【市場調査会社ミンテル】Hi Japan 2023(食品開発展)にて、世界と日本のZ世代を比較し「Z世代向け食品・飲料」の製品開発・マーケティング手法について講演
―「10代の脳」の衝動に突き動かされる、価値観と行動が一致しない世代に各企業はどのようにアプローチすべきか―
本プレゼンテーションでは、世界と日本のZ世代を比較し、彼らのサステナビリティに関する意識と行動の差やニーズ、十代に特有の脳の働きを考慮した今後の製品開発およびマーケティング手法の提案をしました。さらに、国内外の例を取り上げながら、ミンテル世界新商品データベース(GNPD)および消費者データを基に、Z世代に響く製品開発についても解説しました。
本プレゼンテーション資料のダウンロードはこちら:https://japan.mintel.com/genz-eating-habits-comparison
取り上げたトピック
1. Z世代とサステナビリティ
2. Z世代にとっての健康とご褒美
3. Z世代にとっての間食と食事
1.Z世代とサステナビリティ
ジョニーはZ世代のサステナビリティに対する意識と行動の差について、次のように解説しました。
「日本では18~24歳の35%が倫理的な労働環境を最も重視していますが(55歳以上の成人では15%)、非倫理的な労働環境が批判されているファストファッションブランドSHEINはZ世代を中心に人気を獲得し、世界での売上高は、300億ドル(2023年10月現在:日本円にして約4.5兆円)に達しました。これは、2022年に93%成長した計算になります。また、ミンテルの行ったサステナビリティに関する調査からも、同じようにZ世代は掲げている価値と実際の行動に差があることが分かります。」
スウェーデンのZ世代であるグレタ・トゥーンベリさんの国連での主張をきっかけに、気候危機への対策を求める「未来のための金曜日」活動が日本でも起こりましたが、気候変動に関心の高い日本のZ世代(18~24歳)はわずか22%(55歳以上では52%)、過去1年間にパッケージをリサイクルに出したフランスのZ世代(16~24歳)は50%(55歳以上では80%)、サステナブルなメッセージを無視するカナダのZ世代(18~24歳)は41%(ベビーブーマー世代は27%)という数値になっています。
ジョニーは、「各ブランドはZ世代が発信する表向きの価値観に捉われず、サステナビリティの訴求よりも実際に強い購入の動機となる『味』にまずは注力し、次に『ブランド、価値、健康』そしてサステナビリティという順番にメッセージを伝えるべきです。」と提言しました。
2.Z世代にとっての健康とご褒美
次にジョニーは、Z世代が「健康的な生活が根付いた時代」を生きていることに言及し、飲めるがあえて飲まない「ソバーキュリアス」な若者が増え、世界規模で減少する若者の喫煙習慣に触れつつも、彼らが実態としては、「健康でありたいと望みながらもうまく実現できていない」ことをミンテル独自の消費者調査を基に示しました。
また、こうした意識と行動の差を引き起こす原因として、「10代の脳(The teenage brain)」を挙げ、若者が脳の構造的に成人よりも甘いものを好むことが科学的にも実証されていることを明らかにしました。さらに、上の世代の価値観である「健康=長寿のため」はZ世代には当てはまらず、彼らにとっては「健康=幸せ」であるとしました。
「Z世代はスマホの使用により最も精神状態が安定しない世代と言えます。アメリカの18~26歳のうち、心の健康を改善したいと考えている消費者の割合は54%で身体的健康(42%)よりも上回り、『コロナ禍の2021年に鬱を経験した』と回答した日本の18~24歳は59%でした。彼らは上の世代よりも、食生活に気分の向上を求めており、食品・飲料に心の健康の改善を期待しています(上記の図:食生活で気分を向上させたい日本の18~24歳は35%、世界では39%に対し、25歳以上ではそれぞれ26%と29%)。また、彼らは『食べても罪悪感のないご褒美になるおやつ』も求めています。Z世代を対象とするブランドは、長期的な健康上のメリットよりも、簡単に健康を実現できる商品でZ世代を惹きつけると良いでしょう。」と提案し、いくつかの国内外からの製品例を示しました。
3.Z世代にとっての間食と食事
最後のセクションでは、Z世代にとって間食は食事を妨げるものではなく、間食も「食事」であるとし、時間帯ごとに変化する間食のニーズについて説明しました。
ジョニーは最後に「Z世代は間食が大好きです。各ブランドは、若者が起床時に気軽に健康的にエネルギー補給をする、または午後に一息入れたりするニーズに注目するとよいでしょう。創造力を働かせて食べる間食や軽食、またはそれらで遊ぶ『裏技』をSNSで紹介するのも良いでしょう。」とし、プレゼンテーションを締めくくりました。
本プレゼンテーション資料のダウンロードはこちら:https://japan.mintel.com/genz-eating-habits-comparison
講演者(ジョニー・フォーサイス)およびミンテルブースの様子
ミンテルブース展示品の例
ブースでは、プレゼンターのジョニーが本展示会のためにピックアップした「Z世代向け食品・飲料」を展示しました。また、Z世代向け商品以外にも「プラントベース飲料」、「メンタルウェルビーイング」、「サステナブル」という3つのテーマのもと、世界中から商品を取り寄せ展示いたしました。ここでは一部をご紹介します。ご興味のある方は、ぜひミンテルジャパンまでお問い合わせください。
出典:ミンテル世界新商品データベース(GNPD)
【ミンテルジャパンについて】
ミンテルジャパンは、ロンドンに本社を置く大手市場調査会社「Mintel Group」の日本法人です。専門分野のアナリストと新商品の調査員を世界各国に配置し、独自の消費者調査や新商品情報の収集を行っております。
その独自のデータを基にした消費財業界のグローバルトレンドと市場変化の予測に強みがあります。日本では主に「美容・化粧品」「食品・飲料」「ライフスタイル」の3分野に注力し、サービスを展開しています。
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