国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学との共同研究の開始について
国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学(所在地:奈良県生駒市、学長:塩﨑 一裕、以下『NAIST』)と新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:是川 幸士、以下『PRiME-R』)は、電子カルテ等の医療テキストからの医療データ抽出と構造化に関する共同研究(以下、『本研究』)を開始しました。
1.取り組みの背景
近年、がん薬物療法は、患者様一人ひとりの遺伝子情報に基づくゲノム医療へと変化を遂げ、特にバイオマーカー情報は、ゲノム医療の中でも特定のがん細胞の存在や進行状況を示す重要な指標となっており、がんが進行しているかどうか、また選択した薬剤が効果的かどうかを評価することに役立っています。しかしながら、バイオマーカー情報は、電子カルテ内のさまざまな場所にフリーテキストで記録されていることが多く、これらのデータの収集・蓄積や利活用は難しい状況にあります。
このような状況を踏まえ、国内の医療言語処理分野をリードするNAISTと、約10万件のバイオマーカー情報を構造化した実績※1を持つPRiME-Rが、それぞれの強みとする技術を持ち寄り、電子カルテ等の医療テキストの効率的な構造化技術の研究開発を通じ、日本国内の医療データの利活用をより一層加速させていくことを目的に本研究に取り組んでまいります。
※1 医療機関の病理検査レポート等から約10万件のバイオマーカー情報の自動抽出と構造化に成功 https://prime-r.inc/newsrelease/847/
2.本研究の内容
本研究では、バイオマーカー情報に焦点を当て、NAIST 先端科学技術研究科 情報科学領域 荒牧英治教授の研究室とPRiME-Rが共同で、医師及び医療現場の意見を取り入れながら、電子カルテ上の医療テキストからのデータ抽出および構造化アルゴリズムを作成します。さらに、両者で作成したアルゴリズムを用いた医療機関での実地検証も行い、その有用性を評価します。
3.両者の役割
(1) NAIST
万病辞書をはじめとした症状や病名に関連する辞書等の知見・ノウハウを用いた医療テキストからのバイオマーカー情報のデータ抽出・構造化アルゴリズムの検討
(2) PRiME-R
バイオマーカー情報を効率的にデータ抽出・構造化するアルゴリズム作成と医療機関での実地検証
4.今後の取り組み
本研究を通じ、より多く、より正確なバイオマーカー情報の抽出と構造化を実現し、日本国内の医療データの利活用促進を図るとともに、医療機関や製薬企業の皆様にとって更に高品質なリアルワールドデータ※2を提供することを通じ、医薬品・医療機器開発および次世代医療の発展に貢献してまいります。
※2 リアルワールドデータとは、医療現場から得られる電子カルテデータ、薬剤情報、疾患登録データ等の医療情報です。
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