2014 SciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムの参加者が決定
5周年を迎える化学情報の未来を創る博士課程学生・ポスドク研究者の祭典
化学情報協会は、米 Chemical Abstracts Service (CAS) が発表したプレスリリースを受けて、国内向けに次のとおり、お知らせいたします。米 CAS の発表情報は下記をご覧ください。
http://www.cas.org/news/media-releases/2014-sflic
http://www.cas.org/news/media-releases/2014-sflic
(オハイオ州コロンバス発、2014年7月30日)-化学情報の世界的権威であるChemical Abstracts Service (CAS) は本日、2014 SciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムの参加者として、京都大学の稲葉央氏、関西大学の Huimin Liu 氏を含む18名を発表しました。全世界から選ばれた参加者は、8月のこのプログラムで研究経験と知識を共有するとともに、世界で最も権威ある学術集会の一つに参加することになります。
科学の専門分野と文化的背景の多様性で知られるCASは、グローバルな科学研究コミュニティーの中で参加者どうしの交流の機会を提供します。参加者はCASデータベースの構築・運用の舞台裏を見学し、科学情報の問題点を論議し、コロンバス市内の研究機関を見学します。また今年度の参加者はサンフランシスコで開催される米国化学会第248回大会に参加します。この大会は科学者のための「化学および関連分野における最新の研究成果や技術を紹介・発表・討議・展示する」一大イベントです。
今年で5周年を迎えるSciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムは、全世界の研究者が利用するツールであるSciFinderの構築に直接携わる研究者と若手研究者とが意見交換する貴重な機会です。これまでの参加者はユーザー研究セッション、コンテンツ制作者によるデモ、ネットワーキングイベントなどを通じてインターフェースやコンテンツの強化に関するアイデアを提供してきており、それらは現在のSciFinderに反映されています。2013年に参加したAstraZeneca社の研究者Neal Fazakerley氏は「日常的に使っているSciFinder の開発プロセスを直接見て、そしてその未来を自分たちが形作ることを実感できたのはすばらしい体験です」と語っています。
CASのマーケティング部門の最高責任者Christine McCueは次のように話しています。「広い意味での化学を取り扱うためには、自然科学のあらゆる分野の研究者の協力が必要です。過去の参加者の多くが引き続き意見を提供してくれています。革新的なアイデアを共有し率直な意見を交換することに積極的な仲間の存在は、私たちが市場動向を把握し各分野のニーズを理解する上で極めて貴重です」
過去4回開催され、今回第5回目を迎えるSciFinder Future Leaders in Chemistryプログラムは全世界から参加者を集め、この種のイベントとしては最高の評価を得ています。参加者の多くがその後も研究成果を主要な学会や影響力の大きい雑誌で発表し、一流の研究者との協力関係を維持しています。「私たちはこれまでの参加者と交流を続けており、彼らがキャリアを伸ばしているのを知るのはうれしいことです。この先も参加者からの、学位取得・研究発表・昇進などの知らせを楽しみにしています」とMcCueは述べています。
2014 SciFinder Future Leaders in Chemistryの参加者と研究分野は次のとおりです。
• 稲葉 央, 京都大学 (日本)
天然分子と合成分子との統合による新規なバイオナノ材料の作成
• Huimin Liu, 関西大学(日本)
C1化学用ミクロ/ナノスケール触媒の合成と重金属除去用の高性能吸着剤の開発
• Sambasiva Reddy Bheemireddy, Southern Illinois University Carbondale(米国)
シクロペンタ縮合多環芳香族炭化水素系の低分子および高分子化合物の設計と合成
• Nadine Borduas, University of Toronto(カナダ)
質量分析およびイオンクロマトグラフィーによる大気中にある有機窒素化合物の寿命の評価
• Natalja Frueh, ETH Zurich(スイス)
トリフルオロメチル化用の超原子価ヨウ素試薬の開発と応用
• Cristiano Funari, Sao Paulo State University(ブラジル)
天然物へ適用したグリーンケミストリー
• Fernando Gomollón Bel, Instituto de Síntesis Química y Catálisis Homogénea (CSIC-UZ)(スペイン)
菌類トランスグリコシダーゼ阻害剤製造のキラルプール原料として糖を用いる不斉合成
• Martin Hoffmann, TU Braunschweig(ドイツ)
ヘムタンパク質の非天然補因子に注目する生物無機化学
• Xu Hou, Harvard University(米国)
マイクロ流体工学、滑面、生物模倣材料
• Claire Jarvis, Rutgers(米国)
不斉有機触媒とC-H活性化による新規な反応の開発
• Sanghyun Je, Korea Advanced Institute of Science and Technology(韓国)
新タイプのCCS(CO2の回収と貯留)用多孔性ポリマーおよびリチウムイオン電池用分子/ポリマー電極の開発
• Elisangela Moura Linares, Technical University of Munich(ドイツ)
医学・生化学・分析化学用の先端ナノ材料の開発
• David Liptrot, University of Bath(英国)
脱水カップリングに着目した第2族における交差メタセシス反応、スマート無機ポリマー、sブロック触媒への一電子移動の導入
• Maria Matveenko, University of Vienna(オーストリア)
有機化学、ペプチドおよびタンパク質合成による老化・疾患に関連する非酵素的タンパク質修飾の効果の研究
• Ben Naman, The Ohio State University(米国)
植物由来天然物または成分の研究と、それらの創薬用リード化合物または癌・リーシュマニア症治療薬としての可能性
• Philip Rodenbough, Columbia University(米国)
太陽熱による燃料製造のためのナノスケール金属酸化物の熱化学水素製造
• Sohini Sarkar, Indian Institute of Science Education and Research(インド)
半導体ナノ粒子におけるキャリアのダイナミクスと生体分子におけるダイナミクス
• Xiaopeng Zou, Jiangnan University(中国)
炭水化物系ワクチン開発のための複合オリゴ糖および複合糖質の合成
SciFinder について
SciFinder は化学者を中心とする科学者向けの優れた研究ツールであり、科学者が生産性を上げ、新しい発見を加速するために必要不可欠なコンテンツと機能を提供しています。現在フォーチュン誌の売上高上位 500 社の有力企業、および世界中で 2,150 以上の大学・政府機関が SciFinder を利用しています。
▽詳しくは http://www.jaici.or.jp/SCIFINDER/index.php をご覧ください。
CAS について
米国化学会(American Chemical Society)の情報部門であるChemical Abstracts Service(CAS)は、化学情報の権威として世界に知られています。CAS は化学物質に関する世界の公開情報すべてを収集し組織化することを目的としている世界で唯一の機関です。CAS に所属する科学者が構築と品質管理を行っている CAS データベースは、最も網羅的で信頼性のあるものとして世界中の機関に認められています。CAS はこれらデータベースと最新の検索・解析技術を組み合わせた SciFinder やSTN の各製品・サービスなどを通じて、科学的な発見をサポートする最新かつ網羅的なデジタル情報環境を提供しています。
▽詳しくは http://www.cas.org をご覧ください。
【化学情報協会(略称:JAICI)について】
化学情報協会(所在地:東京都文京区)は、化学技術情報の流通を図るため 1971 年に設立されました。米国をはじめ世界各国の情報機関などと協力関係を築き、日本の研究者をサポートする情報センターとして、大学・企業などの情報取得・分析から研究・開発までを支援しています。
▽詳しくは http://www.jaici.or.jp をご覧ください。
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