【ベッコフ・創業者 創立42周年インタビュー】自動化へのあらゆる課題に対する答えを見つけ続ける技術主導企業の挑戦

「2年で成長率50%」 止まらない技術革新 新製品が数多く誕生した2022年

ベッコフオートメーション(ドイツ・フェアル)は、今年42周年を迎えました。例年にも増して数多くの大型新製品を発表し、記録的な成長を遂げた年となりました。 創業者であるハンス・ベッコフ氏による今年1年の業績・製品のハイライトと、今後の展望についてご紹介いたします。併せて、日本法人代表の川野俊充のコメントもお届けいたします。
 


2年で50%成長
「技術主導の企業として、ベッコフは創業以来、自動化におけるあらゆる課題に対する答えを見つけ出そうとしてきました。」とハンス氏は語ります。IPC・I/O・モーション製品・TwinCAT・リアルタイムVision、制御盤を置き換えるMX-Systemなど、製品分野は幅広く拡大を続けています。イノベーションの結果が、会社の業績にも顕著に表れています。「昨年28%の売上高成長率を遂げましたが、2022年の成長率も20%以上になる見込みです。受注件数も増え続けています。昨年に比べ若干控えめかもしれませんが、それでも確実に望ましい方向に進んでいます。」 と述べました。ハンス氏は、同様の傾向が世界中の支社から報告されている一方で、業界、特に自動化に関わる業界専門家の多くが、経済状況により来年後半に危機が訪れると予想していることも明らかにしました。

「現在、当社の成長率は予想を超えています。」とハンス氏は指摘します。「2021年と2022年の2年で、総売上は9億2300万ユーロから約14億ユーロまで増加、約50%の成長率を見込んでいます。」 ハンス氏によると、このような急激な成長を会社全体で実感していると言います。「そのため、現在も、また将来的にも、生産能力と原料供給能力を強化し続ける必要があります。」 これを実現するため、新たな倉庫や生産設備の建設を進めています。「新規プロジェクト用に新たに15ヘクタールの工業用地を取得しました。これで合計30ヘクタールの予備地を確保することができました。土地と設備の両面で、今後5〜10年は成長への余地があります。」とハンス氏は将来を見据えた展望を明らかにしました。「さらに、生産部門だけでなく、会社のあらゆる分野が成長しています。世界各国の販売拠点をさらに拡大するとともに、研究・開発・製品管理の分野も強化します。」と付け加えました。

止まらない技術革新
「2022年は、新製品が大量に誕生した年でした。」と、ハンス氏は続けます。「MX-System」と、産業用ロボットモジュール 「ATRO」(アトロ)に続き、産業用画像処理のための包括的「Vision」ポートフォリオが発表されました。

■  制御盤レスを実現している制御ユニット「MX-System」:
今年の製品発表の大きな目玉は、MX-Systemによる制御盤レスの自動化システムです。これにより、従来の制御盤を完全に置き換えることを目的とした、柔軟でスペースを最適化した、インテリジェントなシステムを提供します。「MX-Systemは熱狂的な反響を呼びました。」とハンス氏は強調します。技術的なメリットだけでなく、経済的なメリットも多大です。特に熟練工の工数を節減できます。「私たちの技術革新は、組立て作業を最小限にするだけなく、設計段階の開発リソース削減にもつながります。実際に、あるパイロットユーザは、300ページあった制御盤の配線図を30ページにまで削減しました。」 さらに、ハンス氏は、ビジネスの視点からもう1つの重要な価値を次のように述べています。「プロジェクトのリードタイムが短縮されたことで、ユーザはより多くの機械を製造できるようになったのです。」同氏は、MX-Systemは、目に見える利益をもたらし、機械の工場の占有面積を削減できると信じています。
製品詳細:https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/mx-system/

■   産業用ロボットモジュール「ATRO」:
ATROにより、アプリケーションに最適なロボットシステムを構築して柔軟に組み立てることができるようになりました。標準化されたドライブ機能を統合したモータモジュールと、様々な形状および長さのリンクモジュールによって、ほぼ無限の組み合わせが可能です。「モジュール式のアプローチは、特別な強みです。

1軸のロボットから7軸のロボットまで、モジュール式システムで対応できます。ユーザは、基本的な機械要素から独自のキネマティクスを構築でき、いつでも拡張、変更できます。私たちはロボットをとても楽しいものだと考えており、情熱を持ってロボットモジュールの開発に取り組んでいきます。」とハンス氏は約束しました。ATROの市場投入は、2024年後半に予定されています。
製品詳細:https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/motion/atro-automation-technology-for-robotics/

■  カメラ・レンズ・照明で構成される「Vision」ハードウェア製品:
ハンス氏は、画像処理に「大きな未来」を見ていると述べています。「かつては3軸の機械が一般的でしたが、今では100軸、あるいは200軸の機械も珍しくありません。今後は1台だけでなく、10台以上のカメラでプロセスを細かく監視することが要求されます。」 背後では強力なTwinCAT Visionソフトウェアが、複数のカメラをリアルタイムで同時に制御できます。PCとのインターフェースには、2.5Gbitイーサネットを採用、高速通信を実現しています。さらにハンス氏は、Visionシリーズの本当の強みは、TwinCAT Visionソフトウェアを含む製品パッケージ全体にあると述べています。「動きが最速の場合でも、カメラの信号はTwinCATの制御信号と完全に同期します。複数のカメラを使用する場合でも、高性能なPC制御技術がカメラからの画像取得と制御を担うため、画像処理のために別途PCは必要ありません。画像処理は、すでに計測技術と同様に、機械制御の前提になりつつあります。」と総括しました。
製品詳細:https://www.beckhoff.com/ja-jp/products/vision/

明るい展望
ハンス氏は、サプライチェーンのボトルネックにより、資材調達は現在も困難な状況にあることを指摘し、この状況は今後3ヶ月は続くと予想しています。しかし、「新年度の第1四半期には、状況が緩和される兆しがあります。それまでは、お客様と密接に協力しながら重要なニーズに応え、在庫ができるだけ公平に配分されるよう努力することが最善の道である。」とハンス氏は考えています。「何が起ころうとも、私たちは可能な限り製品供給能力を維持するための出資を惜しみません。それが私たちの最優先事項です。」と念を押しました。「今は利益よりも、供給できるかどうかが重要です。」


■  ベッコフオートメーション日本法人代表取締役社長 川野俊充のコメント
「制御盤を不要にできる可能性があるMX-Systemと、柔軟なロボットシステムを構築できるATROは日本市場でも大変な反響を戴いています。個人的にはリアルタイム画像処理に対応したカメラシステムもそれ以上にユニークだと感じていますが、市場への訴求は少し工夫が必要かもしれません。引き続き入手しにくい製品がある状況が続き大変恐縮ではありますが,先行手配するなどで日本のお客様からのご期待に沿えるよう引き続き尽力いたします」


出典: Open Automation 6/2022, VDE Verlag, Germany 掲載 /www.vde-verlag.de
著者: ドイツ業界誌「Open Automation」編集長 Ronald Heinze氏 /VDE Verlag

記事全文はこちら:https://v2.nex-pro.com/library/NDcxMzE=

 

 
 

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会社概要

URL
http://www.beckhoff.co.jp/
業種
商業(卸売業、小売業)
本社所在地
神奈川県横浜市中区桜木町1-1-8 日石横浜ビル18階
電話番号
050-1790-1111
代表者名
川野 俊充
上場
未上場
資本金
1000万円
設立
2005年02月