在宅医療の“やりがい”と“不安”を解明|在宅医178名の声から見えたキャリアと課題とは?

5割が「満足」と回答する一方で、若手医師の参入には「教育体制の壁」

mics(ミックス)

在宅医療の“やりがい”と“不安”を解明|在宅医178名の声から見えたキャリアと課題とは?

超高齢社会の進行に伴い重要性が増す在宅医療について、現場の医師はどのように感じているのでしょうか。メディカルインフォマティクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:佐々木美樹)が運営するWEBメディア「在宅医療カレッジ」は、在宅医療に従事する医師178名を対象に、その実態と課題に関するアンケート調査を実施しました。

本調査により、在宅医療に従事する医師の満足度は高い一方で、特に若手医師が診療スキルやキャリア形成に不安を抱えており、実践的な教育体制の整備が今後の担い手確保に向けた重要な鍵であることが明らかになりました。

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調査結果のポイント

  • 高い満足度:在宅医療に従事する医師の約5割(50.0%)が「非常に満足」「満足」と回答。患者と深く関われる点や、裁量の大きさにやりがいを感じている。

  • 若手医師の満足度の高さ:年代別では、40歳代以下の若手医師の満足度が特に高い傾向(約65%)にあった。

  • 「診療スキル」「患者家族への対応」への不安:年代を問わず、訪問診療を始める前には「診療スキル」や「患者・家族への対応」に最も大きな不安を感じている。

  • 年代で異なる不安:40歳代以下の若手医師は「キャリア形成」「身の安全」に、50歳代以上の医師は「経済面」「チーム連携」に不安を抱えるという傾向の違いが見られた。

  • 教育体制の課題:多くの医師が十分な研修を受けずに現場に出ている実態が示唆され、これが在宅医療への医師の参入障壁となっている可能性が浮き彫りになった。

  • 体験型教育を求める声:現場からは「経験豊富な医師による同行指導」や「実践的なロールプレイ研修」「多職種連携研修」など、現場に即した体験型教育を求める声が多数挙がった。

アンケート調査概要

実施時期   : 2025年1月31日~2025年4月12日

調査方法   : Webアンケート

調査対象者 : 在宅医療カレッジ会員・メルマガ登録者・WEBサイト閲覧者・SNS利用者等

有効回答数 : 178名

調査背景

2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、医療提供体制は病院中心から地域・生活の場へと大きくシフトしています。その中で、医師が患者の自宅を訪れる在宅医療は、医療とケアをつなぐ中核として期待されています。そのような中、外来や入院診療とは異なるスキルが求められるこの領域で、医師が何を感じ、どのような課題を抱えているのかを明らかにすべく、本調査を実施しました。

調査結果詳細

1. 医師の満足度は総じて高く、特に若手で顕著

在宅医療従事医師の満足度

在宅医療への満足度について、「非常に満足している」(11.2%)、「満足している」(38.8%)を合わせると、全体の50%が肯定的に評価しています。自由記述では「患者の人生に深く関われる」「自分の裁量で診療できる」といった声が多く、病院診療とは異なる魅力がやりがいにつながっていることが伺えます。

40歳代以下の若手医師の満足度

特に40歳代以下の若手医師では、43名中28名(約65%)が「非常に満足している」「満足している」と回答しており、新たなキャリアの可能性や柔軟な働き方への期待が満足度に結びついていると考えられます。自由記述では「患者との距離の近さに魅力を感じた」「自分の裁量で働けることにやりがいを感じる」といった声が多く、在宅医療が自身の価値観や働き方の志向にフィットしていることが伺えました。

50歳代以上の経験者医師の満足度

一方、50歳代以上の医師では、病院勤務からの移行に伴う環境や業務スタイルの変化が満足度に影響しており、「一人での判断が多く不安」「病院と異なりサポート体制が限定的」といった戸惑いの声も見られました。

2. 参入の障壁となる「スキル」と「コミュニケーション」への不安

在宅医療へ携わる前に感じた課題や不安はありましたか?

在宅医療へ携わる前に感じた不安としては、「診療スキルへの不安」(42.7%)が最多で、次いで「患者や家族への対応への不安」(34.8%)が続きました。医療機器が限られた環境での判断や、患者家族との密なコミュニケーションは、経験豊富な医師にとっても難易度が高いと感じられており、在宅医療の担い手が増える上での大きな課題となっています。

40歳代以下の医師の在宅医療へ携わる前に感じた課題や不安

また、40歳代以下の若手医師と50歳代以上の医師では、不安の傾向にも違いが見られました。若手医師は「キャリア形成」や「リスク管理など身の安全」に関する不安が多く、将来を見据えた視点や個人の働き方への懸念が強い傾向にありました。

50歳代以上の医師の在宅医療へ携わる前に感じた課題や不安

一方、50歳代以上の医師では「給与・経済面」や「チーム医療・連携」に関する不安が上位に挙がり、これまでの勤務環境との違いや安定性への不安が目立ちました。年代によって、在宅医療に対する課題の捉え方が異なることが伺えます。

3. 教育体制の未整備が参入障壁に

在宅医療において、若手医師は限られた医療資源の中で判断を求められる状況に戸惑いや不安を感じています。加えて、経験豊富な医師でさえ患者・家族とのコミュニケーションに難しさを感じており、これが在宅医療への参入をためらう一因となっていると言えるでしょう。

この課題の解決には、経験豊富な医師が若手を指導する実践的な教育が不可欠です。しかし、多くの医師が十分な研修を受けずに現場に出ているのが実情で、教育体制の未整備が深刻な課題として浮かび上がっています。

若手医師からは、先輩医師による「同行指導(OJT)」、緊急時や家族対応を学ぶ「ロールプレイ研修」、そして看護師やケアマネジャーと連携する「多職種合同研修」など、現場に即した体験型教育を求める声が強く上がっています。eラーニングといった柔軟な学習形態への期待も高く、多様なニーズに応える教育プログラムの整備が急務となっています。

若手医師が安心して在宅医療の現場に参入できるようにするためには、多様なニーズに対応した教育プログラムの開発と制度化が必要です。単に研修機会を設けるだけでなく、「経験に基づいた教育」「双方向性の学び」「多職種連携に通じた実践的内容」が強く求められています。

監修医師からのコメント

家庭医療専門医 荒 隆紀 医師

本調査が示すように、若手が『キャリア形成』に、経験者が『経済面』や『連携』に課題を感じている現状は、極めて現実的な声です。私が所属していた法人では、Bad News Tellingのシミュレーション試験を多職種で実施するなど、実践的な教育に力を入れていました。患者の最期に寄り添う『生き方をサポートする医療』の担い手を育むため、経験を次世代に伝える仕組みづくりが急務だと強く感じます。

今後の展望と提言

超高齢社会を支える在宅医療の未来は、担い手となる医師の確保と育成にかかっています。本調査から、医師が安心して在宅医療に参入し、やりがいを感じながら働き続けるためには、以下の点の整備が求められていることが明らかになりました。

  1. 経験豊富な医師から若手への技術・知見の継承

  2. 同行指導やロールプレイ研修、多職種合同研修など、実践的な研修プログラム

  3. eラーニングといった柔軟な学習機会

教育体制への投資は、未来の地域医療を守るための不可欠な基盤です。持続可能な在宅医療の実現には、今こそ“育てる仕組み”への本気の取り組みが求められています。

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コーポレートサイト:https://mics.tokyo/

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会社概要

URL
https://mics.tokyo
業種
医療・福祉
本社所在地
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治生命館4階
電話番号
-
代表者名
佐々木 美樹
上場
未上場
資本金
1億円
設立
2002年10月