スタンレー電気、業界初の新しいコーティング技術「ASTUV(アスターヴ)」ブランドを立ち上げ
光の技術で、ものづくり現場における塗装工程の消費電力低減に貢献
スタンレー電気株式会社(本社 東京都目黒区中目黒2-9-13、代表取締役社長:貝住泰昭)は、このたび、CO₂排出量削減を目指して開発した新しいコーティング技術を「ASTUV(アスターヴ)」と命名し、技術ブランドとして立ち上げたことをお知らせします。
新開発のUV硬化塗料と、熱風を使わずUV光源により硬化する製造技術の導入は業界初となり、当社ヘッドランプの製造工程の中でASTUVに置き換えられる工程において、消費電力を当社現状比で70%以上*(注記)削減可能となります。
*2024年度比較(各種コーティング工程:防曇、ハードコートなど)

自動車業界では、カーボンニュートラルに向けた取り組みが必須となっています。当社グループはサステナブルな社会・環境の実現を目指し、2030年までに自社の事業活動におけるCO₂排出量を50%削減すること(2019年度比)を目標として掲げています。目標達成に向け、当社グループ各生産拠点におけるCO₂排出量削減を注力領域とし、製造工程で使用する熱量を削減するための『ものづくり改革』に重点的に取り組んでいます。
コーティング技術「ASTUV(アスターヴ)」:創業から追求してきた「光の価値」を応用
ASTUVは、新たに開発した塗料と、当社独自の光学設計で培ったUV照射(照度・照射距離・照射時間などの硬化条件を最適化)による硬化手法を、組み合わせた技術です。自動車用ランプ製造のコーティング工程において消費電力量が高い熱風乾燥工程を無くすことが可能となり、CO₂排出量削減と製品の品質向上に貢献します。
第一弾として防曇技術、第二弾にハードコート技術、第三弾に意匠部材の加飾技術に関するイノベーション実現を予定しており、ASTUVの適用範囲を広げていきます。
製造プロセスにおける現状の表面処理工程(塗料と熱乾燥工程)と、新しいコーティング技術の違い・改善点
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従来の表面処理



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ASTUV



特長①品質向上
ヘッドランプ内部はエンジンやLED光源の熱で温度が上がり、ランプの外側は放射冷却により温度が下がり、ランプ内外の温度差によりランプ内側に結露が発生します。
従来は、ランプ内部の塗料に含まれるアニオン性界面活性剤が結露によって流れ出し、乾燥して固まることで、白い跡(垂跡)が生じることがありました。ASTUVでは、ランプ内部の塗装にアニオン性界面活性剤を含まないため、水滴による影響が無く、垂跡が発生しません。また水に強いUV硬化膜がヘッドランプの曇りを長期的に防ぎます。
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ヘッドランプと防曇コーティング

特徴②消費電力の削減
自動車用ランプの製造工程(防曇コーティング)において、表面処理工程の中でも熱乾燥工程における電力消費量が最も高い点に着目。カバーレンズの塗装に有機溶剤を含まないUV硬化塗料を使用し、溶剤を揮発させる熱風乾燥工程を省き、塗装とUV硬化のみへ工程を短縮することで消費電力が大幅に削減されます。
今後の展望
本技術について当社は既に自動車メーカーへ提案を開始しており、2030年までに全拠点において自動車用ランプの表面処理工程を、ASTUVへ置き換えることを目指します。また、ASTUV の技術を更に進化させ、自動車用ランプの表面処理工程に留まらず他の製造工程においても電力削減を推進し、自動車業界のサプライチェーンにおけるCO₂削減に貢献します。
スタンレー電気株式会社について
1920年に自動車用電球などの特殊電球の製造販売を目的に創業し、現在では世界の主要な四輪・二輪メーカーに製品を提供しています。自動車照明以外にも可視光、赤外、紫外の各種LEDやLCDなどのコンポーネンツ製品、電子応用製品で、暮らしの安全安心に貢献しています。
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