【Yellowfin Japan株式会社】導入事例:株式会社協和へのシグナル導入事例を発表
『シグナル』による在庫管理で、欠品による機会損失をほぼゼロに
2020年9月1日 - 世界をリードするイノベーティブなアナリティクスベンダーであるYellowfin Japan株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 CEO:グレン・ラビー)は、株式会社協和へのYellowfinシグナルの導入事例を発表。創業以来、化粧品、美容食品、健康食品などのビューティヘルスケア商品を通じて、お客さまに美と健康を得られる感動と若々しさへの自信をお届けしている協和。同社では2017年8月よりYellowfinの運用を開始し、全社員が同じ指標で数字を見るための仕組みを整備した。現在は通販事業の核となる定期便のお客さまの購買動向などを中心にYellowfinで分析、クロスセルやアップセルにつなげている。2020年1月にはシグナルを導入、通販ではありがちな欠品をほとんどゼロにすることを実現。これまで欠品によって発生していた機会損失が、今期は限りなくゼロに近づけることができるのではと期待が高まっている。
■Yellowfinを導入、数字を見る習慣ができた
「いきいき笑顔のある毎日、応援します」──をコーポレートメッセージとして掲げ、いつまでも健康で美しくありたいと願う人たちをサポートすべく化粧品や健康食品を提供している協和。2004年にポジティブな人生を送りたい女性を対象に高純度・高実感ブランド「フラコラ」を立ち上げ、さまざまなビューティヘルスケア商品を展開しています。同社の商品は主に通信販売で提供されており、多くのお客さまは定期便を利用しています。これまで同社では、通販の特性上TVCMを中心に新規の顧客流入が多く、2年ぐらい前からは「全社的にOnly for You、One-to-Oneコミュニケーションを掲げ、既存のお客様に向けたサービスの強化を図っています」と情報戦略グループ データマネジメントチームの向田浩文氏は語ります。
このような経営戦略の意思決定に貢献したのが、Yellowfinによるデータ分析でした。
同社がYellowfinの運用を開始したのは2017年8月。Yellowfin導入以前は、集計ツールやマーケティングツールを使って、各自個別に数字を見ていました。統一指標がなかったため課題を合わせることができませんでした。そこで、全社員が共通して数字を見られる仕組みとしてYellowfinの導入を決めたのです。
Yellowfinの導入により、社員全員が数字を見る習慣が生まれ、レポートもたくさん作られるようになりました。運用2年目からは広告速報やレポートの深掘りができるようにもなりました。広告速報とは、テレビやラジオ、新聞、雑誌などの広告媒体別のレスポンス率などを表示するダッシュボードです。この数字を見て広告チームや施策チームは広告施策の検討を行い、DMを打つなど顧客への営業活動に生かせるようになりました。しかし、レポートが多数作られたことで、「どれを見ればよいか解らない」という問題が生じたため、ダッシュボードの最適化を図り、経営層や、施策担当、購買、販促チームなどユーザーグループごとに見るべきレポートがすぐ見られるようなダッシュボードが提供されました。
■データに基づいた経営判断で定期便の営業利益が向上
協和社内において活用が進めば進むほど、Yellowfinをもっと活用したいという想いも大きくなっていきました。その一つが顧客軸での分析でした。顧客ごとの購入履歴情報などが蓄積されたデータベースに直接アクセスしてみたところ、データの不整備が原因でレスポンスが悪く、容易に顧客生涯価値(LTV)を分析することができませんでした。そこでYellowfinの導入をサポートしているテクマトリックスの担当者に相談。「データの整備をしてもらい、1年くらい前から定期便を契約している顧客のLTVを見られるようになりました」と向田氏は笑顔を見せます。
顧客ごとのLTVを分析できるようになったことで、発見もありました。それは新規に顧客を獲得しても2~3カ月で辞めてしまう人が多いこと。「通販事業ではリピーターを増やしていくことが非常に重要です。そしてリピーターとなってくれたお客さまにクロスセルをしていく方が、営業利益も上がっていくと考え、既存顧客むけのサービスを充実させていくという戦略に転換しました。2年前には購入金額に応じた会員制度を導入し、『フラコイン』という商品と交換できるポイント制はその施策の一つです。」(向田氏)
