水電解の共通基盤技術開発に向けたNEDO事業を産総研と共同実施
~高効率かつ低コストな水素製造技術の実用化に貢献~
株式会社堀場製作所(本社:京都市南区、代表取締役社長 足立 正之|以下、当社)は、国立研究開発法人産業技術総合研究所(本部:東京都千代田区、理事長 石村 和彦|以下、産総研)などが推進する「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業/燃料電池・水電解の共通基盤技術開発/高温水蒸気電解評価解析プラットフォームの技術開発(以下、本プロジェクト)」に参加します※1。
本プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が推進する事業の一環であり、次世代の水電解方式として期待されるSOEC※2(固体酸化物形電解セル)の劣化評価・解析法の確立や劣化機構解明に向けて取り組みます。当社は、独自開発のSOEC評価システムを用いて長時間耐久試験や性能試験を行います。ここで得られた結果をもとにSOECの劣化評価および解析に関する手法や標準的な性能・精度を有する評価装置の仕様の確立をめざします。これにより、SOECセルスタック※3の要素技術開発を加速し、次世代水電解システムの実用化に貢献します。
当社は今後も、脱炭素社会の実現に向けた技術開発や社会実装に貢献する幅広いソリューションを提供してまいります。
【背景】
脱炭素社会の実現に向けて、世界で水素エネルギーの活用が進んでいます。水を電気分解して水素と酸素を生成する水電解方式のうち、SOECは、アルカリ溶液※4や固体高分子膜(PEM)※5などを用いた技術と比較して、高効率かつ低コストな水素製造技術として注目されています。NEDOが目標とする2035年以降のSOECシステム普及拡大に向け、さらなる技術革新が求められています。
本プロジェクトには、当社をはじめ日本国内のSOEC関連企業が参画しています。これまで培ってきた分析・計測ソリューションの強みを活かし、産総研をはじめとする関係各社と連携し、幅広い知見の共有を図りながら、SOEC技術の発展に貢献します。
【本プロジェクトにおけるHORIBAの取り組み概要】

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テーマ |
「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業/燃料電池・水電解の共通基盤技術開発/高温水蒸気電解評価解析プラットフォームの技術開発」 |
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期間 |
2025年6月~2030年3月(予定) |
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内容 |
高精度SOECセルスタック評価装置を用いた長時間耐久試験・性能試験の実施 |
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目標 |
①評価試験項目の妥当性と適用性の確認 ②標準的なSOEC性能評価法、劣化評価法の妥当性検証 ③標準的な性能・精度を有する評価装置の仕様確立 |
【HORIBAのSOEC評価システムについて】
本プロジェクトでは、燃料電池やSOECのセルスタック性能を評価する「Evaluator(エヴァリュエーター) S5-HT」に分析計などを組み合わせたシステムを用い、水蒸気の流量や温度を制御してセルスタックに供給し、水素の生成量を測定します。
数千時間にわたる連続耐久試験や、電流・電圧を変えた際に生じる水素生成量の変動測定など、さまざまな条件を再現して評価が可能です。

※1 「水素利用拡大に向けた共通基盤強化のための研究開発事業」は、NEDOが主導する水素の本格的な普及拡大に向けたプロジェクトであり、複数の研究開発項目に分かれています。当社は、その中の「燃料電池・水電解の共通基盤技術開発」における「高温水蒸気電解評価解析プラットフォームの技術開発」に、産総研の共同実施先として参加します。
※2 Solid Oxide Electrolysis Cell の略称。セラミック膜を電解質として高温で動作し、水蒸気を電気分解して水素を製造する方式。電気分解効率が非常に高く、他の水電解方式と比べて電力コストの低減が期待されます。
※3 セル:水の電気分解を行う基本単位。電極と電解質膜で構成され、1枚で水素と酸素を発生させます。
スタック:複数のセルを積層して構成され、水素の生成量を高めます。
※4 アルカリ性の水溶液(主に水酸化カリウムなど)を用いる方式。長い実績があり、設備コストが比較的低い点が特徴です。
※5 固体高分子膜(PEM:Proton Exchange Membrane)を用いる方式。高純度な水素が得られ、応答性が高く、コンパクト
な装置設計が可能です。
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