豊田合成株式会社からシリーズCラウンドにおける資金調達を実施
開発体制と営業体制の強化および連携によりグローバル事業化を目指す
光パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」の開発・製造・販売を手掛けるパイフォトニクス株式会社(本社:静岡県浜松市中央区、代表取締役:池田貴裕)は、豊田合成株式会社(本社:愛知県清須市、取締役社長・CEO:齋藤克巳)を引受先とする第三者割当増資を実施し、資金調達を完了しましたのでお知らせします。本資金調達を通じ、当社は事業拡大をさらに加速させ、光パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」のグローバル事業展開を本格化してまいります。
今回の資金調達および事業展望に関する詳細は、以下の社外向け決算報告会にてご報告いたします。
日時: 2024年12月27日(金)17:00~
場所: パイフォトニクス株式会社 ホロライトビル
参加対象: 金融機関、支援機関、報道関係者、スタートアップ企業等(要事前申し込み)
<資金調達の目的>
今回の資金調達は、当社の成長を次のステージに押し上げる重要な一歩です。光パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」を通じて、世界中のお客様に新しい価値を提供し、企業価値の向上に努めてまいります。このたびのシリーズC投資ラウンドを通じて、さらなる成長を目指して、次のような取り組みを進めていきます。
1.開発体制の強化
当社は、2017年10月に本社「ホロライトビル」開設以来、光パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」の開発を中心に事業を展開してきました。2020年には、ホロライトビル3階に研究開発用ラボスペースを新設し、さらなる製品ラインナップの拡充に取り組んでいます。このたび、当社代表取締役と同じ大学の研究室で光技術を学び、上場企業において豊富な経験を積んだ新たな技術部長が就任いたしました。これに伴い、これまで代表取締役が兼務していた技術部長職を新技術部長に引き継ぎました。これにより、当社の技術開発体制が刷新され、新しい技術部長が上場企業で培った製品開発力、プロジェクト管理能力、組織マネジメント手法を活かし、組織的かつ戦略的に新製品開発を行う体制へ進化していきます。
2.営業体制の強化
当社は、2019年の資金調達以来、営業組織を構築し、製造業を中心に安定した受注販売の実績を積み重ねてきました。今後、営業人材の採用を強化することで、従来の展示会出展と問合せ対応を中心とする守りの営業形態から、既存顧客への深耕営業や、製品の技術的優位性を前面に出した差別化提案を中心とする攻めの営業形態へと改革を進めていきます。また、2022年の米国での展示会出展をきっかけに、米国鉄鋼業界を中心にクレーン用安全照明の販売実績が増加しており、全世界を対象としたグローバル市場開拓を開始しています。さらに、各国で開催される展示会に積極的に参加し、現地ユーザーのニーズを的確に把握した上で、効率的に開発現場へフィードバックすることにより製品開発を促進しています。これにより、事業成長スピードを加速させ、経営基盤を一層盤石なものにしていきます。
3.調達先との連携体制の強化
今回の資金調達を契機として、調達先である豊田合成株式会社との連携体制を強化し、両社の技術的リソースやノウハウを融合させることで、新規ビジネスの創出や既存ビジネスの拡大を目指してまいります。豊田合成株式会社の海外拠点への製品導入検討を出発点として、他社への導入展開や新たな販路開拓を積極的に進めてまいります。この取り組みを通じ、当社製品の技術的優位性をより広範な市場で発揮し、海外ビジネスの可能性を大きく広げることを目指しています。本取り組みを通じ、パートナーシップをより一層強化し、国内外における事業拡大や技術革新を促進してまいります。また、グローバルな市場競争力を高めるとともに、両社の持続的な成長を実現するために協力を深めてまいります。
本資金調達により、当社はこれまで以上に成長を加速させ、長期的な視点での企業価値向上を目指してまいります。積極的な海外事業展開を行い、光パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」のグローバル事業の拡大を加速し、2026年9月期に名古屋証券取引所への株式上場、2028年9月期に東京証券取引所への株式上場を目指します。
<今後の海外展示会出展の予定>
下記は、現時点での出展予定であり、今後、さらに海外展示会出展を追加する計画です。
2025年2月20日~22日:IETF 2025@インド・ニューデリー*
2025年3月25日~27日:EXPOACERO 2025@メキシコ・モンテレイ
2025年5月5日~7日:AISTech 2025@米国・テネシー州ナッシュビル
2025年7月7日~10日:KISS 2025@韓国・京畿道高陽市
2025年11月4日~7日:A+A 2025@ドイツ・デュッセルドルフ
*ジェトロが支援するジャパンパビリオンブースでの出展となります
<投資ラウンドについて>
投資ラウンドとは、スタートアップ企業が成長のために必要な資金を調達するプロセスを段階的に行う仕組みを指します。以下に、一般的な投資ラウンドの種類を紹介します。
① プレシード:ビジネスのアイデア検証や初期プロトタイプ開発
② シード:プロトタイプ開発、製品の市場適合性(Product-Market Fit)の確認
③ シリーズA:製品の市場投入、顧客基盤の拡大、収益モデルの構築
④ シリーズB:事業の拡大、市場シェアの確保、スケーラビリティの向上
⑤ シリーズC~:大規模な事業拡大、海外進出、新規プロダクト開発
⑥ IPOまたはエグジット:株式市場での上場(IPO)や、他の企業による買収(M&A)
<過去の資金調達実績>
