宇宙開発関連の高度分析支援サービスの開始について

~放射線照射試験による部材の劣化解析を通じて、製品の信頼性向上に貢献~

株式会社東レリサーチセンター

株式会社東レリサーチセンター(所在地:東京都中央区日本橋本町一丁目7番2号、社長:真壁 芳樹、以下、「TRC」)は、放射線照射や部品解析・故障解析などで長年技術支援を行っている菱栄テクニカ株式会社(本社:神奈川県鎌倉市上町屋325番地、代表取締役:山田 仁和、以下「菱栄テクニカ」)の協力のもと、宇宙開発関連の高度分析支援サービスを開始しました。

【背景】

近年、宇宙産業※1は国家主導から民間主導へとシフトしており、多くの民間企業の参入に伴う宇宙関連市場の拡大が見込まれています。そこでは先端材料の研究・技術開発だけでなく、電子部品(半導体・回路)、電源・通信モジュール、センサ類などの宇宙関連製品について、コスト削減のため非宇宙用製品(Commercial Off-The-Shelf:COTS)の活用も見込まれていますが、宇宙空間では放射線による性能劣化や永久故障※2、ソフトエラーに伴う誤作動などさまざまなリスクが存在するため、非宇宙用製品に用いられる材料や製品の分析評価が今後益々必要となってきています。

そこでTRCと菱栄テクニカは、宇宙空間における放射線リスクや過酷な使用環境での信頼性評価に対応するため、それぞれの技術的な強みを融合し、COTSを含む上記宇宙関連製品の実験計画→試験→解析までをワンストップトータルサービスで提供します。菱栄テクニカは、放射線照射試験の計画立案から試験実施、試験報告書作成までを一貫して対応できる体制を整えており、TRCでは、試験後の製品部材について、原子分解能での構造観察(TEM、 STEM)、界面・表面分析(XPS、TOF-SIMS、SEM、AFM)、材料の劣化評価(FT-IR、ESR、物性測定)など、ナノ〜バルクスケールにわたる多角的な分析技術で、宇宙環境下での製品部材の劣化状態を精緻に解析します。これにより、設計段階からの製品の信頼性向上に貢献します。

TRCは1978年の設立以来、「高度な技術で社会に貢献する」という基本理念に基づき、先端材料・素材、半導体、ディスプレイ、電池、環境、医薬品・医療機器といった諸産業における研究・技術開発や生産技術における「新製品・新機能の創出」、「原因解析」や「課題解決」の要請に対して、分析や物性解析による技術支援を行ってきました。

今後も当社の基本理念に基づき、よりいっそうの技術水準の向上に努めていくとともに、最新の先端分析サービスをいち早く提供し、少しでもお客様の製品開発・課題解決に役立てるように、最先端分析技術の開発に邁進してまいります。

【用語解説】

※1宇宙産業

経済産業省資料1)によると、宇宙産業とは①宇宙輸送、②衛星(通信、観測、測位、軌道上サービス)、③宇宙科学・探索に関わる産業であり、日本政府は宇宙基本計画(令和5年6月改定)で、2020年に4兆円(世界市場:54兆円)となっている市場規模を、2030年代早期の倍増(約8兆円、世界市場:2040年までに140兆円規模)を目指している。

1)第1回 産業構造審議会 製造産業分科会 宇宙産業小委員会 資料5:「国内外の宇宙産業の動向を踏まえた経済産業省の取組と今後について」

※2永久故障

配電系統の故障には瞬時故障と永久故障があり、保護装置によって回復が容易な瞬時故障が大部分を占めるが、断線や機器の絶縁破壊などに起因する永久故障は、装置やシステムにとって致命的な問題である。

〈ご参考〉

株式会社東レリサーチセンターの概要

1.所在地: 東京都中央区日本橋本町一丁目7番2号

2.代表者: 代表取締役社長 真壁 芳樹

3.設 立 年: 1978年

4.事業内容: 受託分析、教育事業

菱栄テクニカ株式会社の概要(https://www.ryoei.co.jp/)

