不安要素が多すぎるいまの私たち 不安の3大要素は「金銭的不安/健康不安/災害への不安」

~築地本願寺が「不安に関する意識調査 」を実施 2024年1月実施~

宗教法人 築地本願寺

築地本願寺(宗務長 中尾史峰、東京都中央区築地3-15-1)では2024年1月に、全国の18~70代の男女計1200人を対象に、「不安に関する調査」を実施しました。
『人々はいまどのような不安を抱えているか』を中心に調査し、「不安への対処法」「死に対して不安に感じていること」などについても、興味深い結果を得ることが出来ました。
  • 調査結果のポイント

 築地本願寺では新型コロナ感染症が拡大した2020年以降、不安に関する調査を行っています。

 その背景には「人々が抱えている不安」を正しく把握し、人々に寄り添えるお寺になりたいという思いがあります。お寺によく来訪される世代だけでなく、これからの未来を担う世代も含め、「いまどんな不安を感じているのか」「不安がおよぼす影響」「死への不安」などについてアンケート調査を行いました。調査結果の主なポイントは以下の通りです。


1.不安3大要素は 「金銭的不安/健康不安/災害への不安」  

人々の抱える不安の3大要素は①金銭的不安、②健康不安、③災害への不安、である。

「経済的な不安」 は18-20代~50代女性において最上位となった。男性においても「経済的な不安」の順位は高い傾向があるが、40代以降の男性においては「自身の身体の健康」がトップとなっている。


2.2023年に不安を強めた出来事は「物価高」「ロシア・ウクライナ情勢」「電気料金値上げ」 

不安を強めた出来事としては、40-50代では物価高関連、 60代以上では世界情勢および自然災害が上位を占めている。

「値上げラッシュ・物価高」に最も反応したのは40・50代女性。家計を預かることが多いためか。

「ロシア・ウクライナ情勢」は男女ともに60・70代が他の世代より反応が高い。

「列島各地の地震」「記録的な猛暑・大雨」など自然災害に関するものも上位に挙がっていた。


3.不安が実際に「生活に支障を及ぼしている」のは男女とも40代以下が多い

「最も不安なこと」と回答した内容が生活に支障を及ぼしている割合は、男女ともに40代以下で高い傾向にある。

生活へ支障を及ぼしている不安項目としては、「経済」および「人間関係」が上位に挙がっている。


4.自分の死に関して、最も多い不安は「痛みや苦しみがあること」

自分の死に関する不安としては、「痛みや苦しみがあること」が最も多い。やや間をあけて「家族や友人との別れ」「自分が死ぬと自分はどこへ行くのか」が続く。全体として、女性のほうが男性よりも値が高い。


5.宗教やお寺が「心の拠り所になる」と答えたのは全体の2割

宗教・仏教が「拠り所になる」「生前から死をとらえるきっかけを与えられる存在」と回答する人は、15~20%程度に留まっている。比較的比率が高いのは60代女性となっている。また、男性30代は各項目でやや高い値となっていて、宗教やお寺に対してポジティブであることがうかがわれる。


  • 調査結果詳細

1.不安三大要素は 「金銭的不安/健康不安/災害への不安」  

・①金銭的不安、②健康不安、③災害への不安。これらが三大不安要因で、フリーアンサーで得られた回答もこれらに集約された。

・女性では18-20代~50代まで「経済的な不安」が最上位。男性でも18-20代は「経済的な不安」は高いが、40代からは「自身の身体の健康」がトップとなる。

・男女ともに18-20~40代では「自身の心の健康」がTOP10入りしており、内面の課題を感じている現役層が多い。

・「自身の心の健康」への不安の理由をみると、うつ病などの具体的な症状への不安のほか、漠然とした不安が拡大したことでストレスにつながっていると思われる事例が多くみられた。

