【アレルギー児家庭の中食に関する実態調査】購入の決め手は「アレルギー表示」。店舗HPや一覧表による見やすい原材料表示がファミリー層集客のカギ
中食の利用を増やしたい家庭は46%。需要取り込みにはアレルギー対応による信頼構築が必須
■調査結果のポイント
- アレルギー児家庭には中食の需要があるが、アレルギー対応店・商品数の少なさや共用トングによるコンタミネーションなどの理由から、安心して利用できない実態がある
- アレルギー児家庭が中食に求めるものは「アレルギー表示」。企業のHPやアレルギー一覧表など、目で見てすぐにわかる方法で明示されていることが望ましい
- アレルギー児家庭が中食購入時に重視するのは「該当アレルゲン使用の有無」と「信頼できる店かどうか」。価格や量よりも安心・安全を求める家庭が多い
- アレルギー誤表示を経験したことがある人は6割以上。うち約2割が中食の利用を中止し、5割以上が購入に対して慎重に
- 新型コロナウイルス流行後に中食の利用頻度が増えた家庭は半数以上。利用回数を増やしたいと考えている家庭も多い
■調査概要
調査手法:Google formによるアンケート調査 (※)
調査期間:2021年7月23日〜8月6日
調査対象者:食物アレルギー児の保護者
有効回答数:87
※CAN EAT及びアレルギーっこパパの会のSNSコミュニティ(Twitter・Facebook・LINE)にて配布
■回答者属性
未就学児〜小学生の子どもがいる30代〜40代の女性が多く、アレルギーのレベルは「かなり重いと思う」「どちらかといえば重いと思う」と回答した人が約6割を占めました。アレルギーの種類は落花生、卵、乳を筆頭に特定原材料7品目を挙げる人が多く、その他ではくるみ、アーモンドなどのナッツ類やフルーツが目立ちました。
【調査結果1】アレルギー児家庭の中食の利用実態
- ほぼ全員に中食利用経験があり、多くの人が利便性に魅力を感じている
中食の利用経験を尋ねたところ、99%の人が「利用経験がある」と回答し、利用経験がある人にその理由を尋ねると、大半の人が「料理や後片付けをしなくていい」「食事を準備する時間が省ける」といった中食の利便性を挙げました。また、利用経験がない人にその理由を尋ねたところ、「アレルギーが重くて利用できない」という回答が得られました。
- アレルギーが軽いと感じている人は利用頻度が高く、重いと感じている人や卵・乳・小麦のアレルギーがある人は利用頻度が低い
中食を利用する頻度を尋ねたところ、アレルギーの重さや該当するアレルゲンによって利用頻度に大きな差が出ることがわかりました。
アレルギーが重いと感じている人や卵・乳・小麦にアレルギーがある人は中食の利用頻度が低く、逆にアレルギーが軽いと感じている人やエビ・カニなど比較的避けやすい食べ物のアレルギーがある人は利用頻度が高い傾向がありました。
- 就業形態を問わず、「疲れたとき」に中食を購入する人が多い
中食の利用場面を尋ねたところ、就労者と専業主婦(夫)のどちらも「疲れたとき」がもっとも多くなりました。普段から気軽に利用できる選択肢というよりは、やむを得ず利用するものと捉えている人が多いようです。
- 中食の味のイメージについて、3割以上が「自分で作るものより美味しい」と回答
中食の味のイメージについて尋ねたところ、3割以上が「自分で作るよりも美味しい」と回答し、自分で作った方が美味しい(13%)を上回りました。中食の利便性だけでなく、味に対しても肯定的なイメージを持っている人が少なくないことがわかります。
【調査結果2】利用する店と購入品
- 中食購入時は「該当アレルゲンの使用の有無」と「信頼できる店かどうか」を重視する
中食を購入するときに重視するポイントを尋ねたところ、「該当アレルゲンの使用有無」がもっとも多く、次に「内容」と「信頼できる店かどうか」が続きました。アレルギー児家庭では、価格や量よりも安全性を重視していることがわかります。
- 中食はスーパーマーケットやコンビニエンスストアで購入する機会が多い
中食購入でよく利用する店を尋ねたところ、「スーパーマーケット」と「コンビニエンスストア」が上位となりました。
どちらも日常的に買い物で利用する人が多いため、必然的に上位になるのはもちろんですが、「コンビニのおにぎりやスーパーのおはぎなど、一部の信頼できるものしか食べさせない」という声もあったことから、正確なアレルギー情報が表示されている商品が多い点でも支持を集めているようです。
- 唐揚げ、すし、おにぎりなど原料が比較的わかりやすいものをよく購入する
よく購入する中食は、「唐揚げ」「寿司」「おにぎり」が上位となりました。原材料が比較的少なく、一目で何が入っているかわかりやすいものを購入する人が多いことが読み取れます。
【調査結果3】中食の課題
- 中食利用時に困ったことは「トングの共用によるコンタミネーション」と「アレルギー対応店が少ない」が上位に
中食を利用した際に困ったことを尋ねたところ、「トングの共用でコンタミネーションの心配がある」がもっとも多くなり、次に「アレルギー対応の店が少ない」「値引シールで食物アレルギー表示が隠れていた」が続きました。その他に、商品の選択肢の少なさやアレルギー情報の確認方法について課題を感じている人がいました。
<アレルギー児家庭の声>
- 成分表がない、あるいはお店に成分表があるかわからないことが多く、いつも同じお店になってしまう。家族以外の友達などと食事をする際にお店選びに苦労する。
- コンビニのおにぎりやスーパーのおはぎなど、一部の信頼できるものしか食べさせることができない。
- 購入前に自宅で事前にアレルギー情報を確認できない場合が多い。
