世界初*!遮熱塗料のカーボンクレジット化のプロジェクト始動
~工場・店舗向け脱炭素対策!約10%の省エネに加えてCO2削減効果の収益化も促進~
株式会社Linkhola(本社:東京都港区、代表取締役:野村恭子、以下「Linkhola」)は、株式会社フジサワ(本社:群馬県前橋市、代表取締役:藤澤星、以下「フジサワ」)と共同で、遮熱塗料による空調エネルギー削減効果をクレジット化する世界初(*1)のプロジェクトを開始したことをお知らせします。本プロジェクトでは、遮熱塗料のCO2削減効果を定量評価する新方法論を開発し、Linkholaが運営するクレジット発行プラットフォーム「EARTHSTORY」に実装いたします。2025年度秋以降には、本方法論による第1号のボランタリークレジット発行を予定しております。

【プロジェクトの必要性と社会課題】
日本国内では猛暑日が年々増加し、特に都市部においてはヒートアイランド現象の影響も加わり、建物内外の温度上昇による熱中症リスクが深刻化しています。これに伴う空調の電力消費量増大は、企業の脱炭素化に逆行するだけでなく、電力コスト削減が急務となっている今、喫緊の課題となっています。
こうした状況下で注目されてきたのが「遮熱塗料」です。遮熱塗料は建物の主に屋根に塗装することで、表面温度や室内温度の上昇を効果的に抑制することができます。具体的に、年間約68万kWhの空調の使用電力量を約10%削減したという事例(*2)があります。現在の市場規模は、比較的大規模な遮熱塗料案件だけでも年間1千件、50億円規模と大きく、今後は脱炭素対策への関心が高まるほどに、市場の拡大が見込まれます。
その一方で、この省エネルギーや電力コスト削減効果を“定量的に”示すことは難しいとされてきました。
・導入企業にとっては環境価値が明確化しにくく、投資対効果を客観的に評価できない
・塗料メーカーや施工会社にとっては、本来あるはずの遮熱塗料の付加価値(環境価値)を十分に訴求できない
こうした課題を打破すべく、Linkholaとフジサワは遮熱塗料のもたらす省エネ効果、CO2削減効果を算定して「見える化」するための方法論を、共同開発するプロジェクトを立ち上げました。
【プロジェクトの特徴と概要】
Linkholaは、ボランタリークレジットの創出から取引・活用までを一気通貫で支援する脱炭素スタートアップです。本プロジェクトでは、自社で運営するカーボンクレジット制度「EARTHSTORY」において、遮熱塗料の新方法論の開発にフジサワと協働して取り組みます。
具体的には、主に以下の要素を組み合わせて、世界初(*1)の方法論開発を実現いたします。
・JIS規格(*3)で省エネルギー効果が認められた遮熱塗料
・空調エネルギーなどの客観的な計測方法としてのIoTの活用
・東京大学等の学識経験者とのコネクション、フジサワのノウハウ・専門的知見の反映
・Linkholaの算定方法論の開発ノウハウとWebプラットフォームの活用
また、平行して、遮熱塗料を実装する企業の工場・大型店舗等を募集し、本方法論を通じたクレジット化の実証プロジェクトを同時に進めてまいります。
さらに、今後の展開としては日本以外に、ASEAN諸国・インド・中東などの海外展開も視野に入れております。これらの地域では、熱帯気候かつ低い省エネ技術水準のため、遮熱塗料を実装することで約2倍の省エネ効果、CO2削減効果が期待できると言われております。日本の塗料素材・施工技術が海外でも社会インパクトを波及できる取り組みとして、日本発で本プロジェクトを進めてまいります。

【企業にとってのメリット】
遮熱塗料の導入およびクレジット化によって、主に以下の定量/定性メリットを企業にもたらします。
<定量>
・電力使用量/CO2排出量の削減
・クレジット販売による収益/自社のオフセット
<定性>
・CO2削減効果に関するサステナビリティ統合報告書、株主などへの情報開示
・労務環境の改善
またEARTHSTORYにおいては、国内外の他の制度と比較して
・世界初(*1)、遮熱塗料方法論によるクレジット化が可能
・申請から最短3か月でのクレジット発行
・グローバルでのクレジット取引が可能
といった強みがあります。

【なぜ我々が本プロジェクトに取り組むのか】
Linkhola代表の野村とフジサワ代表の藤澤氏は、共に東京大学松橋隆治教授の研究室出身で、両者は同研究室での研究や事業活動を通じて、遮熱塗料に関する深い知見、ノウハウ、業界専門家との豊富なネットワークを有しております。中でも藤澤氏は、本件遮熱塗料に関する実証研究、学会発表・論文執筆などにもこれまで広く携わってきた技術系の経営者であります。
そして、Linkholaは国内でのボランタリークレジットの普及を進める脱炭素スタートアップです。代表の野村は20年以上の業界経験を有する専門家であり、国内クレジット(Jクレジットの前身)や東京都の排出量取引制度等のカーボンクレジットにかかる制度設計、企業の環境プロジェクトのリードを広く担当してまいりました。そうした経験から、Linkholaが運営するEARTHSTORY制度の審査プロセスは、国内外のクレジット制度で求められる厳格な要件を具備しており、信頼性の高いクレジットの発行およびその制度運営を実現しております。
遮熱塗料の方法論、プロジェクトの実例は、Jクレジット制度のみならず世界の主要なクレジット制度においてもいまだ前例がないとみられます(2025年4月18日時点弊社調べ)。国内のボランタリークレジット業界をリードするLinkholaと、遮熱塗料およびその研究分野での実績ノウハウを豊富に有するフジサワの2社がタッグを組み、この難易度の高い世界初(*1)のプロジェクトにチャレンジしてまいります。