2.2023年に不安を強めた出来事は「値上げラッシュ・物価高」「ロシア・ウクライナ情勢」「電気料金

値上げ」 

・物価関連の項目は特に女性40-50代が高い。家計を預かることが多いためか。

・「ロシア・ウクライナ情勢」は男女とも60・70代が他の世代より反応が高い。

・Top3に続き、「列島各地の地震」「記録的な猛暑・大雨」も不安を強める出来事としてあがっていた。

3.不安が「生活に支障を及ぼしている」のは男女とも40代以下が多い

・「最も不安なこと」と回答した内容が生活に支障が出ている人の割合は、男女40代以下で高い。

・不安内容別に生活への支障の有無をみると、「経済」および「人間関係」の不安を感じている人で支障が出ている。

4.自分の死への不安で最も多いのは「痛みや苦しみがあること」

・最も多いのは「痛みや苦しみがあること」で、やや間をあけて「家族や友人との別れ」「自分が死ぬと自分はどこへ行くのか」が続く。

・全体として、女性のほうが男性よりも値が高い。「自身の死に不安を感じない」の値では全年齢層で男性のほうが上回った。

・「自分のやりたいことができずじまいになること」は男女とも18-29歳の値が高かった。

5.宗教やお寺が「心の拠り所になる」と答えたのは全体の2割

・宗教、仏教、お寺が「拠り所になる」と回答する人は、いずれも2割強。しかし、僧侶が「拠り所になる」と答える人は少し減ってしまう。

・死に向き合う機会が増え始めるであろう女性60代は各項目でスコアが高い。
また、男性30代も各項目でやや高いスコアとなっており、宗教やお寺に対してポジティブであることがうかがえる。

  • 調査概要

・調査対象:全国 18~79歳男女  計1200名

・調査時期:2024年1月20日(土)~21日(日) 

・調査方法:インターネット調査

 ※リリース内の調査データについて:小数点以下を四捨五入しており、

  合計値が100%にならない場合もあります。

 ※年代・性別などのグラフをご希望の方はお問い合わせください。

  • 調査結果を受けて

 ここ数年間は、新型コロナウィルス感染症拡大により社会全ての動きが萎縮せざるを得ない状況でありました。築地本願寺での活動も同様に影響があったと言えます。このことを踏まえ、今回実施した不安調査の回答にみる不安材料の中身は明らかであるといえます。

 もちろん全ての不安材料に対して築地本願寺や寺院が対応できるものではありませんが、「死への不安の実態」の回答内容については、築地本願寺としても向き合える部分だと思いました。しかし、“宗教や寺院“が「拠り所となる」「生前からポジティブに死をとらえるきっかけを与えられる存在」と回答した人は15~20%程度であり、信頼感の希薄さが露呈していることは残念な結果でした。

 

 今後の解決策として、以下の点について考察してみました。

 ①築地本願寺が孤独を大きな社会課題ととらえ、孤独解消のための社会インフラとなりえることを社会に宣言、発信することが必要ではないか。例えば研修などを行い、「孤独対策マネージャー」という役職(院内資格)を作ってみることは可能。


②築地本願寺のリソースである広大な空間と、仏教活動から得られる情緒価値(例:お参りによって安らかな、清らかな気持ちになる)を活かして、孤独な人がポジティブな気持ちで誰かとつながるきっかけとなる場所や機会を提供できないか。


③何を価値あるものとして生きるのかは自分で決める時代になったが、日常から幸せを感じ取る力には個人差が大きい。特に孤独を感じやすい若者は悩んだり迷ったりする人が多く、孤独との向き合い方や幸せを感じ取る力を学ぶ手助けをすることで、築地本願寺との距離を縮めることができないか。


④初めからみ教えを聞いていただくことを来訪目的とするのではなく、例えば趣味の集いや社会貢献活動などを提供し、一連の体験の中で孤独な人に手を差しのべることでみ教えを聞いて興味を持っていただくことができるのではないか。


