アルカイック、エースリージャパンは心電図のみで心エコー所見予測が可能なAI開発に向け岐阜ハートセンター、戸田中央総合病院、東京Dタワーホスピタルと合同実証を完了
~ 開業医や過疎地でも心臓専門医同等以上の情報が得られ適切な治療を目指して ~
大企業を始めとする多くの企業のAIシステムを手掛ける株式会社Archaic(本社:東京都渋谷区、代表取締役CEO:横山 淳)と エースリージャパン合同会社(本社:東京都渋谷区 代表社員:藤谷 勇人)は、医療法人澄心会 岐阜ハートセンター、医療法人東光会 戸田中央総合病院、東京Dタワーホスピタルの協力のもと、心電図データから心エコー診断予測システム開発に向けた実証実験を完了しましたのでお知らせいたします。
<背景>
CTやMRIなどは精度の高い検査ではありますが、大病院でしか行うことのできないという制限があります。それに対し、心電図は健康診断でも用いられており、非常に簡便な検査で、町の開業医さんでもできるというメリットがあります。その一方で、心臓の専門、非専門などで医師間で読影の差があるのが現状です。心筋梗塞、心臓弁膜症、心筋症などの心臓疾患はがんにつづき日本の主要な死亡原因の一つであり、急激に悪くなることもあります。しかし、状態が悪くなる前に早期発見をし、適切に治療を受けることができれば、これまで通りの生活を行っていただくことも可能です。心電図を最大限に有効活用して、大病院のない医療過疎地域にお住いの方にも、心臓疾患を“適切なタイミングで、適切な治療を受けられるようすることが、本実証実験に至った経緯になります。
<実証実験結果>参考文献
心臓超音波検査は、超音波を用いて心臓を画像にして、心臓の動きや大きさ、弁の状態、血液の流れなどを観察する検査で、弁膜症、虚血性心疾患、心筋症、先天性心疾患など多くの心疾患で診断に有用です。しかしながら、機器が高額であること、検査を行うためには熟練した技師が必要であることから、活用できる施設が限られるという問題があります。
心電図は健診でも用いられているように、簡便にできる検査です。心電図1枚から心臓超音波結果を予測することを目的といたしました。
治療が必要な重症弁膜症(大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症、三尖弁閉鎖不全症)、および、左室壁運動異常(前壁、中隔、下壁、後壁、側壁、心尖部)、左室駆出率低下などを検出する診断能力は陰性的中率97%, 感度81%、精度0.816といずれにおいても高い水準の診断能を示すことができました。
<東京Dタワーホスピタル 循環器内科 中山雅文医師のコメント>
医学は専門が分かれており、医師であれば誰でも同等の診断をできるわけではありません。特に心臓疾患は、急激に悪くなることがあるため、早期発見が重要になってきます。私自身も大都市だけでなく、地方都市、離島などでの診療経験から、医療における地域格差を身をもって感じてきました。さらにコロナ禍においては、医療過疎地域から都市部の専門病院への受診もより減っていたと思われます。
この状況を改善させるためには、心電図という多くの診療所にある簡便な検査からAIを用いてより診療に役立つ診断ツールへ進化させることが重要と考えました。日常生活の中にもAIを利用した製品やプログラムなどは急激に増えてきておりますが、まだまだ医療業界では、限られております。AIに全てを依存するわけではなく、うまく利用することで、よりよい医療を提供できるのではないかと考えました。今回、Archaic、エースリージャパンさんの協力いただき、精度は追及した上で、さらに重症疾患を見逃さないことを重要視し、本実証実験を行いました。その結果、主要項目において、本システムにより正常と判断されれば、実際に心臓超音波検査にて異常がない確率を限りなく低くすることができました。精度も良好な結果を示しております。このことにより、日本全国どこでも受けられる心電図から簡便に心臓超音波結果が得られるようになることで、特に心臓以外を専門にされておられる先生の診断の手助けができることを望んでおります。その結果として心臓疾患患者様を一人でも多く早期診断でき、適切なタイミングで適切な治療を受けていただくことが私の希望です。
<岐阜ハートセンター院長 松尾仁司医師のコメント>
人工知能(AI)の循環器領域への応用が様々な形で模索されています。今回の中山雅文先生が中心になり実現した重症弁膜症をはじめとした重症心臓病を心電図から正確にスクリーニングすることができれば医療現場で極めて大きなインパクトをもっています。なぜなら、心電図は最も多く用いられている、一番初めに用いられる心臓病のスクリーニング検査であり、健康診断や医療現場の第1線で用いられる検査であるからです。この心電図からのAI診断で、専門医受診の必要性を判断することができれば、実地臨床医の先生方のみでなく、多くの人たちの朗報となることでしょう。
■株式会社archaic(アルカイック)とは
『世界中の人が、AIをもっと身近に電気や水の様に当たり前の様に使うことができる世界を実現する!』をミッションに掲げ、AIの最新技術の学術的知見とグローバルなAIベンダーで実績があり、ディープラーニングや人工知能システムの受託開発、受託研究開発のスペシャリスト集団です。
Archaicはアルゴリズムをゼロから構築する僅か5%のAIビルダーで、各業界の最先端を目指す大企業からのカスタムAIを制作しています。
『もっと身近な環境でAIを活用し、そのメリットを多くの方に伝えていくことで、AIのハードルが下がり、その先に日本国の産業の底上げにも貢献できるのではないか』と考えています。
■エースリージャパン合同会社とは
エースリージャパン合同会社とは心臓分野の医療機器商社です。医療機器の販売を通じ、患者様の治療や検査をサポートしています。また、市場のニーズを適切に捉えかつ迅速に対応することを企業理念に掲げ、病院のドクターや医療スタッフからの要望を製造会社とコラボレートし具現化した製品を医療現場へ提供しております。
今後は、医療分野におけるAIの可能性を追求し、高齢化社会を迎える日本の医療現場の質の維持と向上を目指します。
■岐阜ハートセンターとは
2009年設立の循環器専門病院。やさしさを医療の中心に考えた、何よりも安全な医療の提供に努めること、確かな技術の提供と情報発信に努めること、こころあたたまるケアを実感していただけるよう接遇に努めること、そして24時間365日絶対にお断わりしない体制作りに努め、これらの理念を達成するため、”目の前の患者様を大切に“ そして ”常に考える“ という2つのKey wordを合言葉にして毎日の診療に従事し、年間のべ外来受診患者総数は4万人強と多くの患者様へ診療を提供しております。また、多くの臨床研究にも携わり、より患者様のためになる医療を追及しております。
■戸田中央総合病院とは
60年間に渡り、“愛し愛される”(患者さまから、地域の方々から、そして職員から愛し愛されることをめざす)という理念のもと、地元・戸田市をはじめとする埼玉県南部地域の急性期医療の一翼を担う基幹病院です。循環器領域においては、埼玉南部では虚血性心疾患、不整脈疾患など多岐にわたり随一の治療件数を提供しております。
■東京Dタワーホスピタルとは
2022年11月開業。東京“豊洲”の複合商業ビル「Dタワー豊洲」において、脳神経外科、循環器内科、心臓血管外科を中心に、①高度医療機器を駆使した心と身体の健康評価、②心と身体の健康維持および増進のための助言、③利用者に最適の医療サービスを提供することを目指す、新しい時代に向けた医療施設です。
以上
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