【半期振返り速報】中古マンション流通数はコロナ陽性者数と比例せず!東京都23区実需マンションは回復傾向に
~中古マンション流通レポート 2021年10月vol1~
コロナ禍になって以降、中古マンションの流通数は全国的に大幅に減少しました。一方で、価格は高騰基調が継続していますが、これは供給数が減少したことによる需給バランスの崩れが大きな要因の1つだと見られています。流通数の減少は、新型コロナウイルス感染症の蔓延が大きく影響しているものと考えられます。マンションナビを運営するマンションリサーチは、コロナ前の2019年の流通量を正常な流通量と仮定し『対2020年及び対2021年の流通量増減比』とコロナ陽性者数を比較して検証しました。本記事詳細は以下URLよりご覧ください。https://t23m-navi.jp/magazine/editorial/news/distribution-amount/
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総括
【総論】
・陽性者数に比例する形で流通数が増減しているわけではない
・コロナ各波による不安感や物理的な売り出しにくさが流通量を減少させている
【エリア考察】
・東京都23区では、コロナ初期の波ほど流通量の減少幅が大きく、次第に各波による影響は小さくなっている
・大阪市では、各波による影響は限定的でした。
・両エリアともに、実需中古マンションと投資用中古マンションの流通数の推移は異なる動きを見せています。
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詳細
~【東京都23区】中古マンション売出数の増減率と東京都コロナ陽性者数~
マンションリサーチ㈱調べ
参考:東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト( https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/ )
上記の表は、東京都23区における2019年各月の実需(居住用マンション)・投資用中古マンションの流通量を基準とした、2020年(オレンジ線)・2021年(灰色線)の流通量の増減率および東京都新型コロナウイルス感染症陽性者数(青線)の推移を表しています。
2020年4月~5月のコロナ第一波では、実需・投資用ともに流通量の減少率が非常に大きかったことが見て取れます。それ以降の波でも予兆期またはピーク期に流通数増減率の減少傾向は見られるものの、減少幅は徐々に緩やかになっています。
■実需中古マンションの流通数は回復傾向に
実需中古マンションの流通数は、2021年9月時点で2019年比「-11%」。いまだコロナ前に戻ったとはいえません。
しかし、第四波以降の増減率の減少幅がそれまでと比較して非常に緩やかになってきており、全体的には回復傾向が見られます。
※東京都23区投資用中古マンションの考察は以下URLよりご覧ください。
https://t23m-navi.jp/magazine/editorial/news/distribution-amount/
~【大阪市】中古マンション売出数の増減率と大阪府コロナ陽性者数~
マンションリサーチ㈱調べ
参考:大阪府新型コロナウイルス感染症対策サイト( https://covid19-osaka.info/ )
一方で、上記は、大阪市の 2019年各月の実需(居住用マンション)・投資用中古マンションの流通量を基準とした、2020年(オレンジ線)・2021年(灰色線)の流通量増減率および大阪府新型コロナウイルス感染症陽性者数(青線)の推移を表しています。
大阪府は、東京都23区と比較して、コロナ禍での中古マンション流通数の減少率は小さい傾向にあります。ただし、コロナ各波の予兆時期あるいはピークに中古マンションの流通数の増減率が減少し、その後、次の波の予兆期まで増加している様子は東京23区と同様です。
とはいえ、陽性者数に比例して流通数が減少しているわけではなく、各波の不安感が一定の売り出し数減少に作用してきたものと考えられます。この点についても、東京都23区同様です。
■実需中古マンションの流通数は増減率の変動が小さい
実需中古マンションの流通数は、コロナ禍においても比較的、変動は大きくありません。
しかし、コロナ前の2021年下期になってからも、流通数は2019年比「-10%前後」。いまだコロナ前の水準には戻っていません。
※大阪市投資用中古マンションの考察は以下URLよりご覧ください。
https://t23m-navi.jp/magazine/editorial/news/distribution-amount/
~【総括】中古マンション流通数はコロナ陽性者数に「比例」しているわけではない~
新型コロナウイルス蔓延によって中古マンションの流通数は落ち込んでいるものと見られますが、陽性者数に比例する形で流通数が増減しているわけではありません。陽性者の「数」ではなく、コロナ各波による不安感や物理的な売り出しにくさが流通量を減少させているものと推察されます。第六波も懸念される昨今ですが、今後も陽性者数の増加によって流通数が変動するとしても、これまでの推移を踏まえると、その影響は局所的となるかもしれません。
とくに実需中古マンションの流通数は、地域性が反映されるもの。東京都23区では、コロナ初期の波ほど流通量の減少幅が大きく、次第に各波による影響は小さくなってきています。その一方で、大阪市では、各波による影響は限定的でした。また、両エリアともに、実需中古マンションと投資用中古マンションの流通数の推移は異なる動きを見せています。
【マンションリサーチ株式会社サービスURL】
■不動産売却一括査定サービス『マンションナビ』
https://t23m-navi.jp/
■不動産データクラウド
https://fudosan-data.jp/
■分譲マンションデータ販売
https://mansionresearch.co.jp/s/data_sale
【マンションリサーチ株式会社について】
マンションリサーチ株式会社では、 不動産売却一括査定サイトを運営しており、 2011年創業以来「日本全国の中古マンションをほぼ網羅した14万棟のマンションデータ」「9000万件以上の不動産売出事例データ」及び「不動産売却を志向するユーザー属性の分析データ」の収集してまいりました。 当社ではこれらのデータを基に集客支援・業務効率化支援及び不動産関連データ販売等を行っております。
会社名 : マンションリサーチ株式会社
所在地 : 東京都千代田区九段北1丁目2番11号 エイム東京九段ビル3階
設立年月日: 2011年4月
資本金 : 1億円
Web : https://mansionresearch.co.jp/
筆者プロフィール
福嶋 真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社
データ事業開発室
不動産データ分析責任者
FUKUSHIMA RESEARCH INSTITUTE
代表研究員
早稲田大学理工学部経営システム工学科卒。大手不動産会社にてマーケティング調査を担当後、
建築設計事務所にて法務・労務を担当。現在はマンションリサーチ株式会社にて不動産市場調査・評価指標の研究・開発等を行う一方で、顧客企業の不動産事業における意思決定等のサポートを行う。
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