2023年度上半期の活動報告と今後の主な予定について
~浄土真宗本願寺派 築地本願寺からのお知らせ~
宗務長(しゅうむちょう) 中尾史峰(なかお しほう)よりご挨拶
今年5月に新型コロナウイルス感染症の位置づけが、結核などの「2類相当」から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられて以降、築地本願寺へ参拝に来てくださる方は日に日に増えています。年明けからその傾向はみられましたが、今は特に外国人観光客の増加が著しく、築地場外市場なども大賑わいで、街全体がかなり活気づいております。そのこと自体はとても嬉しいことでありますが、新型コロナウィルス自体が消滅したわけではありません。築地本願寺でも職員のマスクでの応対は限定的にしております。今後もピリピリとはしすぎず、しかし、個人個人での気遣いや引き締めは行うという気持ちで過ごしていきたいと思っています。
そんな中、築地本願寺の盆踊りも4年ぶりに人数制限を行わずに開催することができました。4日間で約14万人
ました。「ようやくここに参加できた」という喜びにも満ちていて、そんな雰囲気に誘われ、つい私も盆踊りに加わり踊ってしまいました。また、たくさんのお子さんたちが境内の出店に喜んで参加しているのを見て、「お寺と人とのご縁」の場であることも実感いたしました。
さて、今年は関東大震災100年目という大きな節目に当たります。死者・行方不明者が10万人を超えた大災害が起きた時、築地本願寺が真っ先に被災者の救援に乗り出したことは非常に重要で、浄土真宗本願寺派全体としても大切な事例となっています。
築地本願寺には当時の被災状況を撮影した動画フィルムの「関東大震災記録映像」が保存されていて、今も記録映像としてテレビ番組などへ貸出しをしています。その動画には築地周辺の様子が360度撮影されていて、ほとんどの建物が倒壊・焼失していることが分かります。また、築地本願寺(当時は本願寺築地別院)の本堂も火災によって焼失しました。しかし、京都の本山・西本願寺や全国の教務所の支援によって、焼失した境内には臨時救済事務所を設置。そのほかに日比谷公園音楽堂前や神田明治会館焼け跡などに救護所を設置しました。当時、子ども達の避難所として設置した場所のいくつかは浄土真宗本願寺派の幼稚園や保育園の基となり、今年100周年を迎えています。
現在、築地本願寺には災害に備え、多数の方々に対応できるよう支援物資を備蓄しています。今後は職員だけでなく、地域の方々とも連携しながらより一層の防災意識の啓発に取り組みたいと考えています。日本だけでなく世界も含め、豪雨や山火事など災害が増える中、皆様も「また起きたか」では済まさずに、常に自分事として意識して頂きたいと願っております。
最後に、2024年4月に親鸞聖人ご誕生850年・立教開宗800年を慶び讃える“慶讃法要“を築地本願寺にて厳修(お勤め)します。50年に一度しか出会えないこの機会に巡り合えたこと自体が「有り難い」ことであり、ご参拝される誰もがその気持ちを感じてもらえるような法要やイベント行事の計画を進めています。私自身も楽しみにしておりますし、お一人でも多くの方にご参加いただければ嬉しく思います。
築地本願寺 宗務長 中尾 史峰
①4年ぶりに制限のない盆踊り大会を開催・4日間で140,000人が来場
8月2日から5日までの4日間、「第76回築地本願寺納涼盆踊り大会」を開催しました。今回で76回目の開催となった築地本願寺納涼盆踊り大会は、築地場外市場の名店が出店することから「日本一おいしい盆踊り」と呼ばれるほどです。ライトアップされたインド様式の本堂の前で、太鼓に合わせ踊る盆踊りは独特の雰囲気があり、周辺地域のみならず多くの方に夏の風物詩として親しまれてきました。
しかし、新型コロナウイルス感染症拡大により2020年・21年は中止、昨年は感染拡大対策として入場制限を設けた開催でした。何の制限もない通常開催は2019年以来4年ぶりとなり、この日を待ちわびた多くの来場者で連日境内は賑わいました。
2019年の統計では4日間で延べ80,000人の来場者との記録でしたが、本年はそれを大幅に超える延べ140,000人の来場者を記録し、改めて築地本願寺の盆踊り大会を多くの方に期待いただいていたこと、そして東京の夏の風物詩として浸透し親しまれていることを再認識する結果となりました。
築地本願寺では今後も盆踊りの他にも制限なく自由に参加できる行事・イベントを企画しております。皆さまのご参加・ご参拝を心よりお待ちしております。
②関東大震災発生から100年。本堂にて追悼法要やパネル展を実施
今年2023年は、1923(大正12)年に発生した関東大震災から100年になります。築地本願寺では震災のあった9月1日の前日の8月31日に中尾宗務長が導師のもと、築地本願寺の僧侶で追悼法要をお勤めいたしました。
関東大震災に伴う火災によって、築地本願寺(当時は築地別院)の木造の本堂は焼失しました。その後に建てられたのが古代インド・アジア様式で、鉄筋コンクリート造りの現在の本堂です。今でこそ当たり前の鉄筋コンクリート造りの建物も、当時の日本のお寺では非常に珍しい物でした。震災による火災で本堂を失った教訓を活かし、地震や火事に強い新たな本堂が建てられたのです。
