【世界初※】弁護士事務所向けAIリーガルOS「AILEX」、AI判断証跡の国際標準仕様「LAP」をIETFに提出。司法AIのブラックボックス問題を解決する技術仕様を、インターネット標準化プロセスへ。

AI判断の証跡(プロベナンス)を暗号学的に検証可能にするフレームワーク「VAP」と、司法AI向けプロファイル「LAP(Legal AI Profile)」の技術仕様をIETFに提出。(VAP/LAP)

AILEX

AILEX合同会社(本店:東京都渋谷区 / 顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら)は、AI判断の証跡(プロベナンス)を暗号学的に検証可能にするフレームワーク「VAP(Verifiable AI Provenance Framework)」と、その司法AI向けプロファイル「LAP(Legal AI Profile)」の技術仕様を、IETF(Internet Engineering Task Force)にInternet-Draft「draft-ailex-vap-legal-ai-provenance-00」として提出しました。

IETFは、TCP/IPやHTTPSなどインターネット基盤技術を策定してきた国際標準化団体です。

高リスクAIの判断証跡に関する技術仕様が、日本発でIETF標準化プロセスに投入されるのは、司法AIドメインにおいて初めての事例(※)となります。

AILEX(エーアイレックス)の「便利な司法AI」ではなく「検証可能な司法AI」を目指す一環としての活動となります。

現在、AIの法律分野への活用が世界的に加速する一方で、「AIがどのような根拠で回答を生成したのか」「弁護士がどの段階で精査・修正を行ったのか」を、技術的に証明する仕組みは確立されていません。

AILEXは、この課題に対して「検証可能なAI判断証跡」という技術的アプローチで取り組んでいます。

AILEXは、日本発のリーガルテックとして、弁護士の業務品質と依頼者の利益を守るための技術基盤の構築に引き続き取り組んでまいります。

- 技術部門:畑中 俊二郎(AILEX合同会社)

※ IETFにおいて、司法AIドメインの判断証跡に特化した検証可能プロベナンスプロファイルとして。AILEX調べ、2026年2月時点。当プレスリリースに独立5機関調査結果を添付。


■ 背景:なぜAIの「検証可能性」が必要なのか

AIが金融、医療、司法といった高リスク領域で活用される中、「AIが何を根拠に、いつ、誰の指示で判断したのか」を事後的に検証できないという構造的課題が深刻化しています。

現状のAIガバナンスは「信頼ベース」で運営されており、AIプロバイダーが安全性を主張しても、第三者がその主張を暗号学的に検証する手段がありません。

2026年1月のGrok事件(xAI社のAIが安全装置の無効化により不適切な回答を生成した事案)は、この限界を如実に示しました。

EU AI Act(欧州AI規則)は高リスクAIに

  • 自動ログ記録(Article 12)

  • 人間による監視記録(Article 14)

  • 技術文書整備(Article 11)

を義務付けており、2026年8月2日から適用が開始されます。

しかし、これらをどのプロトコルで実装すべきかを定めた国際標準は未だ存在しません。

VAP/LAPは、この空白を埋めるために設計されました。


■ 仕様の全体構成

Internet-Draft

今回のInternet-Draftは、Part I:VAP Framework(分野横断フレームワーク、§1〜§12)とPart II:LAP(司法AI向けプロファイル、§13〜§19)の2部構成・全22セクションです。

Part Iでは

  • 6層アーキテクチャ

  • 暗号基盤

  • 共通イベント構造

  • 適合性レベル

  • 外部アンカリング

  • 完全性不変条件

  • エビデンスパック仕様

  • プライバシー保護検証

  • データ保持フレームワーク

  • 第三者検証プロトコル

を定義。

Part IIでは

  • LAPイベント種別

  • 3パイプライン完全性不変条件

  • Override Coverage(精査率)メトリクス

  • プライバシー保護フィールド

  • 規制適合性マッピング

を定義します。

加えて、セキュリティ考慮事項・IANA考慮事項・参照文献を含みます。


■ VAP Framework:暗号学的に検証可能なAI証跡基盤

VAP Frameworkは、高リスクAI全般に適用可能な分野横断フレームワークです。

設計原則は「Verify, Don't Trust(信頼するな、検証せよ)」。

  • 整合性層(ハッシュチェーン・電子署名・タイムスタンプ)

  • プロベナンス層(アクター・入力・コンテキスト・結果の記録)

  • アカウンタビリティ層(運用者ID・承認チェーン)

  • トレーサビリティ層(トレースID・因果リンク)

  • 共通基盤(適合性レベル・外部アンカリング等)