Yellowfinの活用を進めるためのもう一つの取り組みが、レポートの入り口をわかりやすくすることでした。この問題を解消するために活用したのがYellowfinの「ストーリー」(https://yellowfin.co.jp/suite/data-storytelling)です。ストーリーはデータから得られた発見・気づきを共有するための機能。Yellowfinで作成したレポートや画像・動画など様々なコンテンツを貼り付け、発見や気づきをブログのように書き込むという機能です。「1年前よりストーリーを活用して見せ方を改善。レポートを必要な人にしっかりと届けるための入り口のような役割となっています」と向田氏は語ります。
現在、経営層が見ているのは営業利益や予算を立てたり見直したりするためのレポート。広告を打つ施策チームは、どこの媒体から流入や受注が多かったのかなどをYellowfinでチェック。また販促チームは毎月25日に実施しているキャンペーンの管理などをYellowfinで実施。「1年ほど前から、毎日Yellowfinを見る癖がついてきました」と向田氏は満足そうに語ります。
データに基づいた経営判断ができるようになったことで、定期便の営業利益は向上。予算の組み立ても、短期間で判断できるようになり、Yellowfin導入によって大きな成果がもたらされています。
■シグナル導入で欠品を限りなくゼロに
Yellowfin導入が協和にもたらした成果はこれだけではありません。多くの小売業が抱える問題に「欠品」があります。「当社も欠品の多い会社だった」と向田氏は振り返ります。それには訳があります。最大の理由は商品アイテムが多く、リードタイムがそれぞれ異なることです。「短いもので30日、長いものだと90日。表計算ソフトで日々、在庫数を入力し管理しているのですが、人に頼っているので在庫数が少ないモノを見落としてしまうこともありました。また人によって発注をかけるタイミングも異なります。そういう人に頼る仕組みを改善したいと思いました。」(向田氏)
そこでテクマトリックスの協力を得て、会計ソフトとデータ連携し、Yellowfinで在庫管理ができるようなレポートを作成したのです。これまで人が入力していた業務がなくなったことで、「数字をじっくり見られるようになり、在庫管理のスキルが向上したのです」と向田氏は笑みを浮かべます。ですが、このままでは人に頼る仕組みのままで、欠品をなくすことはできません。この問題を解決するために導入したのがYellowfinの「シグナル」(https://yellowfin.co.jp/suite/signals)というオプション機能でした。「実はYellowfinのレポートに置き換える前から、シグナルの導入を決めていました」と向田氏は話します。
シグナルとはダッシュボードの閲覧だけでは見逃しがちな重要なデータの変化を自動的に発見し通知してくれる機能です。「在庫の急減を検知して知らせてくれることで在庫切れを防げると考えました」(向田氏)
シグナルは協和のように、それぞれに適切な在庫量やリードタイムが異なる商品が膨大な点数があるような場面で特に有用です。通常のアラート(しきい値設定)による在庫管理の場合、膨大な点数の商品ごとにアラートを設定する必要があります。しかし、商品の売れ方(傾向)や、施策が異なるためすべての商品に適切なしきい値を設定することは、現実的には不可能でした。シグナルの場合は、商品ごとの傾向(出荷数の移動平均、信頼区間)を加味して自動的に検知されるので、より現実の商品の流れに沿った検知ができます。シグナルを活用することで効率的かつ、より精度の高い在庫管理が実現できるのです。
2019年12月からシグナル導入に向けた検証を開始。この仕組みを構築するテクマトリックスの担当者は購買チームと約1カ月かけてミーティングを実施。どのくらいの期間を集計すべきか、またどういう値になったら通知をすべきかなど、業務に反映できるような見え方に関してすりあわせていきました。「この作業が一番、難しかったですね」と向田氏は語ります。
--シグナル導入のステップ--
シグナルの運用開始までにはステップを踏みました。
まずは、シグナルに設定するパラメータを業務担当者と検討するところからはじめました。例えば、適切な移動平均の期間設定については、実際の業務と照らし合わせ、施策(キャンペーン)の期間や、発注までの期間、現在データを確認している周期などから探り出し、設定していきました。その他の業務に依存しないパラメータ(例えば、シグナル検出の信頼区間など)は、参考になる基準がなかったので、様々な値を設定し、シグナルの検知量などから判断していきました。
