Journal of Digital Lifeに大東文化大学 土橋俊寛氏が論文発表 いくらで入札する? ChatGPTを被験者に見立てたオークション実験の結果は

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経済学において重要な位置を占める実験研究において、被験者の役割を人間ではなく人工知能(AI)が担うことは出来るのか―。ChatGPTを被験者に見立てたオークション実験についての論文を、大東文化大学の土橋俊寛氏が発表しました。

本論文(「 How much do you bid? Answers from ChatGPT in first-price and second-price auctions 」https://journal-digitallife.com/publications/technical-article/how-much-do-you-bid-answers-from-chatgpt-in-first-price-and-second-price-auctions/)は、日本発の国際学術論文ジャーナル「Journal of Digital Life」(https://journal-digitallife.com/)(運営:株式会社産経デジタル、代表取締役社長:土井達士)に掲載されています。

ChatGPTに「ペルソナ(人格)」を与えると―

オークション理論では、入札者は自分の利得(出品された品物の金銭的評価(私的価値)から支払い額を差し引いたもの)を最大化すると仮定されています。「1位価格オークション(FPA)」では落札者が最高入札額を支払い、「2位価格オークション(SPA)」では落札者が2番目に高い入札額(次点の入札額)を支払います。この研究で筆者は、FPAとSPAにおけるChatGPTの入札が人間の入札と一致しているかどうか、またChatGPTに「人格(ペルソナ)」を与え、人間の被験者として用いるというアイデアを検証しました。


その結果、ペルソナを設定しない場合、ChatGPTのFPAでの回答は人間の入札傾向と同様に過大入札(理論予測よりも高い入札)となり、SPAでは理論予測と一致しました(人間はSPAでも過大入札の傾向を示す)。しかし、ChatGPTのペルソナを「優秀な経済学部の学生」にした場合、FPAでの回答は理論予測に近く、またSPAではオークション経験の豊富な被験者の入札に近い結果が出ました。

この結果をもとに土橋氏は、ChatGPTを被験者として採用することについては「判断を保留せざるを得ない」と述べるとともに、本研究はAIを題材とした実際の利用を議論するための第一歩を提供するものである、としています。


※日本語による解説記事はこちら「ChatGPTをオークションに参加させると? 実験で「人間らしくない」振る舞い 大東文化大・土橋教授」(https://www.iza.ne.jp/article/20231115-SFYJICSNKVDS3PZOLXBXRVGXTM/


※本論文に関するお問い合わせは「Journal of Digital Life事務局(info-digitallife@sankei.co.jp)」までお願いいたします。


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