~日本初!最新気象データから多汗症受診タイミングを全国予測~「多汗症前線2025」を初公開
気象予報士 天達武史さんを迎えた発表セミナーを開催
科研製薬株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長 堀内裕之、以下「科研製薬」)は、一般財団法人 日本気象協会、株式会社JMDC、そして長崎大学との産学連携により作成した『多汗症前線2025』を公開しました。ワキ汗をはじめとする多汗症に悩み、受診をためらっている方々、そして一般の方々に向けて、受診機会の促進と疾患認知の向上を目的に、「多汗症前線」を解説するセミナーを2025年4月9日(水)に開催しました。

当日は、長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 皮膚病態学 教授 室田浩之先生より多汗症のメカニズムや『多汗症前線2025』について解説いただいたほか、気象予報士の天達武史さんに2025年の気象予測をお話しいただきました。さらに、実際に多汗症患者でもあるNPO法人 多汗症サポートグループ理事長の黒澤希さんを交え、『多汗症前線2025』に対する期待や日常で症状を抑えるための工夫などをトークセッションにてお話しいただきました。
■「多汗症前線2025」とは
今回発表された「多汗症前線2025」は、科研製薬・日本気象協会・JMDCの3社と長崎大学が協力し、多汗症患者の受診(レセプト情報)と気象の2つのビッグデータを集積・分析することで、受診のピークを予測した「多汗症前線」を2025年の春から夏にかけての最新の気象予報をもとに作成したものです。
『前線』という親しみやすい形で受診の目安となる日付を提示することで、「多汗症」という疾患の認知拡大や受診起点の創出、患者さんが新しい治療に踏み出すきっかけになることを目的としています。また、これらの日付はあくまで目安であり、気になる症状があれば早めに医療機関に相談することを推奨しています。

本セミナーでは、長崎大学大学院で皮膚疾患の臨床や研究に携わる室田先生より、多汗症のメカニズムや発現する症状について、また状態に合わせた様々な治療法や「多汗症前線」に関する研究についても解説いただきました。気象予報士の天達さんからは、最新の気象予報や昨今の夏における猛暑・異常気象について解説いただきました。
■トークセッションでは、「多汗症前線2025」の見方や患者目線での活用方法も
セミナーの後半では、実際に多汗症患者でもある「NPO法人多汗症サポートグループ」代表理事の黒澤希さんに参加いただき、多汗症前線公開に対する患者さん目線の意見や症状への向き合い方についてのトークセッションを実施しました。
トークセッションでは、まず天達さんが「多汗症前線2025」の見方をテレビでみる気象予報さながらに解説しました。日本気象協会による今年の最新予測データをもとに作成したこの「多汗症前線2025」の公開を受け、黒澤さんは「こういう基準があってよかったです。待ってました!」と話し、実際に受診タイミングに悩む方が多くいることからも、受診の目安になる多汗症前線の有用性に期待を寄せられました。

さらに、予測日が近づいてきたら気をつけたいポイントや対策についても、多汗症サポートグループに所属する多汗症患者の方々に行った日常の工夫に関するアンケートの結果とともに多汗症との向き合い方をお話いただきました。

<日常での工夫>
アンケート結果では手持ち扇風機を持ち歩く、こまめな休憩をとるなどの様々な対処法が見られ、黒澤さん自身は「自分の症状についてはある程度把握しているので、荷物は多くなってしまいますが、体温調節ができるよう上着を持ち歩くことや、汗で手が冷たくなるので綿手袋を持ち歩くなどの対処をしています」とお話しいただきました。
室田先生からは、汗は適度にかくことも必要であるとご説明いただき、汗を完全に止めたいという患者さんもいる一方で、必要な機能を損なわない程度の対処が大切であるとお話しいただきました。
<食事についての工夫>
食事については、何もしていないとの回答が多かったものの、やはり熱いものや辛いものを避けるといった意見もありました。これに対し、黒澤さんは「コーヒーが挙がっていないのが意外!個人的にコーヒーが大好きなのですが、コーヒーを飲むと発汗量が増える気がしていて、日頃あまり飲まないようにしているんです」とのことでした。
室田先生からは、カフェインには発汗を促す作用があり、反対に体を冷やし熱がこもらないようにする食材もいくつかあるとご解説いただきました。
<服装についての工夫>
服装については、「汗ジミの目立ない服を選ぶ」が最多の回答になりました。黒澤さんも「汗とグレーの色は本当に相性が悪く、グレーを着るのはもはや憧れ、というのをよく聞きます。グレー以外にもパステルカラーのピンクや水色、ベージュなども色の変化が目立つので着られないですね。他にも、汗をずっとかいているので臭いも気になってしまうので着替えを持ち歩き、タイミングがあれば着替えられるようにしている」とお話しいただきました。
そして、おしゃれ好きの天達さんからは、気温と服装の関係について「服装は5℃で1枚変わると言われています。例えば、20度前後では上着を着るか着ないかのボーダーラインになりますね。」とお話しいただきました。他にも素材も大事であるとお話しいただき、当日の衣装のズボンが“シアーサッカー素材”であることに触れ「風通しが良くて快適。履いていないみたい」とのことでした。