パラメータを設定し実際にシグナルが検知され始めると、次に社内にシグナルの利用方法を周知させていく必要がありました。その際にポイントとなったのが、単に機能を説明するのではなく、業務の一環として説明したことです。機能の説明だけでは、「なるほど」というところで終わってしまうので、閲覧の入り口として既に定着していたストーリーを用いて、現行の業務の流れを表し、それに沿ってどの作業でレポートを参照するのか、どの作業でシグナルを参照するのかという説明を記載しました。これにより、シグナルでのデータ分析・確認がスムーズに実業務へ組み込まれるようになりました。
こういった、しっかりとした事前準備を経たことで無事にシグナルの運用を軌道に乗せることができました。
■欠品による機会損失を削減
2020年2月よりシグナルの運用を開始。「大きな欠品事故を防げるようになりました」と向田氏は胸を張ります。従来、同社では欠品による機会損失が発生していましたが今期はそれが限りなくゼロに近づく可能性があり、実際に6月時点までの欠品はほぼ発生していません。また、欠品する恐れがなくなったことで、在庫管理にかかっていた工数が削減。購買担当者は本来の購買業務のほか、商品開発や施策のサポートもできるようになりました。
現在、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めているという同社。「注文のうち7割は電話で3割がeコマースサイトです。この比率を今期中に半々にしたいと思っています。リピーターの傾向を正確につかむためにシグナルの活用を考えています」と向田氏は意気込みを語ります。
例えば継続ランク別にグルーピングしてその傾向や定期商品購入者の残存数をウォッチしたり、また年代でグルーピングし、どの年代にどのような商品が売れているのかといった顧客属性の分析もシグナルを活用してやっていきたいと言います。また、「こういった分析結果を即座に反映し、月の上旬・中旬・下旬で細かく販促を掛けられるようなPDCAを回せるようにしたいです」と、さらなる意欲も見せています。
そのほかにも同社ではさまざまなデータとの連携を模索しています。その一つが定期的に行っている電話やWebフォームを使ったアンケートデータとの連携です。また今後取り組む予定の「肌診断データ」との連携、さらにはウェアラブル端末とフラコラアプリとの連携も考えていると言います。「パーソナルデータをYellowfinで分析して、そのお客さまにあった施策の企画や、新商品の開発につなげていきたいですね。」(向田氏)
このようにシグナルによる効果を高く評価し、活用の幅をさらに拡げていくことを検討している向田氏。ですが、シグナルの活用を進めるには課題もあると言います。「シグナルのパラメータ設定はエンジニアがいないと難しいのが現状です。レポートの作成が担当者でもできるように、将来的にはシグナルの設定も現場の人間ができるようになれば、さらに活用の幅が広がると思います。」(向田氏)
今期、協和では基幹システムのリプレースが予定されています。そういった重要なミッションを進めながらも、Yellowfinの活用をさらに進めていくという向田氏。デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む同社の活躍はこれからが本番です。
株式会社協和 情報戦略グループ グループ長 データマネジメントチーム チーム長 向田浩文 氏
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株式会社協和
https://www.kyowa-group.co.jp/
本社:東京都新宿区西新宿1-22-2 新宿サンエービル9F
代表者:代表取締役 堀内 泰司
創業:昭和35年 2月
健康、美、環境、おいしさを切り口として、さまざまな商品を提供している。フラコラオンラインショップでは、原液美容液を中心にプラセンタやコラーゲンなどのエイジングケアに効く美容素材を使ったサプリメントやドリンクなどをラインナップ。また自然派食品では「自然王国」というシリーズで、健康、おいしさ、産地を大切に、素材と栄養素に徹底してこだわった商品を展開している。
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Yellowfinについて
Yellowfinは、自動化で強化されたインテリジェントな製品スイートを提供する、ビジネスインテリジェンスおよびアナリティクスソフトウェアのグローバルベンダーです。継続的にイノベーターとして認識され、BARC The BI Surveyでは、組み込みBIにおいて最高評価を獲得しました。50の国々に渡り、29,000を超える組織で、300万人を超えるエンドユーザーが、日々Yellowfinを使用しています。より詳細な情報は、Yellowfinのウェブサイト(https://yellowfin.co.jp)をご確認ください。
