【介護施設の経営層・担当職員1,007名に調査】BCP策定義務化後、介護報酬の減算など運営に影響があることについて知らない方が8割超
策定済みで職場内で共有、訓練、見直しはできているものの、約9割が運用において課題を抱えている
NSSスマートコンサルティング株式会社(所在地:東京都新宿区、代表取締役:安藤 栄祐)は、介護施設・事業所の経営層・管理職・危機管理部門の職員を対象に、「介護施設・事業所の事業継続計画(BCP)」に関する調査を行いました。
2024年4月に介護施設や事業所における事業継続計画(BCP)の策定が義務化され、前回調査(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000055385.html)では、介護職員を対象に事業継続計画(BCP)について調査し、認知度や実施にあたっての不安点などが明らかになりました。
介護職員の約8割が策定の義務化を認識していましたが、策定済みの介護施設や事業所は約6割にとどまりました。
地震や台風による集中豪雨など、今年も多くの自然災害が発生し、未策定であることに介護職員からは不安の声も多くあがりましたが、介護施設や事業所の経営層・管理職・危機管理部門の職員の方たちは事業継続計画(BCP)の策定についてどのように考えているのでしょうか。
そこで今回、各種ISOの新規取得・運用サポートサイト『ISOプロ』(https://activation-service.jp/iso/)を運営するNSSスマートコンサルティング株式会社は、介護施設・事業所の経営層・管理職・危機管理部門の職員を対象に、「介護施設・事業所の事業継続計画(BCP)」に関する調査を行いました。
調査概要:「介護施設・事業所の事業継続計画(BCP)」に関する調査
【調査期間】2024年12月1日(日)~2024年12月3日(火)
【調査方法】PRIZMA(https://www.prizma-link.com/press)によるインターネット調査
【調査人数】1,007人
【調査対象】調査回答時に介護施設・事業所の経営層・管理職・危機管理部門の職員と回答したモニター
【調査元】NSSスマートコンサルティング株式会社(https://nss-smart-consulting.co.jp/)
【モニター提供元】PRIZMAリサーチ
事業継続計画(BCP)策定状況と策定しない理由
はじめに、「経営・勤務する介護施設や事業所は事業継続計画(BCP)を策定していますか?」と質問したところ、『策定済み(39.5%)』『現在策定中(38.4%)』『今後策定予定(11.9%)』『策定する予定はない(10.2%)』という回答結果になりました。
策定済み、あるいは策定中の割合が高い一方で、策定予定がないと回答した方が少数いるようです。
そこで、『策定する予定はない』と回答した方に、「策定していない理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『必要性を感じていないから(27.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『策定しなくても罰則がないから(23.5%)』『費用を確保できないから(18.6%)』となりました。
事業継続計画(BCP)の必要性を感じていないことから、策定していない方が最多になり、また、策定しなくても罰則がないことも理由として上位になりました。
自然災害のリスクが高まる中、策定の重要性が認知されていない結果が浮き彫りになりました。
また、費用面で問題を抱えていると回答した方も一定数おり、策定が義務化になってもさまざまな課題が残っているようです。
事業継続計画(BCP)を策定しない場合、業務継続計画未策定減算が適用されますが、そのことを知っている方の割合はどの程度なのでしょう。
先程の質問で『策定する予定はない』と回答した方に、「策定しない場合、介護報酬の減算など運営に影響があることを知っていますか?」と質問したところ、『知っている(15.7%)』『知らない(84.3%)』という回答結果になりました。
介護報酬の減算など、運営に影響があることについて知らない方が圧倒的に多いことが判明しました。
策定しない場合、運営上デメリットがある点についても情報が不足していると言えるでしょう。
事業継続計画(BCP)策定後の問題
次に、事業継続計画(BCP)策定済みの方に、職場内での共有状況について聞きました。
「事業継続計画(BCP)の目的や重要性について、職場内で共有できていますか?」と質問したところ、約9割の方が『すべて共有できている(55.0%)』『一部共有できている(37.4%)』と回答しました。
事業継続計画(BCP)の目的や重要性について、すべて、あるいは一部共有できている方がほとんどのようです。
では、職員への研修や訓練などは行っているのでしょうか。
「策定後、職員への研修や訓練を行っていますか?」と質問したところ、約9割の方が『行っている(91.0%)』と回答しました。
大多数の方が、策定後の実行段階として研修や訓練を行っているようですが、策定内容の定期的な見直しや改善についてはどうでしょうか。
「策定内容の定期的な見直しや改善を行っていますか?」と質問したところ、約9割の方が『行っている(91.7%)』と回答しました。
『行っている』と回答した方に、「どのような見直しや改善を行いましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『備蓄や設備の充実(64.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『職員の研修・教育の充実(61.9%)』『事前周知や連絡体制の強化(42.7%)』となりました。
