沖縄の美術家・真喜志勉の県外で初の大規模展覧会を多摩美術大学美術館で7月4日より開催

真喜志勉「Turbulence 1941-2015」

多摩美術大学

多摩美術大学(東京都世田谷区・八王子市 学長:建畠晢)はこのたび、美術家・真喜志勉(1941-2015)の展覧会「Turbulence 1941-2015」を、7月4日から多摩美術大学美術館(多摩市)で開催いたします。

真喜志はネオ・ダダやポップ・アート的な手法も織り交ぜながら沖縄の同時代を映し出す独自の作風を切りひらいた美術家です。美術団体等には所属せず、1970年代以降ほぼ毎年個展を開催し、およそ50年にわたり新作を発表し続けました。本展ではその画業のなかから作家旧蔵の約90点を展示します。沖縄を拠点に活動した真喜志の足跡をたどる、東京では初めてとなる展覧会です。

 

※新型コロナウイルスの拡大・収束状況により、イベントの内容が変更となる場合もございます。随時当館のホームページにてお知らせいたしますのでご確認ください。またはお電話かメールにてお問い合わせください。


◆開催概要◆

展覧会名:真喜志 勉 TOM MAX「Turbulence 1941-2015」
会期:2020年7月4日(土)− 9月22日(火・祝)
会場:多摩美術大学美術館 
〒206-0033 東京都多摩市落合1-33-1
交通:多摩センター駅 徒歩7分(京王相模原線・小田急多摩線・多摩モノレール)
開館時間:10:00 〜17:00(入館は16:30 まで)
休館日:火曜日(但し、9月22日は開館)
入館料:一般300円(200円)
※( )は20名以上の団体料金
※障がい者および付添者、学生以下は無料
主催:多摩美術大学美術館
共同企画:町田恵美
特別協力:真喜志民子、真喜志奈美
協力:沖縄県立博物館・美術館、ぺんとはうすOB.OG のみなさま
助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団、公益財団法人 三菱UFJ 信託地域文化財団

※多摩美術大学美術館は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため必要な対策を講じてまいります。ご利用の皆様にはご不便をおかけいたしますが、ご理解とご協力をお願いいたします。
<ご来館の皆様へのお願い>
https://www.tamabi.ac.jp/museum/exhibition/200601_oshirase.htm


◆開催趣旨◆

 本展は沖縄を拠点に活動した美術家・真喜志勉(1941-2015)の足跡をたどる、東京では初めてとなる展覧会です。真喜志勉はネオ・ダダやポップ・アート的な手法も織り交ぜながら沖縄の同時代を表現する、独自の作風を切りひらきました。美術団体等には所属せず、ほぼ毎年個展を開催し、およそ50年にわたり新作を発表し続けました。
 真喜志勉は、真珠湾攻撃から太平洋戦争に突入する1941年に誕生しました。洋服の仕立て屋として裁断のためにチョークで線を引く父の姿を見て育った少年は、那覇高校の美術教諭 島田寛平との出会いもあり、美術大学への進学を志すようになります。1960年、当時まだアメリカ占領下であった沖縄からパスポートを持って多摩美術大学絵画科油画専攻に入学した真喜志は、積極的に同時代の文化・芸術を吸収し、夏休みなどで帰省した際は個展を開催し、1960年代の前衛美術を自身の作品をもって沖縄に伝えました。卒業後は沖縄で家業を手伝いますが、本土復帰直後の1972年にニューヨークへと渡り、ジャズクラブでの皿洗いやトラックドライバーの仕事をしながら、隆盛極めるアートシーンに触れました。約1年後、再び沖縄に戻った真喜志は、絵画教室「ぺんとはうす」を開き多くの人材を輩出しました。
 長い戦後を歩んできた沖縄において、真喜志の作品から沖縄が基地の島として晒されてきた社会的背景を読み解くことができます。一方で、ジャズをこよなく愛した真喜志は、アメリカ文化への憧れも隠しませんでした。様々な要因がもたらす「複雑さ」も内包する表現は、時に飄々としたユーモアを持って、時にあふれんばかりの感情と緊張感を持って見る人の心を揺さぶります。ひとつの答えを求めず、相手に解釈を委ねる真喜志の方法論は、さまざまな出来事や場所に分断を生み出している現代社会において、表現で社会と対峙することの重要性を示しています。
 本展ではその画業のなかから作家旧蔵の約90点を紹介します。その画業を時系列に並べてみると、東京とは異なる文脈で培われた真喜志の表現の軌跡を見ることができるでしょう。また、その背景に存在する、本土とは異なる戦後史を歩んだ「沖縄」にも導かれるはずです。