社名 :Yellowfin Japan 株式会社
本社 :東京都中央区日本橋小網町11-8
代表者:代表取締役 CEO Glen Rabie ( グレン・ラビー )
設立 :2014年10月31日
https://yellowfin.co.jp
「いきいき笑顔のある毎日、応援します」──をコーポレートメッセージとして掲げ、いつまでも健康で美しくありたいと願う人たちをサポートすべく化粧品や健康食品を提供している協和。2004年にポジティブな人生を送りたい女性を対象に高純度・高実感ブランド「フラコラ」を立ち上げ、さまざまなビューティヘルスケア商品を展開しています。同社の商品は主に通信販売で提供されており、多くのお客さまは定期便を利用しています。これまで同社では、通販の特性上TVCMを中心に新規の顧客流入が多く、2年ぐらい前からは「全社的にOnly for You、One-to-Oneコミュニケーションを掲げ、既存のお客様に向けたサービスの強化を図っています」と情報戦略グループ データマネジメントチームの向田浩文氏は語ります。
このような経営戦略の意思決定に貢献したのが、Yellowfinによるデータ分析でした。
同社がYellowfinの運用を開始したのは2017年8月。Yellowfin導入以前は、集計ツールやマーケティングツールを使って、各自個別に数字を見ていました。統一指標がなかったため課題を合わせることができませんでした。そこで、全社員が共通して数字を見られる仕組みとしてYellowfinの導入を決めたのです。
Yellowfinの導入により、社員全員が数字を見る習慣が生まれ、レポートもたくさん作られるようになりました。運用2年目からは広告速報やレポートの深掘りができるようにもなりました。広告速報とは、テレビやラジオ、新聞、雑誌などの広告媒体別のレスポンス率などを表示するダッシュボードです。この数字を見て広告チームや施策チームは広告施策の検討を行い、DMを打つなど顧客への営業活動に生かせるようになりました。しかし、レポートが多数作られたことで、「どれを見ればよいか解らない」という問題が生じたため、ダッシュボードの最適化を図り、経営層や、施策担当、購買、販促チームなどユーザーグループごとに見るべきレポートがすぐ見られるようなダッシュボードが提供されました。
■データに基づいた経営判断で定期便の営業利益が向上
協和社内において活用が進めば進むほど、Yellowfinをもっと活用したいという想いも大きくなっていきました。その一つが顧客軸での分析でした。顧客ごとの購入履歴情報などが蓄積されたデータベースに直接アクセスしてみたところ、データの不整備が原因でレスポンスが悪く、容易に顧客生涯価値(LTV)を分析することができませんでした。そこでYellowfinの導入をサポートしているテクマトリックスの担当者に相談。「データの整備をしてもらい、1年くらい前から定期便を契約している顧客のLTVを見られるようになりました」と向田氏は笑顔を見せます。
顧客ごとのLTVを分析できるようになったことで、発見もありました。それは新規に顧客を獲得しても2~3カ月で辞めてしまう人が多いこと。「通販事業ではリピーターを増やしていくことが非常に重要です。そしてリピーターとなってくれたお客さまにクロスセルをしていく方が、営業利益も上がっていくと考え、既存顧客むけのサービスを充実させていくという戦略に転換しました。2年前には購入金額に応じた会員制度を導入し、『フラコイン』という商品と交換できるポイント制はその施策の一つです。」(向田氏)
Yellowfinの活用を進めるためのもう一つの取り組みが、レポートの入り口をわかりやすくすることでした。この問題を解消するために活用したのがYellowfinの「ストーリー」(https://yellowfin.co.jp/suite/data-storytelling)です。ストーリーはデータから得られた発見・気づきを共有するための機能。Yellowfinで作成したレポートや画像・動画など様々なコンテンツを貼り付け、発見や気づきをブログのように書き込むという機能です。「1年前よりストーリーを活用して見せ方を改善。レポートを必要な人にしっかりと届けるための入り口のような役割となっています」と向田氏は語ります。