【今後に向けて】
本プロジェクトで開発される遮熱塗料のクレジット方法論は、従来“見えづらかった”省エネルギー効果を明確に可視化し、その導入成果をカーボンクレジットとして創出・流通させることで、費用対効果の高い取り組みとして企業の脱炭素経営を後押しします。
Linkholaは、ボランタリークレジットの創出から取引・活用までを一気通貫で支援するスタートアップとして、太陽光、畜産、森林、そして今回の遮熱塗料など、多様な方法論の拡張を進めております。また、上場企業を含め、EARTHSTORYでのクレジット創出者や需要家の参画企業も年々増加しております。
迫りくるカーボンニュートラル実現への期限を見据え、今後もスピード感をもってクレジット市場の発展に取り組み、社会全体の脱炭素化に貢献するリーディングプレイヤーとして業界貢献に努めてまいります。
【お問い合わせ】
以下、遮熱塗料のクレジット化、本プロジェクトに関心のある経営者の方、または企業のご担当者は、ぜひお問い合わせください。
・遮熱塗料を導入済み(または導入予定)で脱炭素経営を推進したい企業様
・遮熱塗料の補助金を検討する自治体の担当者様
株式会社Linkhola 事業開発部
Email: contact@linkhola.com
電話番号: 03-6821-1822
https://www.linkhola.com/linkholacontact/
【株式会社フジサワについて】
株式会社フジサワは群馬県前橋市で創業100年超の歴史を持つ、建物・設備メンテナンスの専門企業です。鋼道路橋や発電施設、各種工場・倉庫に至るまで、多様な建築・インフラ構造物の塗装・防水・保守を手がけてきた豊富な実績を誇ります。
【代表者コメント】
株式会社フジサワ 代表取締役 藤澤星:
「株式会社フジサワは株式会社Linkholaと2022年10月から業務提携を開始し、特に中小企業の脱炭素経営の取り組みを支援・より前進させるため、様々なステイクホルダーとの議論を進めておりました。その中で、弊社は多数の遮熱塗料の施工事例を持っており、その経験やノウハウに基づく知見を提供し、世界初となる遮熱塗料による省エネルギー効果をボランタリークレジット化するための方法論共同開発プロジェクトを実施することとなりました。
遮熱塗料は東日本大震災後の節電ソリューションとして注目を集め、工場建屋の屋根を中心に様々な建物への導入が進んでいます。しかし、遮熱塗料を施工することによる省エネルギー効果が算出しにくいことから、近年の気候変動による猛暑・熱中症対策としての位置付けとなってしまっている現状があります。このため、本プロジェクトによって遮熱塗料による省エネルギー効果を明確化することで、建物分野での脱炭素ソリューションとして遮熱塗料の導入がより進むことを期待しております。」
株式会社Linkhola 代表取締役 野村恭子:
「遮熱塗料が持つ環境価値を、カーボンクレジットというかたちで可視化・定量化する本取り組みは、国内はもちろん、グローバルに見てもまだ前例のない挑戦です。しかし、気候変動のリスクがますます顕在化するいま、こうした“目には見えにくかった効果”にもしっかりと価値を与える仕組みが必要だと私たちは考えています。
Linkholaはこれまでも、様々な分野でクレジット化の仕組みを構築してきましたが、今回は建築・建材という新たな領域への挑戦になります。現場で積み上げられてきた確かな技術と、私たちが持つ環境評価ノウハウとを掛け合わせることで、企業が安心して脱炭素経営に取り組める実効性のあるソリューションを形にしていきたいと考えています。」
【会社概要】

■株式会社フジサワ
代表者:藤澤 星
所在地:群馬県前橋市本町1丁目10-3
事業内容:建物・設備メンテナンス(遮熱塗料の施工を含む)
創業:1923年1月5日

■株式会社Linkhola
代表者:代表取締役 野村恭子
所在地:東京都港区浜松町2-2-15 浜松町ダイヤビル2F
事業内容:カーボンニュートラル支援事業、地方創生事業、脱炭素・DXに向けたコンサルティング事業
設立:2020年1月20日
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*(*1)2025年4月18日時点弊社調べ
(*2)出典:https://www.udtrucks.com/japan/news-and-stories/news/gunmapartscenter-solarheat-reflective-paint
(*3)JIS K 5603「塗膜の熱性能-熱流計測法による日射吸収率の求め方」
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