ウェアラブル端末を使用した多施設共同臨床研究で臨床研究管理システムプラットフォーム「PHRONTIER(フロンティア)」を採用
肺がん手術の個別化医療に貢献
医療・ヘルスケア分野のアプリ・Webシステムを開発するキュアコード株式会社(代表取締役:土田史高 本社:富山県富山市 以下キュアコード)はパーソナルヘルスレコード(PHR)や特定の疾患データを取得し、医学的な研究や診療に役立てる臨床研究管理システムプラットフォーム「PHRONTIER®(フロンティア)」を提供しています。
この度、静岡県立静岡がんセンターが研究代表となる「肺癌術後PHR推移の研究」で「PHRONTIER®(フロンティア)」が採用され使用されることとなりました。この臨床研究は肺がん手術後の患者さんの長期的な経過をウェアラブル端末でモニタリングし、手術手技・手法の個別化医療を目指す臨床研究です。


■ 研究の背景
近年、医療分野において、客観的な指標を用いて生命活動や疾患のプロセスを評価する「デジタルバイオマーカー」の重要性が高まっています。特にがん治療後の経過観察においては、従来の通院時の評価に加え、患者さんの日常生活における活動量や睡眠の質といった客観的なデータを継続的に収集・分析することが、手術法の向上や予後予測に繋がると期待されています。
より良い手術法の確立に繋げるためには、肺がんの手術後、患者さんの日々の体調がどのように変化するかを客観的に把握し、長期的にモニタリングすることが極めて重要となります。しかし、複数の医療機関が参加する多施設共同研究においては、各施設からのデータを効率的かつ統一されたフォーマットで収集・管理することは、研究者にとって大きな課題となっていました。そのため、患者さんと研究者の双方にとって負担が少なく、かつ信頼性の高いデータを収集できるシステムの導入が求められていました。
■ 本臨床研究の概要と「PHRONTIER」採用の経緯
この度の臨床研究は、日本臨床腫瘍研究グループ(Japan Clinical Oncology Group, JCOG)が行う多施設共同臨床試験(JCOG2217A1、研究代表者:大出泰久、研究事務局:勝又信哉[静岡がんセンター呼吸器外科])の附随研究として全国の30医療機関が参加します。
本研究では、肺がん手術を受けた患者さんにウェアラブル端末「Fitbit Inspire 3」を装着いただき、心肺機能、日常の活動量、心拍変動(HRV)、睡眠パターンなどのデータを長期的に取得します。これにより、長期的な予後への影響、術後の回復過程や合併症との関連性を客観的なデータに基づいて解明することを目指します。

本研究を推進するにあたり全参加施設は当社の「PHRONTIER」を使用し、データ統括は静岡がんセンターが担当されます。ウェアラブルデバイスを含む多様なIoT(Internet of Things)機器から自動でデータを収集・統合管理できる機能を備えた「PHRONTIER」は、多施設共同研究で求められるデータの一元管理と、研究者・参加者の双方にとって直感的で使いやすいインターフェースが評価され、今回の採用に至りました。
キュアコード株式会社 代表取締役 土田 史高 のコメント
「がん領域において先進的な取り組みをされている静岡がんセンター様の重要な臨床研究に、当社の『PHRONTIER』をご採用いただけたことを大変光栄に思います。本研究は、デジタルバイオマーカーを活用した次世代の医療の可能性を示すものです。『PHRONTIER』が、研究の円滑な推進とデータ品質の向上に貢献し、ひいては肺がん患者さんのQOL向上に繋がる一助となれるよう、全力で研究をサポートしてまいります。」
■ 関係者のコメント
静岡県立静岡がんセンター 呼吸器外科 医長 勝又 信哉
「この研究は、患者さんの日常生活に寄り添いながら、より質の高い術後ケアを目指すための重要な一歩です。ウェアラブル端末から得られる客観的なデータは、これまで我々が把握しきれなかった患者さんの健康状態を深く理解し、長期的な生存や術後合併症への影響を新たな視点から解明する上で非常に有益な可能性があると考えています。『PHRONTIER』の活用により、貴重なデータを効率的に収集・分析し、肺がん治療後の新たなエビデンス創出や、個別化医療の実現に繋がることを強く期待しています。」
■ 今後の展望
本研究は、ウェアラブルデバイスと先進的なITプラットフォームを組み合わせることで、臨床研究の新たな可能性を拓くものです。ウェアラブルデバイスから得られる客観的かつ連続的な生体データは、新たなデジタルバイオマーカーの発見を加速させ、将来的には疾患の早期発見や予後予測の精度向上に大きく貢献することが期待されます。
また、「PHRONTIER」のようなシステムの活用は、データ収集・管理の効率を飛躍的に高め、臨床研究におけるIT利用をさらに活発化させます。これにより、医学の発展が加速し、より多くの患者さんに研究成果が還元される未来を目指します。
さらに、こうした取り組みは、患者さん自身が日々の健康情報を管理・活用するPHR(Personal Health Record)の普及と発展にも繋がります。キュアコードは、本研究の推進を通じて、データ駆動型の新しい医療の実現に貢献してまいります。
■ PHRONTIER®とは
PHRONTIER は、PHR データを元に臨床研究や診療に役立つアプリの開発、自治体の健康増進施策に活用可能なアプリ・システムのパッケージです。従来は疾患ごと、サービスごとにシステムとデータベースを1から開発し、データベースも別々でしたが、PHRONTIER®を活用することでユーザー個々の健康データの連携が可能となることから開発コストと運用コストを抑えることができ、患者に対するサポートも充実させることが可能となります。
この度の研究では、PHRONTIER®を静岡がんセンターでの研究に導入することで研究に係る初期コストを抑えるとともに、より有用なデータの提供と応用へのサポートが期待されています。
キュアコードでは、今後も全国の研究機関や自治体に導入いただくことを目指し、国や自治体の医療費負担の大幅な削減を実現するとともに、より多くの方が心身共に健康でいられるサービスの創出・提供に努めています。
PHRONTIER®についての詳細は以下よりご覧いただけます。
<キュアコード株式会社について>

2011年創業。医療・介護・健康などヘルステック分野を中心としたITベンチャー企業。医療・ヘルスケアアプリ・システムの研究開発だけでなく企画立案やデザイン、運営事務局、カスタマーサポートまでを一貫して手がけています。自治体および研究機関と産学官連携の推進も行っています。

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商号 |
キュアコード株式会社 |
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所在地 |
【本社・研究所】 ※2025年2月3日より、富山大学構内から本社住所を移転しました。 〒930-0083 富山県富山市総曲輪一丁目5番24号 【東京オフィス】 〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目8-11 |
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代表者 |
代表取締役CEO 土田 史高 |
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URL |
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