⑤④とは真逆の手法ではあるが、築地本願寺の生命線ともいうべき「親鸞聖人の教え」に正面から多くの方々に触れていただくための各種施策に取り組むこととする。 


 これらのことからも、今後は「幸福感の醸成」について、宗門校である武蔵野大学の協力を得るなどして、ウェルビーイングの世界と連動させ提言することはできると思います。また「合理的配慮の提供」の実現という視点からも、わたしたちは改善すべきところがないかを常に点検し、不具合の改善を実現していく姿勢を積極的に情報発信することで、寺院としての信頼を獲得できるのではないでしょうか。

              築地本願寺宗務長 中尾 史峰                              


  •  築地本願寺ではいつでも皆さまをお待ちしています

 築地本願寺では様々な不安に寄り添うためにいつでも門を開いて皆さまとのご縁をお待ちしております。築地本願寺の「あなた」の不安に少しでも寄り添えるかもしれない、施策をご紹介します。


●築地本願寺 悩み相談窓口情報

・ 「僧侶僧談」本堂に9-16時で僧侶が常駐しています。お気軽にお声をおかけください。

・築地本願寺GINZAサロン「よろず僧談」仏事やお墓のことだけではなく、人間関係や

 日頃の生活の不安など、気になるあれこれを僧侶に相談できる場です。

 要予約制(水・木曜日 13時半~16時)ですので、築地本願寺HP 
 https://tsukijihongwanji.jpよりお申込みください。
  ※築地本願寺倶楽部会員対象。築地本願寺倶楽部は入会費・年会費無料。


●築地本願寺新報 お悩み相談コーナー「ちょっときいてよ」

「僧侶僧談」や「よろず僧談」など対面でのお悩み相談以外に、毎月築地本願寺が発刊している寺報(広報誌)『築地本願寺新報』にお悩み相談「ちょっときいてよ」コーナーをご用意しています。
このコーナーでは築地本願寺の職員や「新報」の編集委員計3名がみなさまのお悩みにお答えしています。一つのお悩みに対して三者三様の視点での回答が読めるので、ひそかな人気となっています。相談内容は随時募集していますのでどうぞ気軽にご投稿ください。きっとあなたのお悩みに何かヒントを得られるはずですよ。

 ※「築地本願寺新報」は本堂やインフォメーションセンターに設置。公式HPでもお読みいただけます。


築地本願寺新報URL

https://tsukijihongwanji.jp/enjoy/new-report/




●毎月第一月曜日の風物詩「テンプルモーニング」

「テンプルモーニング」は憂鬱な気分になりがちな月初めの月曜日早朝に、ちょっといいことをした気分になれるお寺のお掃除と、元気になれる「活力ワード」と題した僧侶からのお話を聞く行事です。出勤や家事を始める前にほんの少し早起きして参加すると、心も体もリフレッシュできると多くの方から好評をいただいています。予約も不要でただ本堂にいらっしゃれば参加出来ますので、どうぞ軽い気持ちでまずは覗きに来てください。あなたのご参加をこころよりお待ちしております。

※テンプルモーニングの開催情報は築地本願寺公式Twitter及びHPをご確認ください

  • 浄土真宗本願寺派 築地本願寺について

 築地本願寺は、京都の本願寺(西本願寺)を本山とする浄土真宗本願寺派の寺院です。古代仏教建築様式などを模した現在の本堂は1934(昭和9)年に落成。内観は浄土真宗寺院の伝統的な造りと、パイプオルガンやシャンデリア、正面扉上部にあるステンドグラス等の西洋文化も調和し、礼拝施設として心安らぐ空間となっています。

2014(平成26)年には、本堂や正門などが国の重要文化財に指定されています。

 2017(平成29)年、“開かれたお寺”をスローガンに、誰でも入りやすく、親しめるお寺を目指し、カフェ・ショップ・書店が入ったインフォメーションセンターを境内に新設しました。はなまつりや盆踊り、除夜の鐘など四季折々の行事を開催し、年間約300万人が集うお寺となっています。

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会社概要

宗教法人 築地本願寺

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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都中央区築地3-15-1
電話番号
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代表者名
安永 雄彦
上場
未上場
資本金
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設立
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