人口減少時代、紙資源循環の未来を描く
古紙再生促進センター、「集団回収の未来像」を描く全国調査を開始

公益財団法人古紙再生促進センター(東京都中央区)は、中期事業ロードマップ「Towards 2030 & Beyond」の重点プロジェクトとして、2030年・2050年を見据えた紙資源循環システムの構築に向けた調査事業を実施しています。
日本の紙リサイクルを支えてきた「集団回収」は、このまま次の40年も地域社会を支え続けることができるのでしょうか。
人口減少、少子高齢化、単身世帯やマンション居住の増加など、地域社会を取り巻く環境は大きな転換期を迎えています。半世紀以上にわたり日本の紙リサイクルを支えてきた集団回収も、いま、新たな役割と新たな仕組みが求められています。
公益財団法人古紙再生促進センター(東京都中央区)は、この社会の変化を未来への転換点と捉え、中期事業ロードマップ「Towards 2030 & Beyond」の重点プロジェクトとして、「集団回収の実態に関する全国調査」を開始します。
本調査では、全国105自治体等を対象に、集団回収制度の実態や地域ごとの特徴、マンション型回収の広がりなどを客観的なファクトとデータで整理・分析するとともに、人口動態や地域特性を踏まえた次世代の紙資源循環システムの将来像を検討します。
本調査は、単なる実態調査ではありません。2028年に40周年を迎える集団回収顕彰事業を一つの節目とし、2030年、2050年を見据え、日本の紙資源循環を支える新たな社会基盤の姿を描く第一歩となるものです。
集団回収は、日本の紙リサイクルを支えてきた社会インフラ
我が国の集団回収は、半世紀以上にわたり、市民自らが資源循環に参加する仕組みとして発展してきました。
紙資源を効率的に回収するだけではなく、地域住民が協力して活動することでコミュニティを育み、良質な古紙を安定的に確保する、日本独自の紙リサイクルシステムとして重要な役割を果たしてきました。
現在では、地方では担い手不足や人口減少が進み、従来型の集団回収を維持することが難しい地域が増えています。その一方で都市部では、大規模マンションを中心とした新しい回収形態が広がるなど、地域ごとに求められる仕組みは大きく変化しています。
こうした変化を踏まえ、本調査では「集団回収を維持する」という発想にとどまらず、「これからの集団回収はどのような役割を果たすべきか」という視点から、客観的なファクトとデータに基づき現状を整理します。

「Towards 2030 & Beyond」の重点プロジェクト
本調査は、一度限りの実態調査ではありません。
当センターが昨年度策定した、中期事業ロードマップ「Towards 2030 & Beyond」では、2030年、さらには2050年を見据え、「調査研究」「普及啓発」「産学官連携」を柱として、持続可能な紙資源循環の実現を目指しています。
本調査は、その中核を担う調査研究事業として位置付けられています。
調査成果を踏まえ、
全国実態のファクト・データ整備 地域特性に応じた課題の構造分析 人口動態を踏まえた集団回収の将来像(骨太構想)の策定 モデル事例の発信と社会実装
へと段階的に展開し、2028年に40周年を迎える集団回収顕彰事業を、単なる記念事業ではなく、「次の40年」に向けた新たな紙資源回収システムを社会へ提案する契機と位置付けています。
地域循環共生社会の実現に向けて
当センターでは、「雑がみさまを探せ!」をはじめ、自治体、大学、企業、地域団体との連携による行動変容型の普及啓発を全国で展開しています。
今回の調査は、それらの活動とも連携しながら、地域ごとの実情に応じた持続可能な紙資源回収システムのあり方を検討し、紙リサイクルを通じた地域循環共生社会の実現に貢献することを目指します。
人口減少社会においても、紙という身近な資源を地域で循環させる仕組みは、持続可能な社会づくりに欠かせません。
当センターは、現場の実態と客観的なデータに基づく調査研究を積み重ね、その成果を自治体、資源回収事業者、地域団体、大学など幅広い関係者と共有しながら、2030年、そしてその先の未来に向けた紙リサイクルの新たな社会基盤づくりを通じて、紙資源循環の未来を社会とともに描いてまいります。
【関連調査】
当センターでは、2025年度に「家庭系可燃ごみの有料化の効果に関する調査」を実施・公表し、家庭系可燃ごみの減量効果や資源化施策との関係について全国的な分析を行いました。今回の集団回収調査は、その知見も踏まえながら、人口動態や地域特性の変化を見据え、紙資源回収システムの将来像を検討する調査研究として位置付けています。
■令和6年度・令和7年度 家庭系可燃ごみの有料化の効果に関する調査 報告書
(コメント)古紙再生促進センター 専務理事 川上 正智
集団回収は、紙を回収する仕組みである前に、地域の人々が資源循環に主体的に参加する仕組みです。だからこそ、紙リサイクルは、単に紙を回収することが目的ではなく、その営みを次の世代へ受け継いでいくことに、本質的な価値があると考えています。
人口減少や少子高齢化など、社会の姿が大きく変わる中で、紙資源循環の仕組みも変化していくことは避けられません。だからこそ、過去の延長線上ではなく、未来から逆算して、次の時代にふさわしい姿を描いていくことが重要です。
今回の調査を、多様な立場の皆様との対話を深める契機とし、2030年、2050年を見据えた持続可能な紙資源循環の未来を、ともに考え、ともに創り上げていきたいと考えています。


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