◆プレスツアー◆ 7月4日(土)11:30 〜12:00

会場:多摩美術大学美術館 展示室
参加:事前申込み制、必要事項をご記入のうえ、下記メールアドレスまでお申込みください。
【件名】「真喜志勉展 プレスツアー参加申込み」
【内容】参加者氏名、ご所属、メールアドレス、電話番号
E-mail:museum-event@tamabi.ac.jp


◆ 本展のみどころ ◆

【見所1】沖縄の美術界に影響を与えた真喜志勉の県外での初となる大規模展覧会
東京やニューヨークで出合った1960年代のアートシーンに影響を受けた真喜志は、大学時代に沖縄で初めてとなる野外展を行うなど、活発な制作、発表を続ける作家でした。その表現は同世代のみならず多くの作家に影響を与えています。

【見所2】複雑さを表現する
本展では展示室を4つの時代に分け、真喜志の画業を時系列に沿って紹介をすることでその足跡をたどります。作風は年代とともに変化を重ねますが、アメリカに対してシニカルな態度を貫きながらも、持ち込まれる文化やイメージに大きな影響を受けていた真喜志は、その矛盾を隠すことなく表現の中に内包させ、鑑賞者に解釈を委ねる表現を生み出しました。

【見所3】1950年代〜晩年までのドローイングやスケッチ
本展ではキャンバスや半立体作品のほか、高校生時代から晩年までに描きためられたスケッチブックを展示します。デッサン、ドローイング、フロッタージュ、コラージュなど、そこからは同時代の芸術的潮流に影響を受けながら、鍛錬と芸術的実験を繰り返す作家の軌跡を見て取ることができます。

Unknown(1975)Unknown(1975)

LEFT ALONE(1979)LEFT ALONE(1979)

ドローイング(1970年代)ドローイング(1970年代)

記憶のイエローナンバー(1983)記憶のイエローナンバー(1983)

Unknown(1997)Unknown(1997)

 


◆ 作家紹介 ◆

真喜志勉(まきし・つとむ 1941-2015)

〈略歴〉
沖縄県那覇市生まれ。1964年多摩美術大学絵画科油画専攻を卒業。沖縄の本土「復帰」直後の72年から約1年間ニューヨークに遊学。帰郷後、「絵画教室ぺんとはうす」を主宰しながら、ほぼ毎年個展を開催。TOM MAXの愛称で知られ、2015年に急逝。

〈経歴〉
1941 沖縄県那覇市生まれ
1954 那覇市立真和志中学校入学
1957 第9回 沖展 入選(以降、第10,11,16,18回も入選)
      沖縄県立那覇高等学校に入学、美術部に入る
1960 多摩美術大学入学
1961 個展「真喜志勉個展」(那覇琉米文化会館)(以降、継続的に沖縄にて個展を開催)
1962 第14回 読売アンデパンダン展 出品
1963 野外三人展「真夏の太陽と作家の出会い」(沖縄タイムス向かい琉銀建設用地)
1967 個展「夢みるジョンルイスの世界」(琉球新報ロビー)
1972 個展「大日本帝國復帰記念」(沖縄物産センター画廊)
      渡米(1973帰国)
1974 絵画教室「ぺんとはうす」開設
1979 個展「VISUAL SCANDAL」(沖縄物産センター画廊)
1983 個展「記憶の遠近法」(県民アートギャラリー)
1990 個展「TOM MAX STUDY IN HOSPITAL」(ギャラリー1956)
1995 個展「面壁九年」(画廊サロン・ド・ミツ)
1996 1995年度第30回沖縄タイムス芸術選奨(美術部門)大賞受賞
2002 個展「MAX as MONK」(画廊サロン・ド・ミツ)
2007 沖縄県立博物館・美術館開館記念展「沖縄文化の軌跡」展出品(沖縄県立博物館・美術館)
2014 個展「黙視」(MAX PLAN)
2015 逝去
2016 「真喜志勉展 Out to Lunch」(沖縄県立芸術大学附属図書・芸術資料館)
      「ニューコレクションシリーズⅡ 真喜志勉展 アンビバレント」(沖縄県立博物館・美術館)
2019 「真喜志勉 ドローイング展」(沖縄県立博物館・美術館)

<多摩美術大学美術館のプレスリリース>(PDF: 5.12MB)
https://prtimes.jp/a/?f=d34331-20200604-1577.pdf

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会社概要

学校法人 多摩美術大学

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URL
https://www.tamabi.ac.jp
業種
教育・学習支援業
本社所在地
東京都世田谷区上野毛3-15-34
電話番号
03-3702-1141
代表者名
青柳正規
上場
未上場
資本金
-
設立
1935年11月