東洋新薬 機能性食品素材『大麦若葉末』 による抗菌ペプチド“αディフェンシン”の分泌促進作用を確認ー腸内の病原菌殺菌作用を示唆ー
■『αディフェンシン』とは
『αディフェンシン』は、腸内の病原菌を排除し、腸内フローラ〔注①〕を制御することが知られている抗菌ペプチド〔注②〕の一種です。小腸陰窩(いんか)〔注③〕に存在するパネト細胞〔注④〕から分泌され、ビフィズス菌などの“常在菌”にはほとんど作用せず、サルモネラ菌などの外来性の“病原菌”に対して強い殺菌作用を示すという選択的機能で腸内環境の維持に寄与しています。そのため近年、自然免疫〔注⑤〕のキープレイヤーとして注目されています。
■研究の背景
『大麦若葉末』は、イネ科オオムギの若葉部を乾燥、微粉砕加工した機能性食品素材です。ヒト試験において、便通改善作用を有することを確認しています。また、当社は平成22年8月23日付けで大麦若葉末の食物繊維を関与成分とした青汁で特定保健用食品の表示許可を受けています。
当社では、大麦若葉末の機能性について研究を重ねており、これまでに便通改善作用以外にも、血中中性脂肪上昇抑制作用、カルシウム吸収促進作用、食後血糖値上昇抑制作用などを確認しております。
さらに大腸癌抑制作用、潰瘍性大腸炎抑制作用、腸内環境改善作用など消化管の免疫機能を亢進させることも確認しているため、今回は腸内でサルモネラ菌などの“病原菌”に対して殺菌作用を示す『αディフェンシン』に着目し、大麦若葉末の摂取がαディフェンシンの分泌に与える影響を動物試験で検証するとともに、そのメカニズムについて細胞試験で検証しました。
■発表骨子
【実験①:動物試験】
雄性マウスに、「無繊維高脂肪食(コントロール群)」、「無繊維高脂肪食+セルロース(セルロース群)」および「無繊維高脂肪食+大麦若葉末(大麦若葉末群)」のいずれかを3週間摂取させ、1週間毎に糞中のαディフェンシン量を測定しました。
その結果、「大麦若葉末群」では「コントロール群」と比較して、摂取2週間後及び3週間後の糞中αディフェンシン量が有意に増加し、また「セルロース群」と比較しても摂取2週間後及び3週間後の糞中αディフェンシン量に有意な増加が認められました(図1参照)。
【実験②:細胞試験】
マウスの小腸から単離したパネト細胞を含む小腸陰窩に大麦若葉末を添加し、パネト細胞分泌物に含まれるαディフェンシン量を測定しました。また、パネト細胞分泌物に含まれる抗菌ペプチドを病原性細菌であるサルモネラ菌に曝露〔注⑥〕して、生菌数を測定しました。
その結果、大麦若葉末の添加により、αディフェンシンの分泌量が増加し、さらにサルモネラ菌の生菌数が有意に低下しました(図2、3参照)。
■研究成果
今回の研究より、大麦若葉末はパネト細胞に直接作用することで、生体内においてαディフェンシンの分泌を促進し、腸内の病原菌殺菌作用を発揮することが示唆されました。
※図1は下記参照。
※図2.3は下記参照。
■研究結果詳細
研究の結果、大麦若葉末は、パネト細胞に直接作用することで、生体内でαディフェンシンの分泌を促進し、
腸内の殺菌作用を発揮することが示唆された。
〔注①〕腸内フローラ
腸内に生息している細菌群のこと。腸内では約100兆個の細菌がバランスを保ちながら共生しており、何らかの要因でバランスが崩れると病原菌の増殖や病気の一因になることが知られている。
〔注②〕抗菌ペプチド
自然免疫の一種で、病原性細菌に対して殺菌活性を示す物質。
〔注③〕小腸陰窩(いんか)
栄養成分の吸収を行う小腸の腸絨毛の根本が窪んだ部分のこと。抗菌成分や消化管ホルモンなどを分泌する役割などを担う。
〔注④〕パネト細胞
小腸陰窩の最基底部に存在する上皮細胞で、αディフェンシンなど抗菌ペプチドを産生・分泌する。
〔注⑤〕自然免疫
生体が生まれながらにもっている、外来性の病原菌などを排除することで体を守る仕組み。
〔注⑥〕曝露
化学物質や微生物などにさらすこと。
東洋新薬は今後も『大麦若葉末』の機能性をさらに解明し、独自性の高い素材開発、商品開発し、より一層の拡販に注力して参ります。
≪トピックス≫
東洋新薬では、トクホ許可取得数No.1のノウハウを生かし、『機能性表示食品制度に対応した商品』に関して、機能性素材の安全性・有効性調査、臨床試験によるエビデンス取得、cGMPに準拠した工場での製造、表示・表現のサポートまで、お客様のニーズに応じたご提案をします。
■株式会社東洋新薬
東洋新薬は、「これまでの常識や固定観念にとらわれない健康食品や化粧品、医薬品を創り、世界へ送り出す」という志を社名に込めて1997年に創業した健康食品・化粧品・医薬品のODMメーカーです。
健康食品・化粧品・医薬品の受託製造にとどまらず、事業全般に亘るコンサルティングや商品企画、マーケティング支援までの豊富なノウハウを活用したビジネスソリューションを提供しており、ビタミンCの600倍の抗酸化作用を持つ松樹皮抽出物『フラバンジェノール®』をはじめとする高機能性素材の研究開発にも注力しています。
また、特定保健用食品(トクホ)の許可取得数は269件と日本一(2015年9月時点)で、そのノウハウを活用した独自のCRO事業(トクホ開発と臨床試験受託)を展開しています。
製造工場は、NSF GMP(ダイエタリーサプリメントの製造、包装、表示及び保管において適切な管理を行うための米国標準規格)認証を国内ODMメーカーとして初めて取得しているほか、健康補助食品GMP適合認定、ISO9001:2008、ISO22000:2005認証も取得しており、国際レベルの水準をクリアした品質管理体制を構築しています。
■会社概要
社名 )株式会社東洋新薬 創業 ) 1997年9月18日 代表者 )代表取締役 服部 利光
本部・鳥栖工場)佐賀県鳥栖市弥生が丘7-28
本社 ・福岡支店) 福岡県福岡市博多区駅前2-19-27九勧博多駅前ビル
東京支店 )東京都千代田区内幸町1-1-7 NBF日比谷ビル
大阪支店 ) 大阪府大阪市中央区淡路町3-6-3 御堂筋MTRビル
事業内容 )健康食品・機能性食品・トクホ商品・医薬品・化粧品・医薬部外品の受託製造、販売及び研究、開発
ホームページ ) http://www.toyoshinyaku.co.jp
※『東洋新薬』のブランドロゴ、『フラバンジェノール』及びそれらのブランドロゴは、株式会社東洋新薬の登録商標です。
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