最後に、多汗症や汗に悩む方々に向けたメッセージをいただきました。
黒澤さん
科研製薬の「ワキ汗治療ナビ」では、自分自身の汗の状態を知るきっかけにしてもらいたいということで、セルフチェックシートを公開しています。少しでも汗が気になっていたらぜひ一度みていただき、自分の汗の状態を知ってもらいたいです。
また、受診のハードルが高いと感じる方も多いかと思いますが、活動の中でも受診をきっかけに症状が抑えられ、自信がついたという患者さんが多いです。ぜひ、一歩勇気を出して皮膚科を受診してほしいなと思います。
室田教授
患者さんの中には、症状が悪化してから治療を始め、効果が感じられずに治療が続かなかったり悩んでしまったりする方もいます。多汗症前線をきっかけに、多くの患者さんに治療法などを認知してもらい、少しでも早く治療を受けることで生活の質や日常生活への影響を軽減したいと思いますので、少しでも気になることがあれば、ぜひ医療機関に相談してほしいです。
天達さん
今年の夏の訪れは早く「前倒し猛暑」といえます。多汗症前線も6月から予測日が出ていますので、早め早めに気を付けてほしいですね。また近年、世界的に地球温暖化ではなく地球沸騰化という言葉が出るほど、気温が高くなっているので、早めに対策をしていただいて素敵な夏を過ごしていただきたいと思います。
<プレスセミナー概要>
名称: 「多汗症前線2025」発表セミナー
開催日時:2025年4月9日(水)
主催: 科研製薬株式会社、日本気象協会
登壇者:科研製薬株式会社 深山 浩
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 皮膚病態学 教授 室田 浩之 先生
NPO法人 多汗症サポートグループ 代表理事 黒澤 希 さん
ゲスト:気象予報士 天達 武史 さん
<登壇者プロフィール>

長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 皮膚病態学 教授 室田浩之先生
1995年に長崎大学医学部を卒業し、2004年に大阪大学皮膚科へ赴任し、2018年には長崎大学皮膚病態学分野教授に就任。 アレルギー疾患、膠原病、無汗症や多汗症(発汗異常症)の診療に力を注ぐとともに、かゆみのメカニズムや発汗異常症の基礎・臨床研究に携わり、日本皮膚科学会理事や日本皮膚免疫アレルギー学会理事長、日本発汗学会副理事長など、多くの学会で要職を務める。

一般財団法人 日本気象協会 気象予報士 天達武史さん
2004年より日本気象協会所属。多数のテレビ番組等に出演し、気象解説だけでなく、大雨や猛暑などの現場リポートも行う。現在出演中のフジテレビ系列「サン!シャイン」では気象防災キャスターとして活躍。

NPO法人多汗症サポートグループ 代表理事 黒澤希さん
東京都在住の48歳。着物モデル、ナレーターを経て2022年4月に「NPO法人多汗症サポートグループ」(https://npo-hsg.org/)を設立。多汗症の疾患啓発や患者同士の交流、また多汗症状がある人にも過ごしやすい社会となるよう働きかけていくことなどを目的に活動。幼いころから多汗症患者として生活をしてきた経験や汗が原因で骨にヒビが入ってしまった失敗談まで、自身の様々な体験談を発信している。
■腋窩多汗症(ワキ汗)の 疾患啓発プロジェクト「相談しませんか。”ワキ汗”のコト」「#ワキコト」

腋窩多汗症(ワキ汗)で悩む方が自分らしく安心して生活できる社会をつくるために、科研製薬は疾患啓発プロジェクト「相談しませんか。”ワキ汗”のコト」を進めています。具体的には腋窩多汗症(ワキ汗)について広く知られ、悩む方が相談しやすく適切な治療を受けられる環境を目指します。ワキ汗の情報・サポートサイト「ワキ汗治療ナビ」による病院検索及び科研製薬公式YouTubeチャンネルの開設、そして今回の多汗症前線の公開もそのプロジェクトの一環です。科研製薬は、ワキ汗に対する新たな情報を提供することで、より多くの患者さんのクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献してまいります。
ワキ汗治療ナビ URL:https://wakiase-navi.jp/
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