【イベントレポート】 ママの「聴く力」を活かして社会貢献!ソーシャルの世界で、なぜメンターが必要とされているのか
NPO職員の悩み解決に、育児や仕事で培った聴く力を活かしてママメンターが伴走するプログラムを紹介
日本における「プロボノ」の草分けとして国内最多のコーディネート実績を持つ認定NPO法人サービスグラント(東京都渋谷区、代表理事:嵯峨生馬 以下、サービスグラント)は、2024年度の「NPOメンタリングプログラム」実施にあたり、メンターとしての活動に関心を持つ方に向けたオンラインイベントを9月18日に実施。ソーシャルの世界で今メンターが必要とされている理由や、実際にメンターとして参加した経験者の声を紹介したイベント内容を、レポートとして公開しました。
【URL】
https://mamabono.org/post_report/mentoring2024event_akikomatsumoto/
https://mamabono.org/post_report/mentoring2024event_keikensha/
キャリア支援が不足しがちなNPOスタッフにとって、「聴いてもらう」ことがエネルギーチャージになる
イベントでは、ゲストスピーカーとして、「NPOメンタリングプログラム」でメンター研修の講師を務めていただく、NPO法人Fineの元代表/現理事でもあり、国際コーチング連盟マスター認定コーチでもある松本亜樹子さんにご登壇いただきました。
主な内容
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メンタリングとは
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どうして「聴く」ことは誰かのパワーになるのか
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メンタリングで相手の背中を押すためのポイント
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ソーシャルの世界でメンターは、なぜ必要とされているのか?
メンタリングの持つ力として、話を聴いてもらいながら自分の整理をすることがメンティー(メンタリングを受ける人)にとって「エネルギーチャージ」になること。そして、自らの気付きを促すことに主眼を置くコーチングに対し、メンタリングの特徴は、メンターの実体験に基づくアドバイスを得られ、その伴走のもとで具体的に歩みを進められることとお話しいただきました。
また、NPO等が置かれている状況について、「NPOは人も資金も時間もスキルも、さまざまなリソースが不足している。熱い思いをかたちにして社会課題を解決したいが、支援を必要とする人を目の前に、手が追いつかないことが多い。自分の話を聴いてもらうことや、自分に思考を向ける機会が限られ、新規スタッフの体系的なサポートも難しいため、スタッフが孤独感を抱きがちで離職につながってしまうことも少なくない。だからこそ、メンター制度はやる気を促すことに繋がり、NPOにとって大きな助けになる」と実体験を踏まえて語っていただきました。
メンターとして参加するママにとっても、人生の学びを得られるプログラム
続いて、2022年度・23年度と2年連続でメンターとして「NPOメンタリングプログラム」に参加された経験者にもご登壇いただき、参加時にメンタリングで扱ったテーマや進め方、実際に感じたメンティーの変化などについてお話しいただきました。
さらに、参加によってご自身が得られたことについては、「メンターにとっても、人生の学びにつながる。自分自身の経験を活かして貢献できることに加えて、新しい視点も得られる。転職経験もなく他業界の方と関わる機会もないなかで、NPOの考え方にも触れられたのは貴重な経験になった。NPOの方々は、社会の課題と、組織の課題と、自分の課題をつなげて向き合っている方が多いように感じ、そうした方に出会えること、力になれることがすごくうれしい。また、『自分は人が好きなんだ』という自身への気づきも得られた」と多くのメリットを挙げられました。
「NPOメンタリングプログラム」について
【背景】
新型コロナウイルス感染拡大の影響等で孤独・孤立の問題が一層深刻化したことを受け、2024年4月に孤独・孤立対策推進法が制定されました。NPOには、行政や企業の手が行き届かない領域での迅速な対応や、コミュニティの維持・強化における重要な役割が求められており、活動の重要性はますます高まっています。一方で、NPOはその多くが人材の確保や教育に課題を感じているという実態があります。
サービスグラントは、2005年に活動を開始し、NPO等の非営利組織へ1900件を超えるプロボノ支援を提供してきました。その中で、特に少人数で活動しているNPOにおいて、相談できる相手・機会が少ないためにスタッフが疲弊したり、キャリアを描けずに離職したりしてしまうケースを目にしてきました。孤独・孤立の問題が深刻化する中、増加する支援ニーズに向き合うNPO側からは、もっと質の高い支援を届けたい、もっと多くの人を支援したいと思っていても、それがままならないという悩みを抱えているという声も多く聞こえています。
【プロブラム概要】
2022年からトライアルを開始したNPOメンタリングプログラムでは、NPO等のスタッフや代表に、プロボノワーカー(プロボノ活動を行う社会人)が外部のメンターとして月2回、3カ月間にわたって伴走。個々の業務やキャリアについての悩みを聴きながら課題を整理し、次の一歩を共に考えることで、モチベーションを維持・向上させ、受益者に対するポジティブな対応と継続的な活動の実現につなげてきました。
2024年度は、内閣府 令和6年度 孤独・孤立対策推進交付金(孤独・孤立対策担い手育成支援事業)を受け、「孤独・孤立対策とした居場所づくり、緩やかなつながりづくりなどをしている団体」を支援します。本プログラムを通じて、支援者の孤独感や疲弊からくるバーンアウトを防ぎ、NPO運営の基盤強化につなげます。
また、メンターは、子育て中の女性たちが、スキルや経験を生かすボランティア活動=「プロボノ」として担当します。仕事のスキルに加え子育てて培った聴く力を活かしたいと考えている方、子育てと仕事の限られた役割で日々を過ごす閉塞感を、誰かの役に立つことで打破したいと考えている方などに参加いただくことで、子育て中の女性の孤立・孤独解消にもつなげていきます。
【URL】https://mamabono.org/post-3177/
認定NPO法人サービスグラントについて
認定NPO法人サービスグラントは、日本における「プロボノ」のフロンティアとして2005年より活動を開始。"社会課題を前に、誰もが行動を起こし、違いや可能性を活かしあいながら協働できる社会"を目指し、主に、社会人の経験やスキルを活かした「プロボノ」によって非営利組織が抱える課題の解決を目指す、プロジェクト型支援のコーディネート等に取り組んできました。2024年7月現在、サービスグラントの登録者は延べ約9000人、実施プロジェクト数は約1900件となりました。これらの実績を通じて、多様な主体が境界を越えて協働する社会のしくみを探求しています。
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
認定NPO法人サービスグラント(NPOメンタリングプログラム担当 栗原・津田)
TEL: 03-6419-4021
e-mail: mamabono@servicegrant.or.jp
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