現在、経営層が見ているのは営業利益や予算を立てたり見直したりするためのレポート。広告を打つ施策チームは、どこの媒体から流入や受注が多かったのかなどをYellowfinでチェック。また販促チームは毎月25日に実施しているキャンペーンの管理などをYellowfinで実施。「1年ほど前から、毎日Yellowfinを見る癖がついてきました」と向田氏は満足そうに語ります。
データに基づいた経営判断ができるようになったことで、定期便の営業利益は向上。予算の組み立ても、短期間で判断できるようになり、Yellowfin導入によって大きな成果がもたらされています。
■シグナル導入で欠品を限りなくゼロに
Yellowfin導入が協和にもたらした成果はこれだけではありません。多くの小売業が抱える問題に「欠品」があります。「当社も欠品の多い会社だった」と向田氏は振り返ります。それには訳があります。最大の理由は商品アイテムが多く、リードタイムがそれぞれ異なることです。「短いもので30日、長いものだと90日。表計算ソフトで日々、在庫数を入力し管理しているのですが、人に頼っているので在庫数が少ないモノを見落としてしまうこともありました。また人によって発注をかけるタイミングも異なります。そういう人に頼る仕組みを改善したいと思いました。」(向田氏)
そこでテクマトリックスの協力を得て、会計ソフトとデータ連携し、Yellowfinで在庫管理ができるようなレポートを作成したのです。これまで人が入力していた業務がなくなったことで、「数字をじっくり見られるようになり、在庫管理のスキルが向上したのです」と向田氏は笑みを浮かべます。ですが、このままでは人に頼る仕組みのままで、欠品をなくすことはできません。この問題を解決するために導入したのがYellowfinの「シグナル」(https://yellowfin.co.jp/suite/signals)というオプション機能でした。「実はYellowfinのレポートに置き換える前から、シグナルの導入を決めていました」と向田氏は話します。
シグナルとはダッシュボードの閲覧だけでは見逃しがちな重要なデータの変化を自動的に発見し通知してくれる機能です。「在庫の急減を検知して知らせてくれることで在庫切れを防げると考えました」(向田氏)
シグナルは協和のように、それぞれに適切な在庫量やリードタイムが異なる商品が膨大な点数があるような場面で特に有用です。通常のアラート(しきい値設定)による在庫管理の場合、膨大な点数の商品ごとにアラートを設定する必要があります。しかし、商品の売れ方(傾向)や、施策が異なるためすべての商品に適切なしきい値を設定することは、現実的には不可能でした。シグナルの場合は、商品ごとの傾向(出荷数の移動平均、信頼区間)を加味して自動的に検知されるので、より現実の商品の流れに沿った検知ができます。シグナルを活用することで効率的かつ、より精度の高い在庫管理が実現できるのです。
2019年12月からシグナル導入に向けた検証を開始。この仕組みを構築するテクマトリックスの担当者は購買チームと約1カ月かけてミーティングを実施。どのくらいの期間を集計すべきか、またどういう値になったら通知をすべきかなど、業務に反映できるような見え方に関してすりあわせていきました。「この作業が一番、難しかったですね」と向田氏は語ります。
--シグナル導入のステップ--
シグナルの運用開始までにはステップを踏みました。
まずは、シグナルに設定するパラメータを業務担当者と検討するところからはじめました。例えば、適切な移動平均の期間設定については、実際の業務と照らし合わせ、施策(キャンペーン)の期間や、発注までの期間、現在データを確認している周期などから探り出し、設定していきました。その他の業務に依存しないパラメータ(例えば、シグナル検出の信頼区間など)は、参考になる基準がなかったので、様々な値を設定し、シグナルの検知量などから判断していきました。
パラメータを設定し実際にシグナルが検知され始めると、次に社内にシグナルの利用方法を周知させていく必要がありました。その際にポイントとなったのが、単に機能を説明するのではなく、業務の一環として説明したことです。機能の説明だけでは、「なるほど」というところで終わってしまうので、閲覧の入り口として既に定着していたストーリーを用いて、現行の業務の流れを表し、それに沿ってどの作業でレポートを参照するのか、どの作業でシグナルを参照するのかという説明を記載しました。これにより、シグナルでのデータ分析・確認がスムーズに実業務へ組み込まれるようになりました。
こういった、しっかりとした事前準備を経たことで無事にシグナルの運用を軌道に乗せることができました。
■欠品による機会損失を削減
