スペースシードホールディングスは、3次元モデルに取得した画像データからリアルタイムで情報を抽出してプロットする「スペースプロット」技術を確立しました
ドローンで取得した画像処理の自動化で、構造物の劣化部位判定などの省力化を実現
スペースシードホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表:鈴木健吾、以下スペースシードホールディングス)は、ドローンや衛星画像で取得した画像データからリアルタイムで情報を抽出して、予め作成した3次元モデル上にプロットする技術を確立しました。この度、確立した技術を「スペースプロット」と命名し、特許出願を行ったことをお知らせします。
背景
日本では半世紀以上前の高度経済成長期から急速に建物の建設が進み、現在ではその頃に建てられたたくさんの建築物が老朽化したまま残されてます。老朽化した建物は壁の剥落など様々な危険を孕んでおり、定期的な検査による管理が義務化されています。その課題解決の方法としてドローン技術が期待され、実用化が一部成されている一方、ドローンで取得したデータから老朽化した箇所を検出し把握することは人の手に頼っており、効率的な検査の妨げになっています。そこで検出した箇所を3Dモデル上で一元的に管理することができるシステムの開発に至りました。
開発したスペースプロットのメカニズムについて
撮影した画像から自己位置ならびに自己姿勢を推定する技術を用いて、画像の取得位置・姿勢を計算し3次元モデル上にリアルタイムで取得された画像から特定の情報をプロットすることで、3次元モデルに情報を付加します。本技術の強力な点は、撮影した1枚の画像から瞬時に撮影及び検出位置をプロットできる点にあります。
3次元モデルへのプロット例
砂地の一部に水を浸潤させて、その浸潤した箇所を赤外線カメラで検出し3Dモデル上にプロットした様子を紹介します。
地上での利用方法
スペースプロットの地上での利用シーンとしては、ドローンを用いた大規模構造物の点検業務への活用などが考えられます。現在はドローン視点で撮影された画像から異常個所を検出する方法で検査が行われていますが、本技術を応用することで検査を3Dモデル上で一元管理することができると考えられます。
さらに広い範囲を大まかに衛星を用いて検出し、詳細な位置情報と精細な情報をドローンから取得するといった衛星データとの連携も期待されます。
また、当該技術の応用先として、構造物の状況確認の他に、航空機の点検、トンネルや線路の点検、農場の作物診断、災害時の被害状況の確認などが考えられます。
宇宙分野での利用方法
現在急速に作成及び整備が進んでいる月面の3Dデータを活用することで、月面開発に活用可能になることが期待されます。さらに人工衛星の3Dモデルを用意することで、整備が難しい衛星の点検管理への活用も期待されます。
今後の展開
大規模構造物とドローンを用いてどの程度の精度でプロットすることができるか検証する余地があり、複数の利用シーンにおいて応用可能かを検討していく予定です。さらにハイパースペクトルデータなどより詳細な情報を取得できるセンサを使用した実験を検討しています。
スペースシードホールディングス株式会社について
スペースシードホールディングス株式会社は、「SFをノンフィクションにする」をミッションとして、投資活動、研究活動ならびに事業創出を行う宇宙系ディープテックベンチャービルダーです。発酵とロンジェビティー技術の社会実装を支援する「Fermentation and Longevity Fund」プログラムの運用などを軸に、社会課題を解決する事業の創出に取り組んでいます。2040年までに各種ステークホルダーとともに、人類が宇宙空間で居住するのに必要な技術を揃えることを目指しています。
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