備蓄や設備の充実、人的スキルの向上、事前周知や連絡体制の強化といった改善を行っていると回答した方が多く、前回調査で判明した介護職員が求めている改善点と同様であることがわかりました。
事業継続計画(BCP)の策定のメリットと運用の課題
では、事業継続計画(BCP)を策定することでどのようなメリットがあると考えているのでしょうか。
ここからは、事業継続計画(BCP)を『策定済み』『現在策定中』『今後策定予定』と回答した方にうかがってみました。
「事業継続計画(BCP)の策定にはどのようなメリットがあると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『利用者の安全確保と避難計画を整備できる(54.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『災害時や緊急時にサービスの提供を継続できる(53.0%)』『利用者や家族・地域からの信頼を得られる(42.0%)』となりました。
策定のメリットとして、安全確保や緊急時のサービス提供継続、信頼性の向上が上位になりましたが、運用においての課題はあるのでしょうか。
「事業継続計画(BCP)の運用において、課題はありますか?」と質問したところ、約9割の方が『とてもある(33.6%)』『ややある(57.9%)』と回答しました。
前回調査で、事業継続計画(BCP)を実施するにあたって不安がある介護職員が約9割いたように、非常に多くの方が運用上の課題を抱えているようです。
そこで、『とてもある』『ややある』と回答した方に「どのような課題か教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『運用に必要な専門知識や外部リソースが不十分(47.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『職員への研修や訓練が不十分(44.7%)』『定期的な見直しや改善ができない(41.4%)』となりました。
専門知識や外部リソース、職員への研修や訓練、定期的な見直しが不足しているといった課題を抱えている方が多いことが示されました。
BCP策定が義務化されても「策定予定はない」が少数いることが判明!策定済みでも運用において課題を抱える方が多い結果に
今回の調査で、介護施設や事業所の経営層・管理職・危機管理部門の職員が抱えている事業継続計画(BCP)の運用上の課題などが明らかになりました。
事業継続計画(BCP)の策定が義務化となったものの、必要性を感じていない、未策定でも罰則がない、費用を確保できないことから策定予定がない方が少数おり、未策定の場合、業務継続計画未策定減算が適用されることについて大多数の方が知らないようです。
一方で、策定した事業継続計画(BCP)について職場内での共有、研修や訓練、見直しや改善ができている方は非常に多いことがわかりました。
見直しや改善については、前回調査でわかった介護職員が求める改善点と同様、備蓄や設備の充実、人的スキルの向上、事前周知や連絡体制の強化などを行っている方が多いようです。
事業継続計画(BCP)の策定のメリットとして、安全確保や緊急時のサービス継続、信頼向上などが上位になったものの、運用において専門知識や外部リソース、研修や訓練が不十分であることや定期的な見直しができないといった課題を抱えていることが明らかになりました。
事業継続計画(BCP)の運用を通じて、緊急時においても安定したサービス提供ができる環境を整えることが、事業所・施設全体の信頼性の向上につながります。
運用課題を解決するには、専門知識を持つ外部リソースの活用、さらには地域連携の強化がカギとなるのではないでしょうか。
事業継続計画(BCP)に関する国際規格の「ISO22301」の新規取得・運用サポートなら『ISOプロ』
今回、「介護施設・事業所の事業継続計画(BCP)」に関する調査を実施したNSSスマートコンサルティング株式会社では、ISO・HACCPの新規取得・運用サポートサイト『ISOプロ』(https://activation-service.jp/iso/)を運営しています。
事業継続計画(BCP)に関する国際規格 である「ISO22301」は、自然災害や伝染病、ITシステムの障害などの予測できない非常事態が発生した際にも、事業を継続あるいは中止後にも早期復旧できる体制を構築するために制定されました。
<「ISO22301」に関するコラムはこちら>
https://activation-service.jp/iso/column/7377
ISOプロは、ISO審査員資格保有者やISO構築コンサルタント経験者が多く所属するISOの専門家集団です。
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その他ISO各種規格のコラムはこちら:https://activation-service.jp/iso/column
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お問い合わせフォーム:https://activation-service.jp/iso/lp/form-collabo-entry/
【会社概要】
会社名:NSSスマートコンサルティング株式会社
所在地:東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー21階
代表者:安藤栄祐
URL:https://nss-smart-consulting.co.jp/
事業内容:ISOコンサルティング事業、労務コンサルティング事業、オフィスサポート事業
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