鋳造工程で発生する不要物を原料として、CO2など多様なガスを吸脱着する“Castreasure(キャストレジャー)”の共同開発に中央可鍛工業×SyncMOFが成功
不要物を原料としたガス吸脱着材の合成により、社会全体のカーボンニュートラル推進に貢献してまいります。

中央可鍛工業株式会社(本社:名古屋市中川区、代表取締役社長:武山 豊)は、名古屋大学発のスタートアップ企業であるSyncMOF株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:畠岡 潤一、以下「SyncMOF」)と共同で、鋳造工程で発生する不要物(廃棄物)に新たに価値を付与し、アップサイクルを目指す開発を進め、“Castreasure(キャストレジャー)”の合成に成功いたしました(図1)。
今後は、Castreasureの形状加工や耐久性の確認を経て、実用化に向けた開発を進めてまいります。
Castreasure(キャストレジャー)
鋳造工程から発生する不要物(廃棄物)を原料として、多様なガスを選択的に吸脱着するMOFであり、市販試薬から合成されたMOFと同等以上の吸脱着性能を有しています(図2)。
「Castreasure(キャストレジャー)」は、"Cast(鋳造)"と"Treasure(宝物)"を組み合わせた造語であり、鋳造によって生み出す新たな価値ある製品=宝物という意味を込めています。
MOF(Metal Organic Frameworks)
MOFは金属イオンと有機配位子から合成される金属有機構造体です。MOFは代表的な多孔性材料※である活性炭やゼオライトと比較しても、非常に大きな比表面積を有していることが特徴です。さらに、その構造因子である金属イオンと有機配位子を選択することができます。そのため目的とする物質を選択的に吸脱着することが期待できます。
※ 多孔性材料:内部に多数の微細な空隙(細孔)を持つ材料の総称で、吸着、分離、触媒など、幅広い分野で重要な役割を果たしています

鋳造工程で発生する不要物(廃棄物)のサーキュラーエコノミーについて
鋳造工程で回収・除去される不要物(廃棄物)の多くは、収集後、専門業者を通じて処理されます。今回この未活用資源でCastreasureを合成することで、究極のアップサイクルを実現し、二酸化炭素のみならず、他物質の吸脱着にも活用を広げ、社会課題の解決に貢献してまいります(図3)。
また、鋳造工程で発生する二酸化炭素をCastreasureで吸着・除去することで当社カーボンニュートラルに貢献するとともに、CCU※1やDAC技術※2への適用についても研究を加速します。
※1 CCU(Carbon dioxide Capture and Utilization):工場や発電所等から排出されたCO2を他の気体から分離して集め、新たな製品の製造に利用するプロセス
※2 DAC(Direct Air Capture):大気中のCO2を直接回収する技術

EXPO 2025 大阪・関西万博「MOF FES ヒーローになるCO₂プロジェクト」において、CastreasureのPR動画や紹介記事を放映いたしました。
<PR動画>
企業詳細
■SyncMOF㈱
代表取締役:畠岡潤一
取締役:堀彰宏
設立:2019年6月20日
事業内容:新規多孔性材料の合成及び製造/性能評価装置の開発及び販売
新規多孔性材料を用いた製品及び商品の開発及び販売
ガス関連製品及び商品の開発及び販売 上記に関わるコンサルティング業務
■中央可鍛工業㈱
代表者:代表取締役会長 武山 尚生
代表取締役社長 武山 豊
設立:1944年1月21日
事業内容:可鍛鋳鉄鋳物、ダクタイル鋳鉄鋳物、普通鋳鉄鋳物、軽合金鋳物、
アルミダイカスト等の製造加工および販売
金属製什器および諸機械の製造、販売
主要株主:トヨタ自動車㈱、㈱三菱UFJ銀行、第一生命保険㈱、㈱豊田自動織機 等
証券市場:名古屋証券取引所 メイン上場
証券コード:5607
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