「DXを知らない」は74.1%。中小企業のDX推進には認知向上が不可欠|中小企業におけるDXの実態調査
経済産業省のDXレポートにおいて、2025年の壁(2025年に生じる可能性がある大規模な経済損失)が提起されて以来、国内ではさまざまな企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し始めています。またコロナ禍における働き方や生活様式の変容は、デジタル化の流れを加速させました。こうした変化への対応や人手不足の解消は、中小企業の最重要課題であり、DXによる変革が期待される分野でもあります。
そこでネットオンでは、クラウド型採用サイト作成ツール「採用係長」の登録ユーザーである中小企業の採用担当者を対象に、DXに関する実態調査を実施しました。
<調査概要>
調査期間 :2021年10月15日(金)~10月21日(木)
調査方法 :インターネット調査
調査対象 :「採用係長」利用事業所の人事・労務担当者様
有効回答数:294
<調査結果の注意点>
%を表示する際に小数点第2位で四捨五入しているため、単一回答の場合は100%、複数回答の場合は合計値に一致しない場合があります。
<調査結果>
・74.1%の事業所が「DXを知らない」と回答。DXの取り組みが進んでいる事業所は、わずか9.6%に留まった。
・自社で進めているDXは「書類のデジタル化」や「ITツールの導入」など。一方で「IT人材の確保」や「費用」などが障壁となっている。
・DXを知らない事業所のうち、43.1%がDXに興味を示した。自社での取り組みについては、37.2%が「進むと思う」と予想。
68%の事業所が”DX”という言葉を「聞いたことがない」
“DX”という言葉を聞いたことがあるかどうかについて質問したところ(n=294)、「いいえ(=聞いたことがない)」と回答した事業所は、68%。中小企業においては、DXの知名度が低いことが明らかになりました。
「聞いたことがある」事業所の80.9%は、”DX”の意味も知っている
“DX”という言葉を聞いたことがある事業所へ、DXの意味について質問したところ(n=94)、80.9%が「はい(=知っている)」と回答。聞いたことがある事業所においては、非常に高い割合で認知されていることが分かります。
一方で、DXを知らない(「聞いたことがない」+「意味を知らない」)事業所は全体の74.1%を占めており、認知向上の必要性を感じる結果となりました。
DXの取り組みが進んでいる事業所は、10%未満
続いて、自社のDXの取り組みについて進捗状況を尋ねたところ(n=94)、「進んでいる」事業所は、わずか9.6%に留まりました。これは中小企業全体の3.1%です。
DXを知っているケースでも取り組みには至っていない、中小企業の現実が浮き彫りになっています。DXの認知度の低さとともに、取り組みが進んでいない点も中小企業の課題として浮かび上がってきました。
DXの取り組みは、「ITツールの導入」や「IT人材の活用」など
自社で実施中の取り組み、または実施予定の取り組みについては、「書類のデジタル化」「ITツールの導入」「DX推進のためのIT人材の採用・活用」をはじめ、41の回答が得られました。業務の効率化や自動化による生産性の向上を目指し、DXを進める様子がうかがえます。
Q4.DXへの取り組みとして具体的に実行していること、またはこれから実行しようとしている事があれば教えてください
<自由回答・一部抜粋>※カッコ内は、業種/従業員規模/所在地
・アンケート集計のデジタル化(レジャー・エンタメ/10名未満/福岡県)
・WEB面接、電子契約書(運輸・物流/10名未満/熊本県)
・給与明細のデジタル化、勤怠管理システムの導入、コールシステムのクラウド化、基幹システムの刷新(介護・福祉/30~49名/東京都)
・テレワークの推進や定点カメラによる現場管理(製造/30~49名/愛媛県)
DX導入の障壁は、「IT人材がいない」「コスト」「現場の理解」など
DXを実施するうえでの障壁には、「DXに対応できる人材の確保」「コスト」「スタッフのITリテラシーが低い」などが挙げられました。
DXの必要性を感じていても、担当できる人材がいないケースや現場の理解を得ることが難しいなど、企業ごとにさまざまな課題があることが分かります。
Q5.DXへの取り組みで障壁となったこと、または障壁と感じている事があれば教えてください
<自由回答・一部抜粋>※カッコ内は、業種/従業員規模/所在地
・スタッフが新しい取り組みに消極的(医療/10名未満/新潟県)
・社員のITリテラシーの低さ、新しい事に取り組む面倒さへの抵抗感(建築・建設/10~29名/大阪府)
・経費の問題(製造/10~29名/大阪府)