  • ドメインプロファイル層

の6層で構成されています。

暗号基盤は

  • SHA-256ハッシュチェーン

  • Ed25519電子署名(RFC 8032)

  • AES-256-GCM暗号化

で構成され、

  • ポスト量子暗号への移行に備えたアルゴリズム識別子の必須化

  • RFC 8785に基づくJSON正規化

  • UUIDv7(RFC 9562)による時系列順ソート保証

を含みます。

ハッシュチェーンにより、1つでもイベントが改ざん・削除されればチェーン全体の検証が失敗します。

適合性レベルは3段階です。

  1. Bronze

    1. 基本ログ

    2. ハッシュチェーン

    3. 電子署名

    4. 6ヶ月保持

  2. Silver

    1. 日次外部アンカリング

    2. 完全性不変条件

    3. エビデンスパック

    4. 2年保持

  3. Gold

    1. HSM(FIPS 140-2/3)

    2. 毎時アンカリング

    3. リアルタイム監査API

    4. 地理冗長性

    5. 年次第三者監査

    6. 5年保持

各レベルは下位の全要件を継承します(Gold ⊃ Silver ⊃ Bronze)。

完全性不変条件(Completeness Invariant)はVAP/LAPの中核です。

「各パイプラインについて、ATTEMPTの件数 = SUCCESSの件数 + DENYの件数 + ERRORの件数」が常に成立することを数学的に保証し、「都合の悪いログだけ消す」選択的ログを技術的に不可能にします。

外部アンカリングは、RFC 3161タイムスタンプ局を規範的ベースラインとし、イベントをバイナリMerkleハッシュツリーにバッチ処理します。

Merkle包含証明により、他のイベントを開示せずに特定イベントの存在を第三者が独立検証できます。

エビデンスパックは、このアンカリング済み証跡を規制当局や監査人への提出に適した自己完結型パッケージとして標準化したものです。


■ LAP:司法AI固有の課題を解決するドメインプロファイル

LAP(Legal AI Profile)は、非弁行為リスクの証明、ハルシネーション対策の証跡、選択的ログの排除、守秘義務との両立、責任の曖昧性の解消という司法AI固有の5つの課題を解決します。

LAPは法律AIの3つの主要機能を独立パイプラインとして定義します。

  • パイプライン1「法律相談」ではLEGAL_QUERY_ATTEMPTからRESPONSE・DENY・ERRORへ分岐

  • パイプライン2「文書生成」ではLEGAL_DOC_ATTEMPTから同様に分岐

  • パイプライン3「ファクトチェック」ではLEGAL_FACTCHECK_ATTEMPTから分岐し、それぞれに完全性不変条件が適用されます。

HUMAN_OVERRIDE(弁護士精査)イベントは、弁護士がAI出力を精査した事実を暗号学的に記録します。

  • APPROVE(承認)

  • MODIFY(修正)

  • REJECT(棄却)

の3種の精査を、弁護士登録番号のハッシュ値と対象イベントへの因果リンクとともに記録します。

Override Coverageメトリクスにより精査率を計測し、100%を理想、70〜99%を良好、30〜69%を警告、30%未満を危機的と評価します。

プライバシー保護として、ユーザーの質問文、AI回答文、生成文書、事件番号、弁護士登録番号、当事者氏名、修正内容、ファクトチェック対象の8種類をハッシュ値として記録し、弁護士・依頼者間の秘匿特権を保護しながら証跡の検証を可能にしています。

LAPはまた、訴訟の長期にわたる出訴期限を踏まえ、データ保持期間をSilverで3年(VAP標準2年)、Goldで10年(VAP標準5年)に拡張しています。

規制適合性については、日本の弁護士法(第72条・第23条)および法務省ガイドライン(2023年8月)、EU AI Act Article 12との対応関係を参考情報(informative / non-normative)として整理しています。


■ IETF提出の戦略的意義と今後の展開

今回の提出には3つの目的があります。

第1に、特定ベンダーに依存しないオープン仕様としての国際標準確立。

第2に、IETFで活動中のSCITT(Supply Chain Integrity, Transparency, and Trust)WGとの連携——AILEXはすでに関連ドラフト(金融取引監査証跡、AI拒否イベント検証)を提出済みです。

第3に、AILEX SaaS(https://users.ailex.co.jp)によるリファレンス実装の存在です。

2026年Q2にIETF会合での発表、EU AI Act高リスク義務適用(8月)に合わせたリビジョン提出を経て、ワーキンググループ採択と独立実装の獲得を目指します。

なお、AILEXのリーガルAI SaaSは弁護士の業務を支援するツールであり、弁護士法第72条に定める「法律事務」を行うものではありません。すべてのAI出力は弁護士自身が精査・修正した上で利用されることを前提としています。


