「障害者差別解消法の相談窓口相談体制整備」等に関する要望書を提出しました
障害者差別解消法のさらなる実効性の向上を目指して
私たちは、障害の有無によって分け隔てられることなく共生できる社会を目指し、障害者基本法改正や障害者差別解消法制定・改正に取り組んでまいりました。
去る 11 月 14 日(月)に開催された第 73 回障害者政策委員会で、障害者差別解消法の基本方針改訂案がとりまとめられました。今後、改正障害者差別解消法の施行に向けた準備が本格化していくものと期待しております。
障害者政策委員会の議論では、複数の委員から国におけるワンストップ相談窓口の設置についての意見が相次ぎました。障害当事者が参画した相談体制をつくり内閣府が司令塔としての役割を果たすことで、どの相談窓口でも対応されない「迷子問題」の解決が求められています。
そうした点をふまえて、基本方針改訂案では「内閣府においては、事業分野ごとの相談窓口の明確化を各府省庁に働きかけ、当該窓口一覧の作成・公表を行うほか、障害者や事業者、都道府県・市区町村等からの相談に対して法令の説明や適切な相談窓口等につなぐ役割を担う国の相談窓口について検討を進め、どの相談窓口等においても対応されないという事案が生じることがないよう取り組む」と明記されたところです。
ぜひ、「適切な相談窓口等につなぐ役割を担う国の相談窓口」(以下、「国の相談窓口」)について、モデル事業を実施しながら検討して頂きたく、以下、要望致します。
- 1.来年度・新規予算事業について
現在、来年度予算で「障害者差別の解消に向けた相談体制構築に係る調査研究」を新規事業として要求頂いているところですが、きわめて重要な事業として大いに注目をしています。今後の体制を検討する上での重要性をふまえて、満額確保を頂きますよう何とぞよろしくお願いします。
- 2.障害当事者スタッフの登用と支援体制
改正障害者差別解消法で義務化された合理的配慮の提供が円滑に実施されるかどうかは、建設的対話がいかに進むかにかかっています。障害当事者としての経験の中で蓄積された知見・ノウハウを元にしたアドバイスが重要な意味を持ちます。
障害当事者スタッフを登用したモデル事業を実施しながら検討を進めて下さい。また、当事者スタッフの力が十分に発揮できるよう、合理的配慮確保のための支援者の確保もあわせてお願いします。
- 3.ワンストップ相談窓口機能の構築、並びに「国の相談窓口」の設置
2024 年 6 月までには改正障害者差別解消法が施行されることになっています。それまでに、国・地方公共団体全体でのワンストップ相談窓口機能を構築して頂きますよう、よろしくお願いします。
そのために、研修プログラムの作成・実施、各地・各分野における好事例を含む事例収集・分析・提供の体制構築を進めて下さい。
また、上記のモデル事業の結果をふまえて、内閣府において「国の相談窓口」を設置して下さい。
- 4.国連・総括所見を受けて障害者政策委員会での検討
今年9月9日に、国連・障害者権利委員会から日本政府に対する総括所見が出されました。その中で、「障害者政策委員会」の設置について「肯定的側面」として積極的に評価されました。
今後、総括所見を受けて、国内の法制度をどう改革していくかが大きな課題となります。障害者権利条約の実施状況を監視する役割を担う障害者政策委員会で、総括所見を受けて、障害者基本法をはじめとする法制度の課題や改正について検討することが求められます。そのため、障害者政策委員会において分科会を設置するなど、その役割を十分果たせるようにして検討を進めて下さい。
▽要望書(PDF)は以下からダウンロードできます。
https://www.dpi-japan.org/wp-content/uploads/2022/12/86b3f350e0cbe20c473205eac8c94bf1.pdf
▽12月7日(水)当日の報告はこちら
https://www.dpi-japan.org/blog/demand/1207-demand/
- 団体概要
団体名:認定NPO法人DPI日本会議
所在地:〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5階
ホームぺージ:https://www.dpi-japan.org/
活動概要:1986年に発足。「障害者の権利の実現を目指す運動を通して、全ての人が希望と尊厳をもって、ともに育ち、学び、働き、暮らせるインクルーシブな社会を創る~障害者権利条約の完全実施へ~」というビジョンのもと、国への政策提言、権利擁護活動を中心に、身体障害、知的障害、精神障害、難病等の障害種別を超え、国内外で幅広く活動している。全国92の団体が加盟している。(2022年12月現在)
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