1.所在地: 神奈川県鎌倉市上町屋325番地

2.代表者: 代表取締役社長 山田 仁和

3.設 立 年: 1978年

4.事業内容: インフラ事業、品証事業、生産サポート事業

【補足】分析手法の説明

  略語

(分析分類)

           意味と分析法の特徴

TEM、STEM

(局所観察)

Transmission Electron Microscopy

(透過型電子顕微鏡)

透過型電子顕微鏡(TEM)では、プローブである電子線と観察対象との相互作用、主に散乱、回折および干渉現象を利用して対象物の観察を行う。電子の加速電圧300kVの高分解能像で約0.1nmの空間分解能を有する。

Scanning Transmission Electron Microscope

(走査 透過電子顕微鏡)

極小に絞った電子ビームを試料上で一点ずつ走査し、その位置で透過・散乱した電子を検出して画像化する。

XPS

(局所分析)

X-ray Photoelectron Spectroscopy

(X線光電子分光法)

最表面~数nmにおける元素組成・化学状態の情報を得ることが可能で、イオンエッチングと併用することにより深さ方向分析が可能である。ポリマー・有機物から無機物・半導体まであらゆる固体材料を分析できる。

TOF-SIMS

(局所分析)

Time of Flight Secondary Ion Mass Spectrometry

(飛行時間型二次イオン質量分析)

表面に特化した質量分析法で、XPSよりも表面に敏感なため表面汚染物の定性や表面化学構造の解析に用いられる。また、1μm程度の分解能でのイメージングにより成分の分布を画像化することができる。

TOF-SIMS-MS/MS

タンデム型の検出系を有するTOF-SIMSである。一般的な飛行時間型の質量分析系(MS1)で分離した二次イオンのうち、特に注目するイオンを別途、衝突誘起解離型の質量分析系(MS2)に導くことで、より詳細な化学構造解析を可能とする。

SEM

(局所観察)

Scanning Electron Microscopy

(走査型電子顕微鏡)

試料表面に電子線を照射した際に発生する、主に2次電子を結像し、観察する手法。数10nm~数mmの幅広い視野サイズを観察可能である。

AFM

(局所分析)

Atomic Force Microscopy

(原子間力顕微鏡)

試料表面と探針の間に働く原子間力を検出して、表面の凹凸を高分解能で画像化する顕微鏡。弾性率測定では、探針を試料表面に接触させて力を加え、得られたフォースカーブ(カンチレバーに働く力(たわみ量)とカンチレバー基部の移動量の関係)を解析して弾性率を算出する。

FT-IR

(構造解析)

Fourier Transform- Infrared Spectroscopy

(フーリエ変換赤外分光法)

測定対象の物質に赤外線を照射し、赤外線吸収スペクトルを利用して化合物を定性・定量する赤外分光法の一種。対象物の化学構造や状態を知るために使用される。

ATR-FT-IR

Attenuated Total Reflectance:全反射法)

高屈折率のクリスタルを試料に接触させ、クリスタルに赤外線を入射するとエバネッセント波と呼ばれる極微量の赤外線が試料に滲み込む現象を利用するもので、クリスタルに密着している試料表面のわずかな厚みのみの分析が可能。この特長により、固体試料の表面だけでなく、液体の測定にも用いられる。

ESR

(構造解析)

Electron Spin Resonance

(電子スピン共鳴法)

不対電子が磁場中に置かれた時に生じる準位間の遷移を観測する分光法。ESRスペクトルの強度、g値、線幅、超微細構造などから、不対電子を有する欠陥や化学種の量、構造、運動性、反応に関する情報が得られる。

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会社概要

URL
https://www.toray-research.co.jp/
業種
サービス業
本社所在地
東京都中央区日本橋本町一丁目7番2号 KDX江戸橋ビル6階
電話番号
03-3245-5633
代表者名
真壁 芳樹
上場
未上場
資本金
2億5000万円
設立
1978年06月