■ 世界初のリーガルテックAI特化のIETF Internet-Draft

5つの独立した調査機関がIETF Datatracker(AI関連ドラフト99件を含む)、ISO/IEC・IEEE・OASIS・W3C・ETSI等の主要国際標準化9団体、及び学術論文データベースを網羅的に調査した結果、リーガルテック/司法AI分野に特化したIETF Internet-Draftの先行事例は確認されませんでした(2026年2月14日時点)。

これにより、本ドラフトはリーガルテックAI分野に特化した技術仕様として、調査範囲内で初めてIETFに提出された事例となります。

5つの独立した調査機関による網羅的な調査の結果、以下が確認されました。

  • IETF Datatracker上の99件のAI関連ドラフトのうち、リーガルテック/司法AIに特化したものはdraft-ailex-vap-legal-ai-provenance-00のみであった(調査機関C)

  • 「Legal AI」をタイトルに含むIETF Internet-Draftは本件のみであった(調査機関C)

  • IETF WG(SCITT、RATS、AIPREF等)およびIRTF全39研究グループにおいて、リーガルテック特化の活動は確認されなかった(5機関共通)

  • IETF以外の主要標準化団体9団体において、リーガルテックAI向けのAI証跡・プロベナンス技術標準は確認されなかった(5機関共通)

  • 学術論文において、IETFにリーガルテック仕様を提出した先行事例への直接的言及は確認されなかった(5機関共通)

  • 金融(VCP)、汎用(RSP、TIBET)等の先行AI証跡ドラフトは存在するが、いずれも法律AI特化のドメインプロファイルを定義していない(調査機関D差別化分析)

「リーガルテックAI特化のIETF Internet-Draft」としての「初」:5機関平均 90.6%

  • 機関A:85%

  • 機関B:98%

  • 機関C:90

  • 機関D:95%

  • 機関E:85%

平均:90.6%

確信度を高める要因

  • 5機関の結論一致 — 主要カテゴリにおいて5機関すべてが「先行事例なし」で一致

  • 調査手法の多様性 — API検索、Web検索、RFC本文精査、標準化団体調査、学術論文DB検索、歴史的遡及調査

  • 網羅的検索範囲 — 99件のAI関連ドラフト全数確認(機関C)、50件超の引用文献に基づく分析(機関D)

  • IETF外の横断調査 — ISO/IEC、IEEE、OASIS、W3C、ETSI、CEN-CENELEC、NIST、ITU-T、UNESCOの9団体を網羅

  • 歴史的遡及 — 1970年代ARPANET以降のIETFにおける法律関連活動まで遡及調査(機関D)

  • 技術的差別化の明確性 — 金融(VCP)、汎用(RSP、TIBET)との具体的差別化が確認された

確信度を下げる要因

  • Datatracker全文検索の限界 — タイトル・名前検索が中心(指摘:A, C, D, E)

  • 非公開・準備段階ドラフトは検索不可(指摘:A, C, D)

  • ISO/IEC SC 42の未公開AWI(Approved Work Item)の不確実性(指摘:C)

  • IEEE SA Law Committee内部成果物の詳細未確認(指摘:A)

  • 各国国内標準化団体(JIS、GB/T、KS等)未調査(指摘:B, C)

  • 業界団体・コンソーシアム(ILTA、C2PA等)の網羅的調査不足(指摘:A, C)

  • I-Dの提出容易性による類似ドラフト出現可能性(指摘:C)

  • 「特化」の定義の曖昧性・解釈依存性(指摘:C, E)

  • 過去のExpert Systems等古い用語による検索漏れ可能性(指摘:D)

  • 中国のアルゴリズム登録制度等クローズドな産業規制(指摘:D)

※IETF Internet-Draftは標準化草案であり、IETFによる承認・推奨を意味するものではありません。 ※2026年2月14日時点、5つの独立した調査機関による調査に基づきます。 ※詳細な調査報告書は当社ウェブサイトにて公開しています。

公開URL: https://datatracker.ietf.org/doc/draft-ailex-vap-legal-ai-provenance/

※当プレスリリースに報告書PDFを添付。


■ AILEXのビジョン:「便利なAI」から「検証可能なAI」へ

AILEX

リーガルテック市場では、「AIで書面を自動生成する」「AIで契約書をレビューする」といった「便利なAI」の競争が激化しています。

しかし、AIの便利さには構造的な落とし穴があります。

AIが生成した文書が誤った判例を引用していた場合、それを誰が、いつ、どのように検証したのか。

AIに送信された依頼者の秘密情報が、どこに、どのような形で処理されたのか。便利さを追求するだけでは、これらの問いに答えることができません。

AILEXは創業以来、「検証可能性」をプロダクトの中核に据えてきました。

外部AIへの送信前に依頼者情報を自動マスキングするPIIMasker、AI回答を別のAIで独立検証するファクトチェック機能、そしてすべてのAI操作を記録する監査ログ。これらは「AIが便利に動く」ためではなく、「AIがどう動いたかを証明できる」ために設計されたものです。

