全国の在宅介護機器の安全性をIoTで確認 —『obniz』による「複数台の同時遠隔監視」 実証実験成功 —
バッテリー劣化状況確認のほか、エラー予測、再起動、見守りも可能に
また、2020年からは、バッテリーの未充電検出のほかに、対象機器の不具合を検知すると検査員にアラートメールを送信する機能の追加実験を行いました。 その結果、アラートメール機能によって、コロナ禍での検査員のご訪問を控えながら、電話のみで円滑にご対応できることも確認できました。
今回の実証実験の成果により、日本全国のティッセンクルップ・アクセスの階段昇降機を一元管理できるだけでなく、ご利用者様の「見守り」や「感染症予防策」にも役立つ可能性が開かれました。
厚労省の調べ※によると、ご自宅で介護または要支援者向けの介護予防サービスを受けた方は、2019年8月時点で約384万人となっています。在宅介護では住宅のバリアフリー化が推奨されていますが、経済的または構造的にリフォームできない住宅事情もあり、介護機器を採り入れて生活する方も少なくありません。また、ご家族の事情により単身で暮らす要介護対象の方もいらっしゃいます。日本の在宅介護人口の飛躍的増加が今後予想されるなか、IoT化によって遠隔からも介護のサポートを行うことが急務となっています。
ティッセンクルップの階段昇降機は、日本の住宅に多い「狭く急勾配な階段」であっても、1本のレールで常に椅子の水平を保って昇り降りができる点が高く評価されています。
そして、CambrianRoboticsが提供する『obniz』のテクノロジーは、デバイスごとの設定や保守・運用が不要なため、短期間かつ低コストでIoT化が実現できるうえ、複数台の対象機器をまとめてクラウドに繋ぎ、後からプログラム修正や変更を行うことも可能です。
ティッセンクルップの階段昇降機へ『obniz』のIoT技術を組み合わせることで、遠隔から機器そのものの安全性や利便性を確保できるだけでなく、運転時刻や頻度などの生活パターンを把握してご利用者様の「見守り」も行えます。さらに、既存の介護機器へも簡単に実装可能なため、それらの利便性をも高めることができます。
※厚生労働省「介護保険事業報告 令和元年10月月報」(令和元年8月サービス分)
実証実験での検証結果について
2019年3月に開始した実証実験の期間中は、4台の対象機器の運転状況、バッテリーの寿命などを同時に遠隔監視しました。バッテリーの使用状態の推移は電圧を示すグラフから確認でき、「通常時」や「バッテリー劣化時」、さらに「未充電状態」まで把握できました。
◆一日の使用状況(実際のグラフより):階段昇降機使用中はバッテリー電圧が急速に下がり、停止後すぐに回復する
◆バッテリー能力が下がっている状況(実際のグラフより):バッテリー電圧の最低値が徐々に低下している
◆階段昇降機の未充電状態(実際のグラフより):運転時にバッテリー電圧が下がる状態が、数十分にも亘って続いている
同時に、この推移をデータとして蓄積していき、それらのアルゴリズムを解析することで、バッテリーの寿命予測まで行える見通しが立ちました。これは、『obniz』の技術で、複数台の対象機器の保守・運用からデータ確認、解析までクラウド上でリアルタイムに行えることによる成果です。
「見守り」だけでなく「感染症予防策」まで
2020年からは、バッテリーの電圧に通常と異なる状態が生じた場合にアラートを示すメールを自動的に検査員に送信する機能について、追加実験を実施しました。
この機能が実装されれば、どのようなエラーが起きているのか、対象機器はどんな状態なのかを事前にメールで確認できるため、内容次第では検査員は毎回現地に赴く必要がなくなり、ご本人やご家族への電話でのご説明で迅速に対処ができます。
つまり、長期に亘るコロナ禍においては、このアラートメール機能によって検査員とご本人・ご家族との接触を可能な限り回避することで、「感染症予防策」にもなりうると考えられます。
ティッセンクルップ・アクセス・ジャパン株式会社は、習慣的に1日数回使用される階段昇降機を通じて、在宅介護においてさらなる安心をお届けできるよう、引き続き機能やサービスの向上を目指します。
ティッセンクルップ・アクセス・ジャパン 株式会社
■代表者:
代表取締役社長 松本 龍一(まつもとりゅういち)
■本社所在地:
東京都港区赤坂4-15-1 赤坂ガーデンシティ1階
■公式サイト:
https://www.kaidan-noboru.com/
株式会社CambrianRobotics(カンブリアンロボティクス)
「IoT」(Internet of Things)=モノのインターネットの時代を先見し、2014年に創業。
複雑なプログラムや回路の開発を不要にし、インターネット上で対象物の管理や解析、遠隔操作を可能にする、最速で低価格な『obniz(オブナイズ)』シリーズを展開しています。
『obniz』の製品やサービスは、DIYと呼ばれる個人での自由なモノづくりはもちろん、医療や介護現場、建設業や宿泊施設、教育分野など、既に幅広い領域で活用されています。
共同創業者そしてエンジニアでもある佐藤雄紀と木戸康平を中心に、私たちはこれからも「IoT」の技術を進化させ、社会へと貢献する製品とサービスを広く皆様へご提供します。
■公式サイト
https://obniz.com/ja/
■代表者
代表取締役社長 佐藤雄紀(さとうゆうき)
■創業
2014年11月
■事業内容
‐ハードウェアクラウドサービスの提供
‐電子基板 『obniz(オブナイズ)』 の製造販売
■特許
特許6439954
特願2018-208745
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