地域の小規模事業の承継問題に取り組むココホレジャパンに出資
一般財団法人社会変革推進財団(理事長:大野修一、所在地:東京都港区、以下SIIF)は、地域の後継者問題を解決する自治体・金融機関向け継業支援プラットフォーム「ニホン継業バンク(keigyo.jp)」を運営するココホレジャパン株式会社(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:浅井克俊、以下「ココホレジャパン」)にJ-KISS型新株予約権を活用して出資を行いました。
出資先のココホレジャパンは、「経済合理性だけが優先される社会では承継することが難しい、地方の仕事を承継する新しいビジネスモデルの構築」を目的として、継業のためのWebプラットフォーム「ニホン継業バンク(keigyo.jp)」を運営しています。ニホン継業バンクの運営を通じ、地域に存在している極小規模事業の事業承継を対象として、事業譲渡をはじめ、インターン募集やノウハウの提供など、多様な選択肢を通じて「継業」を実現するためのマッチングプラットフォームを提供しています。
ココホレジャパンは現在までに、北海道三笠市、石川県七尾市、岡山県美作市等をはじめとする合計5つの地域で継業バンクを開設し、実際にそれら複数の地域で小規模事業者がニホン継業バンクを通じて継ぎ手を募集し、その後の後継者内定に成功しています。今後は更に多くの地域での継業バンクの開設を目指し事業を拡大していきます。
SIIFは、2020年4月に「お金」や「ヒト」「モノ」など、事業資源の新たな循環の仕組みづくりについて研究開発するためのアクセラレータ―プログラム「ハルキゲニアラボ」を開始しました。その第一期生であるココホレジャパンに対し、助成金の提供およびプロジェクト実施のサポートや社会的インパクトマネジメントの研修提供など、半年間にわたり様々な事業開発支援を行ってきました。本プログラムでの支援を通じ、ココホレジャパンの事業が顧客の問題や課題を具体的に解決できるサービスであると確認するとともに、今後の地域社会における新しい生業や産業の担い方を実現するエコシステムになりうると判断しました。
【SIIF専務理事 青柳光昌のコメント】
このたび、ハルキゲニアラボ第一期の参加団体であるココホレジャパンへ出資することができ、大変嬉しく思っています。ココホレジャパンとはハルキゲニアラボを通じて、地域にとって小規模でも存在価値のある事業の承継の問題に取り組んでまいりました。「ニホン継業バンク」と銘打ったWebプラットフォームで事業承継の丁寧で詳細な情報を掲載し、事業の継ぎ手と マッチングできたのも、地方自治体が参画するサブスクリプション型のモデルを開発したことによるところが大きいと考えています。このことは、事業承継における新しいマーケットを切り開く可能性があり、ココホレジャパンに大きな将来性を感じています。今回の出資はラボの成果に基づいて、その取り組みを成長・拡大することであり、今後さらに全国の地域にとって大切な事業の「継業」が進むことを期待しております。
【ココホレジャパン株式会社 代表取締役社長 浅井克俊氏のコメント】
ソーシャル・ビジネスにとって、資金調達は難題です。短期間での成長を目指すスタートアップと比べ、その多くは、成長は緩やかで、経済合理性のみで測られれば、資金調達は容易ではありません。そんなソーシャル・ビジネスにとって「インパクト投資」は、大きな可能性を提示してくれます。
今回、日本におけるインパクト投資をリードするSIIF様と出会い、アクセラレーター・プログラム「ハルキゲニアラボ」を経て、ご出資いただいたことは、私たちの可能性を広げる大きな転機となりました。地方の小さな広告制作会社であった私たちは、クライアント・ニーズではなく、後継者不足という全国の地域課題と向き合う企業に生まれ変わったのです。
ハルキゲニアラボについて https://hallucigenia-lab.com/
ハルキゲニアラボとは「新たな資源循環の仕組みづくり」を目指し、社会的なエコシステムづくりを行う事業者の支援・開発に特化したアクセラレータープログラムです。多様な生物の誕生が爆発したカンブリア紀において、奇妙な構造を持っていたとされる生物「ハルキゲニア」を名前の由来としており、一見不自然であったり、非合理的であったりする事業アイディアを「社会的に必要なユニークでチャレンジングな取り組み」として捉え、社会の中に複数生み出していくことを目的としています。
社会変革推進財団(SIIF)について https://siif.or.jp/
社会課題の解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会を目指し、自助・公助・共助の枠組みを超えた社会的・経済的資源循環のエコシステムの実現を目指します。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとするインパクト投資のモデル開発や実践、普及のための環境整備、調査研究・政策提言に取り組んでいます。
SIIFは日本財団から助成を受けこれらの活動を行っています。
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