・システム知識、エンジニア不足(その他/10~29名/東京都)
DXを知らない事業所のうち、40%以上はDXに「興味がある」
DXを知らない事業所へDXの意味を説明し、改めてDXへの興味を確認したところ(n=218)、「興味がある」は43.1%でした。DXへの関心は、決して低くないといえるでしょう。この結果からも、中小企業のDXが遅れている背景に認知不足があることが推察できます。
DXの取り組みは、「当面の間は進まないと思う」が半数以上
DXを知らない事業所へ、今後DXが進むと思うかどうか尋ねたところ(n=218)、「当面の間は進まないと思う」が62.8%。実効性については、DXへの関心の高さに反する結果となりました。
一方で対応スピードは異なるものの、37.2%はDXが進むことを予想しています。
進まないと思う理由は、「必要性がない」「予算がない」など
進むと思う理由は、「取り組まなければ取り残される」「すでに取り組み始めている」など
Q7で回答された理由について、147の回答が得られました。
Q8.Q7の理由を簡単に教えてください
<自由回答・一部抜粋>※カッコ内は、業種/従業員規模/所在地
■半年以内に進むと思う理由
・コロナの影響により、デジタル化が大幅に進行すると思う(建築・建設/10名未満/長崎県)
・デジタル化することで管理や効率が上がると思う(建築・建設/10名未満/北海道)
■1年以内に進むと思う理由
・デジタル化しないと時代に取り残されると思う(教育/10名未満/埼玉県)
・まだ未知だが、必要性は感じるから(理美容・エステ/10名未満/北海道)
■3年以内に進むと思う理由
・デジタル化できるところはデジタル化すべきだとは思っているが、技術職や接客業は中々難しいとは思う(理美容・エステ/10名未満/大阪府)
・現在デジタル化が進んでいるが、もう少し時間がかかりそう(その他/10名未満/愛知県)
■当面進まないと思う理由
・DX自体が分からない(介護・福祉/10名未満/栃木県)
・現状で特に不便さを感じていない(医療/10名未満/千葉県)
・システムがアナログでデジタル化を進めるための予算がない(レジャー・エンタメ/10~29名以下/熊本県)
まとめ
今回の調査では、中小企業におけるDXの認知度や取り組みについてアンケートを実施しました。その結果、DXを知らない(「聞いたことがない」+「意味を知らない」)事業所が74.1%に上り、中小企業におけるDXの認知度の低さが浮き彫りになりました。一方でDXへの関心は高く、認知が進めば中小企業においてもDXが進むことが期待できそうです。
中小企業にDXを浸透させるためにはDXの正しい理解はもちろん、自社に見合う手段が選択できることを知る必要もあります。まずは中小企業の負担にならないITツールやデジタル化手法を導入してスモールスタートし、そこで成功体験を得ることがDXの加速につながるのではないでしょうか。
ネットオンでは、「採用係長」の提供を通じてDXの第一歩を踏み出す中小企業をサポートし、採用課題の解決に貢献してまいります。
本アンケート調査の詳細な内容は弊社運営メディア『採用アカデミー』にて紹介しております。ぜひご活用ください。
https://saiyo-kakaricho.com/wp/webma/survey_dx/
<記事等でのご利用にあたって>
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<「採用係長」について>
最短2分で訴求効果の高い充実した求人ページが完成し、求職者の集客から応募者の選考状況までを一元管理できるクラウド型の採用サイト作成ツールです。作成した採用サイトは、ワンクリックで最大6つの求人検索エンジンサイトやSNSに自動連携・一括掲載でき、全国の求職者への訴求と集客力の向上を実現します。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて新たに追加した「カンタンWeb面接機能」によって採用面接のオンライン化と採用業務の効率化を実現し、専属スタッフのサポートで採用の成功率をさらに高めます。
公式HP:https://saiyo-kakaricho.com
<会社概要>
株式会社ネットオン
代表者:代表取締役 木嶋 諭(きしま さとし)
設立:2004年10月1日
事業内容:クラウド型採用サイト作成ツール「採用係長」の開発・運営
資本金:3億7628万円(資本準備金含む)
所在地:大阪市北区野崎町7-8 梅田パークビル1F
公式HP:https://neton.co.jp/
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