2020年2月よりシグナルの運用を開始。「大きな欠品事故を防げるようになりました」と向田氏は胸を張ります。従来、同社では欠品による機会損失が発生していましたが今期はそれが限りなくゼロに近づく可能性があり、実際に6月時点までの欠品はほぼ発生していません。また、欠品する恐れがなくなったことで、在庫管理にかかっていた工数が削減。購買担当者は本来の購買業務のほか、商品開発や施策のサポートもできるようになりました。
現在、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めているという同社。「注文のうち7割は電話で3割がeコマースサイトです。この比率を今期中に半々にしたいと思っています。リピーターの傾向を正確につかむためにシグナルの活用を考えています」と向田氏は意気込みを語ります。
例えば継続ランク別にグルーピングしてその傾向や定期商品購入者の残存数をウォッチしたり、また年代でグルーピングし、どの年代にどのような商品が売れているのかといった顧客属性の分析もシグナルを活用してやっていきたいと言います。また、「こういった分析結果を即座に反映し、月の上旬・中旬・下旬で細かく販促を掛けられるようなPDCAを回せるようにしたいです」と、さらなる意欲も見せています。
そのほかにも同社ではさまざまなデータとの連携を模索しています。その一つが定期的に行っている電話やWebフォームを使ったアンケートデータとの連携です。また今後取り組む予定の「肌診断データ」との連携、さらにはウェアラブル端末とフラコラアプリとの連携も考えていると言います。「パーソナルデータをYellowfinで分析して、そのお客さまにあった施策の企画や、新商品の開発につなげていきたいですね。」(向田氏)
このようにシグナルによる効果を高く評価し、活用の幅をさらに拡げていくことを検討している向田氏。ですが、シグナルの活用を進めるには課題もあると言います。「シグナルのパラメータ設定はエンジニアがいないと難しいのが現状です。レポートの作成が担当者でもできるように、将来的にはシグナルの設定も現場の人間ができるようになれば、さらに活用の幅が広がると思います。」(向田氏)
今期、協和では基幹システムのリプレースが予定されています。そういった重要なミッションを進めながらも、Yellowfinの活用をさらに進めていくという向田氏。デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む同社の活躍はこれからが本番です。
“シグナルを導入して以来欠品がゼロに。欠品による機会損失を限りなくゼロに近づけることができるのではと期待しています”
株式会社協和 情報戦略グループ グループ長 データマネジメントチーム チーム長 向田浩文 氏
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株式会社協和
https://www.kyowa-group.co.jp/
本社:東京都新宿区西新宿1-22-2 新宿サンエービル9F
代表者:代表取締役 堀内 泰司
創業:昭和35年 2月
健康、美、環境、おいしさを切り口として、さまざまな商品を提供している。フラコラオンラインショップでは、原液美容液を中心にプラセンタやコラーゲンなどのエイジングケアに効く美容素材を使ったサプリメントやドリンクなどをラインナップ。また自然派食品では「自然王国」というシリーズで、健康、おいしさ、産地を大切に、素材と栄養素に徹底してこだわった商品を展開している。
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Yellowfinについて
Yellowfinは、自動化で強化されたインテリジェントな製品スイートを提供する、ビジネスインテリジェンスおよびアナリティクスソフトウェアのグローバルベンダーです。継続的にイノベーターとして認識され、BARC The BI Surveyでは、組み込みBIにおいて最高評価を獲得しました。50の国々に渡り、29,000を超える組織で、300万人を超えるエンドユーザーが、日々Yellowfinを使用しています。より詳細な情報は、Yellowfinのウェブサイト(https://yellowfin.co.jp)をご確認ください。
社名 :Yellowfin Japan 株式会社
本社 :東京都中央区日本橋小網町11-8
代表者:代表取締役 CEO Glen Rabie ( グレン・ラビー )
設立 :2014年10月31日
https://yellowfin.co.jp
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