岩手県釜石市にて「“期待の先”にある安全・防災を考える越境学習」を実施
「防災士」の資格取得による知識レベルの向上、東日本大震災の津波被害や復旧活動等に関わる講話・体感ワーク等を通して、期待される防災ソリューションを考察。「釜石版ブルーカーボン・オフセット制度」にも貢献。
当社は、中長期ビジョンステートメントに「“期待の先”にある安全をカタチに」を掲げており、また、昨今の自然災害の激甚化・頻発化を踏まえて、“火災”から“災害全般”へ事業領域を拡大させることを目指しています。これを受け、災害で甚大な被害を被った地域に滞在し、災害の実態と復旧・復興の取り組みから学び、新たな防災ソリューションの創出につなげることを狙って同研修を企画。2022年度より釜石市で実施してきました。
さらに今年度は、釜石市が新設した「ブルーカーボン・オフセット制度」から、同研修実施で排出したCO2量1.0トン分のカーボンクレジットを購入。地球環境保全や釜石市の漁業振興にも貢献いたしました。
「“期待の先”にある安全・防災を考える越境学習」の詳細
◇経緯
2021年12月に、日本能率協会マネジメントセンター主催の釜石市での越境学習プログラムに社員6名が参加。その翌年2022年4月から、当社では中長期ビジョンステートメントとして「“期待の先”にある安全をカタチにし、誰もが笑顔で暮らせる社会を実現する」ことを掲げ、新たな中期経営計画がスタート。また、同計画の中で“火災”から“災害全般”へ事業領域を拡大する戦略を打ち出したことにあわせて、東日本大震災で甚大な被害を受けた釜石市をフィールドとして、より防災の色を濃くした内容の「“期待の先”にある安全・防災を考える越境学習」を企画。同年10月に自薦で集まった社員14名+事務局2名で、4泊5日の期間をかけて実施しました。さらに、2023年度はプログラム内容をブラッシュアップして、以下のとおり実施しました。
◇2023年度実施概要
期 間:2023年10月16日(月)~20日(金) 4泊5日
参 加 者:自薦によって集まった社員15名+事務局2名
プログラム:
①「防災士」の資格取得・「東日本大震災津波伝承館」での学習
全員が「防災士」の資格を取得。災害や防災に関する知識レベルを向上させた上で、釜石市に入りました。2022年度参加者等とあわせ、当社での同資格保有者は50名程度となっています。
また、釜石市に入る前に、岩手県陸前高田市にある「東日本大震災津波伝承館」を訪問し、岩手県沿岸全域における津波被害の全容や歴史を学びました。
②津波避難道追体験ワークショップ
東日本大震災当日、釜石市鵜住居地区の小学生・中学生の約570名は、地震直後に率先して避難を開始。中学生が小学生の手を引きながら、高台に続く約1.6kmの道のりを走り続けた結果、全員が津波から逃げ切ることができました。当時中学生だった語り部:川崎杏樹様とともに、この避難道を実際に歩きながら当時の様子を振り返りました。
③地域事業者の方々のパネルディスカッション
東日本大震災直後の復旧活動やその後の地域づくりを主導してきた、株式会社青紀土木社長:青木健一様、有限会社ヤマキイチ商店専務取締役:君ケ洞剛一様、株式会社かまいしDMC代表取締役:河東英宜様から、さまざまな取り組みの内容や、原動力となった皆さまの想いを伺いました。当社において新たな取り組みを推進する上でのマインド醸成につなげることを目的として実施しました。
④避難所運営ワークショップ
架空の集落が大津波の襲来を受け、地域内の公民館が避難所になった想定で、運営の仮想体験を行いました。東日本大震災当時、実際にあった内容を盛り込み、続々と駆けつける避難者が置かれた多種多様な状況や、一人ひとりから寄せられる様々な要望を踏まえながら、避難所を運営することの難しさを体感しました。また、限られた資材・食料を用いた炊き出しも並行して行い、食事面での支援の大変さも体感しました。
⑤宝来館女将の講話
震災当日、津波に飲み込まれた経験を持つ宝来館の女将:岩﨑昭子様から、そのときのリアルなお話しを伺い、津波災害の恐ろしさを再確認しました。また、さまざまな地域課題を乗り越えて進めてきた現在までの多様なご経験と、未来の鵜住居地区に対する想いも語っていただきました。講話後には、宝来館裏手にある私設の避難道整備のお手伝いも行いました。愛情を注いできた地域のありたい未来を描き、その実現に向けて着実に取り組みを進めることの重要性を学びました。
⑥小学生の語り部による伝承活動
「大震災かまいしの伝承者」の資格を有する小学4年生の語り部:佐々木智桜様から、津波からの避難時に重要なことや備えの大切さ、実際に小学校で取り組んでいる防災教育の内容等をお話しいただきました。震災を経験していない智桜さんが、なぜ伝承活動を行っているのか。その想いに触れてみたいと考え、当社からお願いして実現し、多くのメディアにも注目されました。
「釜石版ブルーカーボン・オフセット制度」の詳細
2050年までに二酸化炭素(CO2)の排出量実質ゼロを目指す釜石市が今秋創設した、養殖ワカメやコンブが吸収・貯留する温室効果ガスのCO2の吸収量を販売し、企業や団体が買い取る排出権取引制度です。企業活動で出るCO2を海藻等による吸収で相殺する「ブルーカーボン・オフセット」の取り組みとなり、“釜石版”となる同制度の収益は生産者らに還元し、漁業振興に役立てられます。
2023年度の「“期待の先”にある安全・防災を考える越境学習」実施にあたって、当社では社員の釜石市への移動等によって排出したCO2量1.0トン分を購入し、釜石市より証明書を受領しました。なお、同証明書は12月より本社受付に掲示しております。
本件に関するお問い合わせ先
能美防災株式会社 総合企画室 担当:佐々木 TEL:03-3265-0218
人材開発室 担当:中川 TEL:03-3265-0220
会社概要
名称:能美防災株式会社
代表者:代表取締役社長 岡村武士
所在地:東京都千代田区九段南4-7-3
設立:1944年5月5日(創立:1916年12月)
資本金:133億2百万円(東証プライム市場)
主な事業:各種防災設備・システムの企画、開発、設計、施工、保守と各種防災機器の設計、製造、販売
URL:https://www.nohmi.co.jp
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