調理師学校への入学者・留学生数減少止まる
ー2023年度「調理師養成施設入学者・留学生実態調査」データ発表ー
全国の調理師学校に対し、入学者・留学生の実態調査を、数年おきに実施してきました。
2016年度からは調理師学校の今の実態をより正確に把握するため、毎年調査を行っています。
今年度の調査データを集計しましたので、その結果および動向をお知らせします。
■新型コロナウイルス感染症が蔓延して以降、減少していた調理師学校の入学者数が、今年度は昨年度と同等の結果となりました。今後の調理師不足が懸念されていましたが、調理師の需要が高まる今、快方に向かっているといってよいのかもしれません。
■留学生の入学者総数は221人で、昨年度から6人減少と、こちらも昨年度と同等の結果となりました。
なお、これまで一番多かったのは、2020年度の564人で、半数以下となっています。留学生の出身国は、中国、韓国、台湾、ベトナムが多くを占めています。
■調理師専門学校に入学した留学生を課程別にみると、1年制に対して2年制以上の課程に約3倍の人数が在籍しています。専門的な調理技術を習得したいという意識の表れであることがうかがえます。
■留学生が専攻する料理部門を調査したところ、約6割が日本料理を専攻していました。
調 査 名:2023年度調理師養成施設入学者・留学生実態調査
調 査 期 間:2023年5月9日~5月31日
調 査 対 象:全調理師養成施設266校(内264校より回答・回答率99.2%)
実 施 主 体:公益社団法人 全国調理師養成施設協会
調理師学校入学者の推移
入学者数は下げ止まりか
調理師学校の入学者は、就学人口の低下に伴い減少してきており、コロナ元年である2020年に回復の兆しが見えたものの、昨年度は減少したと言わざるをえませんでした。
今年度は昨年度と同等の数字となりましたが、快方に向かっていると考えてよいのでしょうか。
長引くコロナ下での飲食店の苦境が影響していると推測されますが、今後地域や観光産業を活性化させるうえで、調理師の需要が見込まれます。
今後も、引き続き状況を追跡します。
留学生総数および留学生出身国(地域) 上位4か国(地域)
調理師学校の留学生も下げ止まりか
今年度の調理師学校における留学生の入学者総数は221人で、昨年度に比べて、6人の減少となりました。
国(地域)別では、アジア圏を中心に、昨年度と同様16カ国(地域)から留学生が来ています。
また、留学生を受け入れている学校数は、こちらも横ばいで34校でした(2020年度は56校)。
コロナの規制がなくなり、各学校で留学生対象の新課程を設置する動きもあり、今後の調理師学校の留学生がどうなるか、引き続き、注意深く見守る必要があります。
留学生在籍課程
1年制でも調理師免許は取得できますが、より専門的な調理技術を習得するために、2年制以上の課程に在籍する留学生が4分の3を占めています。
留学生の専攻料理部門
6割の留学生が日本料理を専攻しているが
前年度入学した留学生が、2年次進級時、または1年制卒業時に専攻する専門料理部門を調査しました。
学校によって、料理部門を専攻しないところもありますが、専攻ありの留学生のうち、日本料理を専攻した学生が約6割を占める結果となりました。
これまで2018年度に専攻料理部門調査を始めてから5年連続で日本料理が7割をキープしていましたが、初めて変化が見られました。
留学生の求めるものが変わってきたのか、引き続き調査を継続します。
■全調協(公益社団法人 全国調理師養成施設協会)とは?
1973年(昭和48)設立。全国206校の調理師養成施設(いわゆる調理師学校)を会員とし、調理師養成施設の教育を振興し、内容の充実を図ることを目的としている。
調理師養成教育は、専修学校をはじめとして、高等学校、各種学校、短期大学、大学、短期大学校などさまざまな学校群・教育課程で展開されている。
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