また築地本願寺所蔵の『本願寺救護部記録』や映像資料『関東大震災記録映像』には震災当時の記録が鮮明に残っています。そこには築地本願寺が浄土真宗本願寺派による復興支援の中心として活動する姿が記録されています。なお、関東大震災の記録を映像として残しているこの資料は貴重なもので、テレビの特集番組やドラマなどでの利用希望も多く頂いています。
現在、築地本願寺ではいつ起こるか分からない災害に備え、避難所として機能できるよう災害備蓄品を常備し、自治体との連携を深め緊急時に協力できる体制を整えています。
③「築地本願寺親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要」関連事業・行事が推進中
親鸞聖人御誕生850年立教開宗800年慶讃法要について
本年2023年は浄土真宗の宗祖親鸞聖人がご誕生されて850年、翌2024年は親鸞聖人が浄土真宗を開かれた「立教開宗」から800年という節目の年となります。
築地本願寺の本山である京都・西本願寺では2023年3月29日から親鸞聖人のお誕生日である5月21日まで、5期30日に渡り「親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要」をお勤めしました。
また築地本願寺でも2024年4月に法要を修行予定となっており、法要に向けた記念行事や事業が着々と推進しています。
是非この50年に一度の慶ばしいご縁に様々な形で触れていただければ幸いです。
法要期日:2024(令和6)年4月26日(金)~29日(月)
【5月21日】高札立札式(こうさつりっさつしき)
この度の築地本願寺親鸞聖人御誕生850年・立教開宗800年慶讃法要を、約1年かけて多くの皆さまに広くお知らせするため、本年5月21日の築地本願寺宗祖降誕会に引き続き、高札立札式を執り行いました。
この高札は遡ること24年前の1999(平成11)年に行われた「本願寺築地別院蓮如上人500回遠忌法要・修復完成慶讃法要」の際に使用された高札を削って再利用しており、その様子をダイジェストでまとめたメイキング映像を築地本願寺YouTubeチャンネルで公開しています。
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=I0o1TBKUL8g
また高札は法要修行まで常時境内に設置されておりますので、築地へお越しに際には是非ご覧ください。
※高札とは…往来などにお知らせを掲示する木の札。江戸時代に積極的に用いた。
記念行事・関連行事のご案内
・ご事績研修会 ~親鸞聖人の み跡を訪ねて~
築地本願寺があるここ関東は宗祖親鸞聖人が浄土真宗を開かれた「立教開宗」の地であり、そのみ跡が残る「ご旧跡」と呼ばれる場所が関東近県内に多数あります。
そこでこの度の築地本願寺での法要の記念行事として、関東各地に残る親鸞聖人のみ跡を訪ねる日帰りバスツアー型の研修会を開催しています。
研修会は筑波大学名誉教授の今井雅晴先生をはじめ、関東における真宗史を専門とする講師陣の解説付きで巡ることが出来ます。
本研修会はわずかですがまだお申込み可能な日程もありますので、この機会に是非ご参加ください。
詳細は築地本願寺公式HPまで:https://tsukijihongwanji.jp/news/7952/
・9月30日開催:音楽イベントTOKYO CHEMISTRY(トウキョー ケミストリー)
この度の慶讃法要を機縁として、新たなご縁を創造するべく特別後援イベントとして、9月30日に境内にて野外音楽イベントTOKYO CHEMISTRYを開催します。(主催: TOKYO CHEMISTRY実行委員会・制作/運営:エイベックス・ライヴ・クリエイティヴ株式会社)
このイベントは地方創生、文化の発展に資することも目的としており、アート界にて話題を集める新進気鋭のクリエイター、また音楽シーンの最前線で活躍する珠玉のアーティストが出演します。是非ご注目ください。
TOKYO CHEMISTRY公式ホームページ:https://tokyo-chemistry.jp/
築地本願寺公式HP(情報掲載ページ):https://tsukijihongwanji.jp/news/7912/
2023年度下半期(10月~2024年3月)の主な予定
浄土真宗本願寺派 築地本願寺について
築地本願寺は、京都の本願寺(西本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派の寺院です。現在の本堂は1934年に落成。オリエンタルな雰囲気をもつ外観と、浄土真宗寺院の伝統的な造りの内観、さらにパイプオルガンやシャンデリア、ステンドグラスもあるユニークな礼拝施設です。本堂や正門などは2014年に国の重要文化財に指定されました。
“開かれたお寺”のスローガンのもと、誰もが入りやすく、親しめる場所を目指して、境内にカフェ・ショップなどが入ったインフォメーションセンターもあります。
また公式SNSでの発信や、YouTubeチャンネルに法話をのせるなど、いつでもどこからでも築地本願寺や教えにふれて頂ける機会を多数設けていますので、ぜひ一度HPをご覧ください。
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