- どこのお店でも買えるものは限られており、選ぶ余地がないため、売り切れていたら代わりがない。
- 成分表示が裏面にある場合が多いため、崩さないように持ち上げて確認するのが大変。
- 中食のアレルギー表示を求める声が多く、特に原材料の表示はニーズが高い
中食に求めることを尋ねたところ、「食物アレルギー表示」と回答した人がもっとも多く、次に「おいしさ」と「価格」が続きました。店に公開してほしい情報としては「原材料」「調味料」「調理工程」を挙げる人が多く、さらに原材料については「そのアレルゲンがどの具材に含まれているのかを具体的に知りたいので、弁当や定食では惣菜ごとにアレルギー表示をしてほしい」という声がありました。
<アレルギー児家庭の声>
- お弁当や定食は全てのアレルギー情報がまとめて表示されている場合が多いが、それでは個々の惣菜の成分がわからないので、惣菜一品ごとにアレルギー表示をしてほしい(たとえば唐揚げ定食に「卵」のアレルギー表示がある場合、卵はサラダのマヨネーズのみに含まれるのか、唐揚げにも使用されているのか、判別がつかないので困る)。
- コンタミネーションの有無を教えてほしい。
- 食物アレルギーへの理解度や意識がどの程度であるかを示してほしい。
【調査結果4】中食のアレルギー表示
- 中食にアレルギー表示があれば購入する人は56%、信頼できる情報源は店のHPとアレルギー一覧表
中食を購入する基準について尋ねたところ、「アレルギー表示があれば買う」が56%、「アレルギー表示があり、信頼できる店だけで買う」が43%となりました。アレルギー児家庭に商品を購入してもらうためには、少なくともアレルギー表示があることが必須のようです。
また、信頼できる情報源としては「店舗のHP」と「アレルギー一覧表」と回答した人が多く、目視で事前に確認できる形式でアレルギー情報が公開されていることが重要であるとわかりました。
- 64%の人がアレルギー誤表示を経験したことがあり、うち約2割が中食の利用を中止。慎重になった家庭も半数以上
アレルギーの誤表示を経験したことがあるかどうかを尋ねたところ、64%の人が「ある」と回答しました。
誤表示を経験した人のうち、その店の中食の利用をやめた人は18%、以前より慎重になった人は55%となり、一度のアレルギー誤表示がその後の購買行動に大きな影響を及ぼすことがわかりました。
【調査結果5】中食利用の可能性
- 新型コロナウイルス流行後に中食の利用頻度が増えた家庭は5割以上。利用回数を増やしたいと考えている家庭も多い
新型コロナウイルス流行後の利用頻度の変化について尋ねたところ、利用頻度が増えた家庭が5割以上にのぼりました。今後の利用に関しても59%の人が肯定的な回答となり、アレルギー児家庭には中食の需要があることがわかりました。
■まとめ・考察
調査結果から、アレルギー児家庭には中食を利用したい意向はあるものの、アレルギー表示がなされていない、わかりづらい、信頼できないといった理由により、安心して利用できない実態が見えてきました。
アレルギー児家庭が中食を購入しやすくするためには、第一に正しいアレルギー表示が必須であり、さらに、アレルギー一覧表など、目で見てすぐにわかる方法で明示されている状態が望ましいことがわかりました。
店舗のHP等で事前にアレルギー情報を確認できるようにする、表示ラベルを容器の表面に貼る、値引シールがかぶらないように気をつけるなど、利用者がスムーズにアレルギー情報を入手できる仕組みづくりが求められます。
また、弁当や定食においては、惣菜単品ごとの詳しいアレルギー情報を知りたいという需要が多いため、表示内容についても検討していく必要があるでしょう。
CAN EATでは、原材料ラベルを撮影するだけでメニューごとにアレルゲンを把握できる「アレルギー管理サービス(https://biz.caneat.jp/allergenlist/)」を提供しています。
全国の13.9%の世帯にアレルギー当事者がおり(※)、食の安心・安全が求められる時代において、正確なアレルギー表示ができる体制を構築することは、飲食店の信頼と顧客満足度の向上、新規顧客の開拓に役立ちます。ご興味のある事業者の皆さまは、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせフォーム:https://biz.caneat.jp/allergenlist/contact/
(※)食物アレルギー実態調査(2017年、ハウス食品グループ調べ)https://housefoods-group.com/activity/allergy/investigation.html
■株式会社CAN EATについて
「すべての人の食事をおいしく・楽しく・健康的にする」をミッションに、食べられないものがある人の外食を救うサービス「CAN EAT」はじめ、食物アレルギー当事者やアレルギー対応に取り組む外食事業者を支援するサービスの開発・運営を行っています。
会社名:株式会社CAN EAT(英語名:CAN EAT Inc.)
代表者:代表取締役社長 田ヶ原絵里
本社所在地:東京都新宿区天神町7番地11 No.14
設立:2019年4月1日
公式HP:https://about.caneat.jp
食べられないものがある人の外食を救うサービス「CAN EAT」:https://caneat.jp
アレルギー管理サービス:https://biz.caneat.jp/allergenlist/
アレルギーヒアリングシステム:https://biz.caneat.jp/allergyhearing/
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