サイエンスカンファレンス2025 受賞者を決定
JST(理事長 橋本 和仁)は、サイエンスカンファレンス2025を11月1日(土)から11月3日(月・祝)までの日程で開催し、文部科学大臣賞などの各賞受賞者を決定しました。
次世代科学技術チャレンジプログラム(STELLAプログラム)は、グローバルサイエンスキャンパス(主に高校生が対象、2014年度開始)とジュニアドクター育成塾(小中学生が対象、2017年度開始)を発展的に統合し、2023年度より開始しました。本プログラムでは、科学技術・イノベーションをけん引する次世代の傑出した人材を育成するため、初等中等教育段階(小学校高学年~高校生)において理数系に優れた意欲・能力を持つ児童生徒を対象に、その能力などのさらなる伸長を図る多様な育成プログラムの開発や実施を支援しています。
サイエンスカンファレンス2025は、グローバルサイエンスキャンパス、ジュニアドクター育成塾、次世代科学技術チャレンジプログラムの実施機関および支援終了機関の取り組みに参加する受講生に研さん・活躍の場を提供することを目的として開催する成果発表会です。
本発表会では、全国各地の実施機関から代表として選ばれた受講生が、日頃の探究活動の成果を発表しました。探究活動の目的や意義、将来性や発展性などの観点に基づいて審査を行った結果、「高校の部」において文部科学大臣賞、科学技術振興機構理事長賞、審査委員長特別賞、優秀賞、「小中の部」においてジュニアサイエンス賞、研究発表大賞などの各賞受賞者が選ばれました。
事業概要およびサイエンスカンファレンス2025の詳細は以下ウェブサイトをご参照ください。
https://www.jst.go.jp/cpse/stella/
<科学を支え、未来へつなぐ>
例えば、世界的な気候変動、エネルギーや資源、感染症や食料の問題。私たちの行く手にはあまたの困難が立ちはだかり、乗り越えるための解が求められています。JSTは、これらの困難に「科学技術」で挑みます。新たな価値を生み出すための基礎研究やスタートアップの支援、研究戦略の立案、研究の基盤となる人材の育成や情報の発信、国際卓越研究大学を支援する大学ファンドの運用など。JSTは荒波を渡る船の羅針盤となって進むべき道を示し、多角的に科学技術を支えながら、安全で豊かな暮らしを未来へとつなぎます。
JSTは、科学技術・イノベーション政策推進の中核的な役割を担う国立研究開発法人です。
サイエンスカンファレンス2025受賞者一覧「高校の部」
※受賞者は発表番号の順に記載
※以下、実施機関、発表者、学校名、学年、発表テーマの順
■文部科学大臣賞(1件)
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東京大学
宮嶋 櫂(ミヤジマ カイ) 市立札幌開成中等教育学校 5年次
「ゲンゴロウ類の形態の進化に対する流体力学的考察」
■科学技術振興機構理事長賞(1件)
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金沢大学
橘 葵衣(タチバナ アオイ) 金沢大学人間社会学域学校教育学類附属高等学校 2年
「珪藻土による環境水有機物除去と吸着メカニズム解析~能登半島地震を契機とした災害対応技術への展望~」
■審査委員長特別賞(2件)
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静岡大学
佐和田 裕花(サワダ ユウカ) 名城大学附属高等学校 3年
「ダルマメダカにおける給餌シグナルに対する定位行動と新規環境に対する警戒行動」
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東京大学
加藤 豪(カトウ ゴウ) 東京学芸大学附属高等学校 3年
「魚の刺身はなぜ光る?~刺身断面の筋原繊維の微細構造と構造色の関係に関する検討~」
■優秀賞(6件)
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国立情報学研究所(共同機関:情報処理学会、情報オリンピック日本委員会)
庄山 六花(ショウヤマ リツカ) 渋谷教育学園幕張高等学校 1年
「機械学習による飛翔体打ち上げ時の高層風推定」
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静岡大学
劉 鈞霖(リュウ キンリン) 名城大学附属高等学校 2年
「金属における摩擦係数の温度依存性とそのメカニズム」
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琉球大学
喜多 弘一郎(キタ コウイチロウ) 沖縄県立開邦高等学校 2年
「太陽系内通信中継機POLARISの提案」
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東京大学
松永 光世(マツナガ ミツヨ) 京都聖母学院高等学校 2年
「バトントワリング動作のハビリテーション可能性~生活機能に着目して~」
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九州大学
岩下 真理華(イワシタ マリカ) 大分県立大分上野丘高等学校 2年
「対称的および非対称的なデザインが注意と記憶に与える影響」
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東北大学(共同機関:岩手大学、宮城教育大学)