当社は、2019年2月に日本テクノロジーベンチャーパートナーズ Y1号投資事業組合(業務執行組合員 株式会社日本テクノロジーベンチャーパートナーズ 代表取締役:村口和孝)および株式会社フォウス(代表取締役:晝馬明)を引受先として第三者割当増資を実施し、シリーズB投資ラウンドとして、総額1億円の資金調達を行いました。当時の資金調達の目的は、開発体制の強化、営業販売体制の強化、バックオフィス体制の強化の3点であり、これらの体制強化により着実に成長し、売上高を伸長してきました。
<引受先および既存株主からのコメント>
【引受先】
豊田合成株式会社 新価値創造部 ベンチャー投資企画室 室長 山野直樹 氏
私ども製造業において、工場の安全対策が重要視される理由は、何よりも従業員の生命と健康を守るためです。万一、従業員が事故に巻き込まれた場合、その影響は体や心に障がいを残す可能性があり、その結果は従業員本人だけでなく、家族にとっても計り知れない悲しみをもたらします。このような事態を防ぐため、私たちは常に安全対策を最優先に取り組んでいます。今後、当社では国内外の工場において、クレーン作業を伴う製品成形用金型の運搬時などにパイフォトニクス株式会社の光学技術を導入し、さらにその技術を活かした安全対策を強化していきます。また、同社製品の適用範囲を拡大し、安全な職場づくりに向けた協業を進めていくため、今回の出資を決定しました。私たちの目標は、当社に限らず、世の中全体で労働災害を減少させることに貢献することです。光学技術を活用した新たな安全対策が、労働環境の改善に繋がり、より多くの企業が安全な職場作りを実現するための一助となることを期待しています。
【既存株主】
日本テクノロジーベンチャーパートナーズ Y1号投資事業組合 業務執行組合員
株式会社日本テクノロジーベンチャーパートナーズ 代表取締役 村口和孝 氏
池田貴裕社長は、創業期から10年以上にわたり、パイフォトニクス株式会社の立ち上げを見守ってきました。ホロライトの基礎技術の確立から特許取得、初期商品開発、顧客の用途開発、組織体制の充実、新商品の投入と試行錯誤、そして世界展開に至るまで、池田社長は「やらまいか精神」で着実に事業を成長させてきました。
現在、パイフォトニクスは、光を通じて人々が行動を制御する(例えば、工場の安全や表示、景観演出、観光、生活環境の向上など)という分野で着実に成長しています。また、光を介在するアナログとデジタルの境界領域を切り拓くスタートアップとして、次世代の技術革新に向けた基盤を築いています。加えて、時代は自動運転やロボット、AIによるリアルタイムの分析と生成というデジタルモデルの時代へと転換を迎えようとしており、アナログとデジタルの融合がますます重要になっています。このような背景を踏まえ、パイフォトニクスには今後、多くの事業機会が待っていると確信しています。今回、豊田合成株式会社による増資により、同社との協業が進むことによって、応用領域が広がり、パイフォトニクスは世界市場でさらに大きな飛躍を遂げることが期待されます。この新たな一歩が、パイフォトニクスの成長とグローバル展開に向けた重要なステップとなることを期待しています。
【既存株主】
株式会社フォウス 代表取締役 晝馬明 氏
浜松地域をはじめ、日本経済の活性化には、光技術を応用したベンチャー企業による新しい産業の創出や、ベンチャー精神を持った中小企業による第二創業の促進が欠かせません。光技術は、今後の産業発展にとって必要不可欠な要素であり、その応用範囲は無限大です。パイフォトニクス株式会社が今回の増資を契機に組織体制を強化し、さらに挑戦を続ける姿勢に、大きな期待を寄せています。同社が光技術を応用した事業展開を拡大していくことで、浜松地域を含む日本の経済に新たな活力をもたらし、さまざまな分野でのイノベーションを牽引することを確信しています。
【既存株主】
学校法人光産業創成大学院大学 学長 伊藤博康 氏
本学の修了生である池田貴裕社長は、在学中にパイフォトニクス株式会社を設立し、在学中に生まれたアイデアを基に「ホロライト」の持続的な開発・提供に取り組んできました。その地道で前向きな姿勢は、本学が目指す育成人材像を体現するものです。このたびの増資において、池田社長の強い思いに賛同する企業が支援に加わり、光産業の新たな展開をともに進める機会が生まれたことを、大変嬉しく思います。現在、「ホロライト」はパイフォトニクスの主力製品として成長を遂げていますが、これからの国際市場での展開を通じて、さらに多様な分野での活用が進むことを期待しています。そして、それが社会に新たな価値を生み出し、多くの人々に貢献する未来を心より願っています。
<当社の説明>
当社は、光産業創成大学院大学発のベンチャー企業として2006年に設立され、2008年4月に高指向性LED照明「ホロライト」を製品化しました。この製品は、製造現場での検査、各種イベントや建築物の演出照明、大学研究機関での実験など、幅広い用途で採用されています。その後、光パターン形成LED照明「ホロライト・シリーズ」へと進化し、近年は、工場内の労働災害を低減する安全対策事業、地域の魅力を生かして新しい景観を創造する空間演出事業、SDGs達成に向けた光を用いた鳥獣対策事業などの新しい光の使い方を追求しています。
これらの事業は、2015年に始動 Next Innovator 2015(第1期)として当社代表の池田が策定した事業計画から発展したものです。それから9年が経過した今、当社代表が始動 Next Innovator 2024(第10期)に再び挑戦し、2024年12月14日に開催された最終ピッチ審査会を経て、シリコンバレー派遣者に選抜されました。2025年1月下旬から始まるシリコンバレープログラムでは、グローバル展開を目指す起業家としてさらなる研鑽を積みます。当社は、この貴重な機会を活かし、グローバル市場での競争力強化を通じてさらなる成長に努めていきます。
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