMや施工管理システムが未整備、基幹業務のデジタル化が大きく停滞

DXが未着手または一部にとどまっていると回答した方に、「まだ進んでいないDX領域」を聞くと、最も多かったのは「BIM/CIMの活用」(43.5%)と「クラウド施工管理システムの利用」(42.0%)でした。設計や工程管理といった基幹業務のデジタル化が十分に進んでいないことが明らかになりました。

また、「AI・IoTを用いた安全・労務管理」(37.6%)や「ドローンによる測量・進捗管理」(37.2%)といった、現場の効率化や安全性向上に直結する技術が未導入の企業が多く存在することもわかりました。

■DX停滞の最大要因は「人材不足」、現場スキル不足も深刻

DXが進まない理由として、最も多く挙げられたのは、「DX推進人材の不足」(47.2%)でした。また、「現場社員のICT・デジタルスキル不足」(40.5%)も高い割合を占めており、人材面がDX推進の大きな壁となっていることが明らかになりました 。

一方で、「導入コスト・予算の確保が難しい」(32.0%)、「経営層の意思決定の遅さ」(21.6%)、「紙文化など現場慣習の根強さ」(20.1%)といった組織的・文化的な要因も3割前後で存在しています。

これらの結果は、建設業界のDXが単なる「技術導入の遅れ」ではなく、人材不足と組織構造の両面に起因する複合的課題であることを示唆しています。単発的なツール導入だけでは改善は難しく、業界全体として、人材戦略と組織改革の両輪が求められているといえます。

■人材不足解消に、外部リソースの活用が拡大

DX停滞の要因が「DX推進人材の不足」「現場社員のICT・デジタルスキル不足」と回答した層に、人材不足やスキル不足を解消するための手段を尋ねたところ、最も多かったのは「社内育成」(54.4%)でした。

しかし、その道のりは簡単ではありません。今回の調査では、約7割(68.3%)の企業が、ICT人材の社内育成を「難しい」と感じていることがわかりました 。その主な理由として「ICTを教えられる人材が社内にいない」(60.5%)ことや、「現場業務が多忙で研修に時間を割けない」(53.2%)ことが挙げられており、内製化だけでは解決が難しい現実が浮き彫りになっています。

一方で、「外部委託(BPO)」(40.9%)や「ICT人材派遣」(21.1%)といった外部リソースの活用に対するニーズも高く、外部の専門知識を取り入れることが現実的かつ即効性のある解決策として注目されています。

■ICT人材不足が受注機会を直撃、8割超が受注を断らざるを得ないリスクを抱える実態

「ICT人材が確保できずに、仕事の受注を断らざるを得ない場面はありますか?」という質問では、3社に1社(33.7%)が「すでに受注を断った経験あり」と回答。さらに半数以上(52.0%)が「今後起こり得る」と危機感を示しており、合計すると8割超(85.7%)の企業が、受注を断らざるを得ないリスクを抱えていることが明らかになりました。

この結果は、ICT人材の不足が、企業の収益機会や競争力を直接左右する経営課題にまで深刻化していることを示唆しています。

■建設DXを加速させる、ワールドコーポレーションの取り組み

ワールドコーポレーションは、建設業界のDX推進を人材面から力強く支援しています。図面のデジタル化、検査システム、クラウドファイルなど、様々なデジタルツールに対応可能なDX人材を育成・派遣することで、現場の生産性向上と人手不足の解消に貢献します。さらに、専門性の高いBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を通じて、お客様の課題に合わせた柔軟なサポートを提供しています。

例えば、現場管理ツール「SPIDERPLUS」を活用した事例では、ICT支援人材を派遣することで、杭位置確認や写真整理、検査業務にかかる工数を大幅に削減。デジタルツールを単に導入するだけでなく、現場での定着と効率化に大きな成果を上げました。

最近では、ドローン測量ソフト導入シェアNo.1の「くみき」を提供する株式会社スカイマティクスと戦略的業務提携を結びました。これにより、当社の技術者は「くみきトレ」を受講し、ドローン測量や点群処理といった最新のDXスキルを習得しています。

「どのツールを導入すればよいかわからない」「導入しても現場に定着しない」といった課題に対し、専門知識を持つ人材の派遣やBPOサービスを通じて、お客様のニーズに合わせた柔軟なサポートを提供。人材とテクノロジーを融合させ、現場の人手不足解消と業務効率化を実現します。

(参考ニュースリリース)

ICT 支援人材による、建築現場でのデジタルツール活用と推進~建築現場の作業削減と効率化を実現~

ワールドコーポレーション(ナレルグループ)とスカイマティクス社が、実装型DX人材育成・活用による「くみき」浸透モデルで戦略的業務提携を締結

■ 調査概要

・調査対象:建設業従事者の経営者・役員および管理職

・調査手法:インターネット調査

・調査期間:2025年9月24日(水)

・有効回答数:300サンプル

■ 調査データの引用・転載に関して

・本調査結果を使用される際は、【株式会社ワールドコーポレーション調べ】とご記載ください。

・ウェブサイトで使用する場合は、出典元として、下記のリンクを設置してください。

 https://worldcorp-jp.com/ 

■株式会社ワールドコーポレーションについて

当社は2008年に設立し、現在本社を含め全国に6拠点を構え、建設業界に特化ゆた技術者派遣、建設関連作図事業、プラント技術者アウトソーシング事業を行っています。国内全域を主要営業エリアと位置付け、大手建設会社やメーカー、各設計分野を中心に多くの実績を残してきました。

現在、建設業界は深刻な人手不足や、高齢化が進んでおります。慢性的な人材不足を解消するために、当社は積極的な未経験者採用を行い、5年~10年で一人前の技術者に育てるべく人材育成に取り組んでおります。今後も積極的に採用と育成に力を入れ、未来を担う若者を一人でも多く輩出し、建設業界の未来の発展のために取り組んでまいります。

<会社概要>

本社: 東京都千代田区二番町3-5 麹町三葉ビル3階

TEL: 03-3556-3351

URL:   https://worldcorp-jp.com/ 

事業内容 : 建設エンジニアアウトソーシング事業    建設関連作図事業

      プラント技術者アウトソーシング事業

       ○有料職業紹介事業許可番号 13‐ユ‐304344

       ○労働者派遣事業許可番号 派 13-305286

       ○一級建築士事務所 東京都知事登録 第64222号

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会社概要

株式会社ナレルグループ

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URL
https://nareru-group.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都千代田区二番町3-5 麴町三葉ビル3階
電話番号
03-6268-9036
代表者名
小林良
上場
東証グロース
資本金
2億4300万円
設立
2019年05月