加藤 夏澄(カトウ カスミ) 秋田県立秋田高等学校 3年
佐藤 菜々子(サトウ ナナコ) 秋田県立秋田高等学校 2年
目黒 ことみ(メグロ コトミ) 秋田県立秋田高等学校 2年
「有機フッ素化合物(PFAS)のゲノムへの影響」
<文部科学大臣賞受賞者コメント>
宮嶋 櫂 さん(市立札幌開成中等教育学校 5年次)
発表テーマ「ゲンゴロウ類の形態の進化に対する流体力学的考察」
「自分はゲンゴロウが好きで、北海道で虫取りをしている「昆虫少年」でした。自分だけでは超えられないような研究を行う中でも、知らない専門知識や分からない所に対して、指導教員の高木 周 先生に懇切丁寧に指導いただいたことがモチベーションとなりました。今回このような賞をいただくことができ、大変うれしく思います。本日はありがとうございました。」
<大路 樹生 審査委員長(高校の部)コメント>
「今年の発表会では、受賞された研究はどれも素晴らしいものでしたが、それ以外にもレベルの高い研究が多く見られました。また口頭発表では受講生から積極的に多くの質問が出され、活発な議論が行われました。このような機会を通じて皆さんが研究を進展させ、今後も優れた成果を挙げられることに期待しています。」
サイエンスカンファレンス2025受賞者一覧「小中の部」
※受賞者は発表番号の順に記載
※以下、実施機関、発表者、学年、発表テーマの順
■ジュニアサイエンス賞注)(3件)
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大阪大学
加賀美 さくら(カガミ サクラ) 中学3年
「水草からつくるバイオフィルム:循環型素材への挑戦」
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静岡大学
望月 颯真(モチヅキ ソウマ) 中学1年
「ミノムシの研究 Ⅳ~ミノムシの糸で紡ぐ未来、自然素材としての可能性を探る~」
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福井工業高等専門学校
牧田 礼望(マキダ アヤノ) 中学2年
「地元の廃棄カニ殻と越前和紙を融合した和紙製の育苗ポットの開発」
■研究発表大賞(9件)
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大阪大学
加賀美 さくら(カガミ サクラ) 中学3年
「水草からつくるバイオフィルム:循環型素材への挑戦」
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慶應義塾大学
中村 陽らら(ナカムラ ヒララ) 中学3年
「ナミアゲハの成長の個体差はなぜうまれるのか-照度の影響-」
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静岡大学
望月 颯真(モチヅキ ソウマ) 中学1年
「ミノムシの研究 Ⅳ~ミノムシの糸で紡ぐ未来、自然素材としての可能性を探る~」
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筑波大学
曽根 春花(ソネ ハルカ) 中学3年
「環境問題のための効果的なキャッチコピーの模索」
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筑波大学
冨樫 惺矢(トガシ セイヤ) 小学6年
「子ども目線での新たな交通事故対策の研究」
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東北公益文科大学
結城 希和子(ユウキ マオコ) 小学6年
「子どもの“不調”を可視化するセンシング設計の実践的検討 ~言葉に出来ない想いに寄り添う~」
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長崎大学
田代 あかり(タシロ アカリ) 中学2年
「マグネットシートの謎に迫る」
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福井工業高等専門学校
牧田 礼望(マキダ アヤノ) 中学2年
「地元の廃棄カニ殻と越前和紙を融合した和紙製の育苗ポットの開発」
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山梨大学
黒田 佳那(クロダ カナ) 中学3年
「住宅の耐震性能に関する実験的検討」
注)ジュニアサイエンス賞
研究発表大賞のうち、特に優れた探究活動を表彰対象とします。
<神﨑 亮平 審査委員長(小中の部)コメント>
「サイエンスの世界に飛び込んだ子どもたちにとって大切なことは、自分の研究の成果をさまざまな目線から見てもらい、意見をいただくことです。うれしいことを言ってもらえることもあれば、考えもしなかったことを指摘されることもあります。でもそれは研究をする仲間の意見です。仲間を大切にし、仲間の意見をしっかり受け止めることで、これまで以上に世界は広がり、多様な角度から自分の研究を、そして自分自身についても考えることができるようになります。サイエンスカンファレンスでの経験を通して、子どもたちがさらに成長してくれることを願っています。」
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