デミ コスメティクスと名古屋大学大学院が、皮膚の水分保持やバリア機能に関与するタイトジャンクションの緩和および強化作用の機能性を確認
タイトジャンクション機能を活用したスカルプケア製品の開発に期待
■本研究のポイント
・皮膚最表面である表皮を構成する顆粒層に存在し、隣接細胞の間隙を埋める細胞接着装置であるTJの開閉制御に着目
・TJの緩和作用を示すオウゴンエキスとTJの強化作用を示すグレープフルーツエキスの機能性を確認
■ 研究の背景
日華化学では日本人の地肌と毛髪を40年以上にわたって研究し続け、あらゆる年齢の人に10代のような美しい髪を蘇らせるために基礎研究ビジョン「すべての人に10代の髪を生やす」を掲げ研究活動に取り組んでおります。美しい地肌、髪をもたらす薬剤の機能性効果を高めることを目的として、医薬品吸収促進剤を含むTJ制御技術を研究する名古屋大学大学院創薬科学研究科 構造分子薬理学分野 廣明秀一研究室と4年間に渡り共同研究を実施しました。
■共同研究概要
共同研究では、薬剤中の機能性成分の皮膚、毛包への浸透性を向上させる化合物、皮膚中の水分や有用成分の保持力を高める化合物の探索を行いました。タンパク質‐化合物間相互作用の類似性検索にてTJを制御するフラボノイドの探索を行い、候補成分を絞り込み、細胞を用いた機能性確認試験にて、バイカリンおよびバイカレインによるTJの緩和作用、ナリンギンおよびナリンゲニンによるTJの強化作用を確認しました。また、ヒト三次元培養表皮モデル(※2)を用いた試験では、バイカリンを含有するオウゴンエキスによるTJの緩和作用、ナリンギンを含有するグレープフルーツエキスによるTJの強化作用を確認しました(図1)。これらの検討により、ヒト頭皮におけるTJの緩和および強化作用を示す成分の機能性を応用することで、地肌や髪への薬剤の機能性効果を高めること、皮膚中の水分や有用成分の保持力を高めることが期待されます。本研究成果は、日本顕微鏡学会第79回学術講演会(2023年6月26~28日開催)にてポスター発表いたしました。また、TJ緩和および強化成分を用いた頭皮用化粧料に関して、特許(特許第7285504号 頭皮状態改善剤及びそれを含有する化粧料)を取得しました。
■ 今後の展開
日華化学では、本研究にて確認された成果を活かして、これらのTJ緩和および強化作用を有する成分を配合し、育毛や地肌の保湿、バリア機能強化などの機能性効果をより高めた多くの髪の悩みを抱える人々に向けたスカルプケア商品の開発を目指します。
図1:細胞を接着しているTJの機能性成分添加による緩和と強化の働き
※1 タイトジャンクションとは、皮膚最表面である表皮を構成する顆粒層に存在し、隣接細胞の間隙を埋める細胞接着装置である。タイトジャンクションが細胞同士を強く接着させることで、皮膚のバリア機能を高め外部からの刺激物の侵入を防いだり、内部からの水分や保湿成分の蒸散を防いだりすることができる。
※2 ヒト三次元培養表皮モデルとは、ヒト由来の表皮細胞を積層培養したヒトの皮膚に近い人工の表皮モデル。ヒト由来の細胞を用いているため、ヒト皮膚への薬剤添加による刺激性評価や細胞状態の確認試験に用いられる。
■日華化学株式会社 デミ コスメティクス「毛髪科学研究所」について
毛髪科学研究所は、1984年に設立されてから約40年にわたり毛髪・頭皮の研究に取り組んでいます。日本人の毛髪・頭皮を科学的に分析・研究すると共に、薬剤や成分についても研究し、画期的な商品開発に繋げています。
これまでに、ヘアケア剤、スタイリング剤、スカルプケア剤、ヘアカラー剤、パーマ剤などデミ コスメティクス独自の処方を数多く生み出してきました。 また、研究所内だけではなく各研究機関と共同研究、商品開発を実施したり、髪のスぺシャリストでもある美容師とも深く連携したりと、より良い商品をつくるため、深い探求を続けています。
https://www.demi.nicca.co.jp/hair_labo/
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デミ コスメティクス お客様相談室
TEL 0120-68-7968(平日9:00-17:00)
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