今回IETFに提出したVAP/LAPは、このビジョンをプロトコルレベルで標準化する試みです。AIの判断証跡をハッシュチェーンで連鎖させ、完全性不変条件で選択的ログを排除し、外部アンカリングで第三者検証を可能にする。AILEXが自社プロダクトで実践してきた「検証可能なAI」の設計思想を、特定のベンダーに依存しないオープンな国際標準として提案するものです。

弁護士は依頼者の権利と自由を守る職業です。その弁護士が使うAIは、「便利だが中身がわからない」ものであってはなりません。AILEXは、AIの「便利さ」ではなくAIの「証明可能性」を提供する——「検証可能なAIリーガルOS」というビジョンのもと、プロダクト開発と国際標準化の両面からこの課題に取り組んでまいります。


■ 標準化が実現した先に描く未来

本ドラフトがIETFの標準化プロセスを経てRFCとして採択された場合、司法AIの信頼性に関する国際的な技術基盤が初めて確立されることになります。

これは単なる技術文書の承認にとどまらず、「AIが法律業務に関与する際、その判断過程を誰もが検証できる」という原則が、国境を越えた共通言語として定着することを意味します。

現在、各国の司法制度はそれぞれ独自にAI活用のルールを模索しています。

EU AI規則は司法AIを高リスクに分類し、日本では2026年5月の民事裁判IT化により電子的な証拠・書面の取り扱いが本格化します。

しかし、「AIの出力が信頼に足るか」を技術的に証明する共通プロトコルは、いまだ存在しません。VAPフレームワークとLAP(Legal AI Profile)の標準化は、この空白を埋めるものです。

具体的には、次のような未来が現実のものとなります。

  1. まず、弁護士がAIを活用して作成した法的文書について、「いつ、どのAIモデルが、どのような入力に基づいて生成し、弁護士がどの箇所をどう精査・修正したか」が暗号学的に検証可能な証跡として残ります。これにより、裁判所や相手方代理人、依頼者が、AI関与の透明性を客観的に確認できるようになります。AIの利用そのものではなく、AIの利用プロセスの品質が評価される時代への転換です。

  2. 次に、国際的な法務連携において共通の信頼基盤が生まれます。クロスボーダー取引や国際仲裁の場面で、異なる法域の弁護士が同一のプロトコルに基づいてAI判断証跡を交換・検証できるようになれば、AI活用に対する制度間の摩擦が大幅に軽減されます。

  3. さらに、標準準拠の証跡基盤は、弁護士の専門的判断の価値をむしろ高めます。AIが下書きを生成する時代において、弁護士の真の付加価値は「何を採用し、何を修正し、何を棄却したか」という精査プロセスにあります。LAPはその精査を暗号学的に記録・証明することで、弁護士の知的作業を可視化し、正当に評価される仕組みを提供します。

AILEXは、この標準化活動を日本から推進できることに大きな意義を感じています。

日本の弁護士制度が守ってきた守秘義務の厳格さ、依頼者保護の伝統は、AI時代の司法における信頼設計の礎となるものです。

技術標準という形でその思想を世界に発信し、「便利だから使う」ではなく「検証できるから信頼する」司法AIの実現に貢献してまいります。

※ 本セクションは、標準化プロセスが完了した場合の将来構想を記述したものであり、現時点でIETFによる承認がなされたことを示すものではありません。


■ 参考情報

Internet-Draft: draft-ailex-vap-legal-ai-provenance-00

https://datatracker.ietf.org/doc/draft-ailex-vap-legal-ai-provenance


■ AILEX合同会社について

会社名:AILEX合同会社

所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル

顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら

事業内容:弁護士事務所向けAI法務支援SaaS「AILEX」の開発・運営

公式サイト:https://ailex.co.jp

SaaSアプリ:https://users.ailex.co.jp

メール:info@ailex.co.jp

公式LINE:https://lin.ee/P9JAWZp

■ 本件に関するお問い合わせ先

AILEX合同会社

広報担当 メール:info@ailex.co.jp

公式サイト:https://ailex.co.jp

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会社概要

AILEX株式会社

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URL
https://ailex.co.jp
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル
電話番号
-
代表者名
山川 慎太郎
上場
未上場
資本金
995万円
設立
2026年02月