建設業界の未来をひらく、公園や陸上競技場のトラック走路に安心・安全な新技術
国土交通省のNETIS(新技術情報システム)に登録された環境対応型ウレタン材「レオタンS」
スポーツ施設の施工・管理・運営を専門とする日本体育施設(にほんたいいくしせつ)株式会社(東京都中野区 代表取締役社長:越後 幸太郎)が開発した、環境対応型のポリウレタン系表層材料「レオタンS」が、2025年1月28日に国土交通省のNETIS(新技術情報提供システム)に登録されたことを発表します。
https://www.ntssports.co.jp/news/netis-202501/
本技術では、従来のウレタン材に1%以上含有されていた特定化学物質MOCA※1を取り除くことで、製造や施工に携わる作業者の健康リスクを低減し、公園の園路、陸上競技場のトラック走路、ジョギング走路、などに適応する安全性と持続可能性を確立しました。
また、働き手不足が深刻化している建設業界において、作業者の安全性確保は業界への人材の誘致に多大なる貢献をすると考えられます。
※1:化学品の名称…3’,3-ジクロロ-4,’4-ジアミノジフェニルメタン/特定化学物質予防規則…特定第2類物質、特別管理物質(1976年~)
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NETISとは
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国土交通省が新技術の活用のため、新技術に関わる情報の共有及び提供を目的として整備したデータベースシステムのこと。
NETIS登録情報
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技術名称 |
環境対応型ウレタン材 レオタンS |
概要 |
製造や施工に携わる作業者の健康へ配慮した、MOCAを含まず、特定化学物質予防規則(以下、「特化則」)※2 に該当しない改良型の舗装材 |
NETIS 登録番号 |
CB-240042-A |
※2:労働者の健康と安全を保護し化学物質による健康被害を予防することを目的に、日本の労働安全衛生法に基づいて策定された法令
新技術開発背景
従来より、園路、トラック・ジョギング走路、グラウンド・コート等の整備には、主剤と硬化剤を混合する「2液混合型」のウレタン材を使用していました。2液混合型ウレタン材は、主剤に特定化学物質TDI※3、そして硬化剤には同じくMOCAが1%を超えて含有されていました。
※3:トリレンジイソシアネート
MOCAは反応がゆっくり進むため、作業時間の確保ができ、硬さ、弾力性、耐摩耗性に優れた物質であることから、長年に渡って使用されてきました。
しかし、MOCAと膀胱がんとの関連性が明らかになり、製造工程や現場での施工段階で作業者が暴露する危険性があることから、厚生労働省により特化則に基づき、MOCAを取り扱う業者に対して、暴露防止処置の徹底が義務づけられました。
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新技術「MOCA無配合のウレタン材」
そこで当社は、製造・施工に携わる作業者の健康を守るため、総合化学メーカーの三井化学株式会社(東京都中央区 代表取締役社長:橋本 修)と安全な舗装材を共同開発し、2021年に環境対応型ウレタン材「レオタンS」の実用化を果たしました。
また、これらの物質を含有せずとも、従来品同等の耐久性、耐摩耗性、強度の確保が実現したことで、環境規制、安全基準、WA性能規格※4 等を満たす園路、トラック・ジョギング走路、グラウンド・コート等の導入を希望する自治体や企業等への提供が可能です。
※4:すべてのアスリートに対して快適で安全なトラックを提供するためにWA(世界陸連)が設ける衝撃吸収や垂直変位、滑り抵抗、引張特性などの性能規格
「レオタンS」を使用した舗装材詳しい製品情報
『レオタンαエンボスSF』:https://www.ntssports.co.jp/product/sf-special/
『レオタンJ 』: https://www.ntssports.co.jp/product/jwwu/
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技術の特長とメリット
・MOCA・TDIフリー:作業者の健康リスクを低減
・特化則非該当:施工現場で物質の注意事項を記載した掲示が不要
・全天候対応:雨天時でも排水性が良く、快適な歩行・走行を提供
・環境配慮:有害物質を抑え、公園や公共施設の環境負荷を低減
・高耐久性:長期間の使用に耐え、維持管理コストの削減にも貢献
その他日本体育施設のNETIS登録製品
グラウンドの暑熱環境を緩和する装置『フィールド冷却細霧システム』
従来型の散水方式とは異なり、ミストの気化熱によってグラウンドの温度を下げる装置です。プレイ中でも使用できる微細なミストを噴霧します。
詳しい製品情報:https://www.ntssports.co.jp/product/micronmist/
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今後の取り組み
本技術の普及を通じて、安全性と持続可能性を兼ね備えた新たな標準を確立し、全国の公園やスポーツ関連施設への導入を推進してまいります。施工事例やNETIS登録に関する情報は、公式Webサイトで公開中です。
https://www.ntssports.co.jp/product/sf-special/
会社情報
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会社名:日本体育施設株式会社
本社所在地:東京都中野区東中野3-20-10
代表取締役社長:越後 幸太郎
事業内容:スポーツ施設の建設、管理・運営
従業員数:142名(2024年9月末現在)
日本体育施設は1971年の創立以来、国内外のスポーツ施設の建設と管理・運営、製品やサービスの開発と提供に取り組んでまいりました。 「もう一歩先のフィールドへ 人と技術で未来を“健”設する」をビジョンに掲げ、心身ともに健康で豊かな社会の進歩発展に向けて、スポーツ・レクリエーション施設を通じて企業活動を進めています。これからも技術力をさらに進化させ、飽くなき挑戦を続けてまいります。
日本体育施設の歴史
1971年:日本体育施設株式会社を設立
1991年:第3回世界陸上の会場(旧・国立霞ヶ丘競技場)にトラック舗装材『レオタンαエンボス』が
採用される。
1994年:国内初、日本陸上競技連盟第2種公認の『ブルートラック』施工
1998年:サッカー・ナショナルトレーニングセンターJヴィレッジを施工
2001年:サッカー日韓W杯会場の宮城スタジアム、埼玉スタジアム、静岡エコパスタジアム、
日産スタジアムの4会場を施工
2003年:東京都品川区スポーツ施設を含む都市公園の包括管理業務を皮切りに公園の維持・
管理運営を行う公園管理事業を全国展開
2004年:人工芝グラウンドの暑さ対策『フィールド冷却細霧システム』を開発
2008年:世界初の投てき実施可能な人工芝スポーツターフΛ(ラムダ)完成
全仏オープンテニス舗装材『レッドクレイコート』を国内初の施工
2013年:室内テニスコート専用『スマートインドア』の販売・施工を開始
2015年:明治神宮テニスクラブ室内テニスコートに『スマートインドア』が採用
2016年:国内初、サッカーコートフルピッチにハイブリッド芝『エクストラグラス』を施工
2019年:ラグビーW杯会場レゾナックドーム大分(※当時:昭和電工ドーム大分)にハイブリッド 『エクストラグラス』が採用。国立競技場(トラック・フィールド工事)、宮城スタジアム、 福島県あづま運動公園野球場を施工
2020年:盛岡南公園野球場(仮称)整備事業でPFI事業へ参画(※現:きたぎんボールパーク)
2021年:5月、創立50周年。12月、環境対応型ウレタン舗装材を札幌市円山競技場で施工
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