国内の3大環境性能認証等<BELS、CASBEE、DBJ Green Building>の取得傾向が明らかに 全57銘柄 『J-REIT 環境性能評価・認証取得状況調査2025』
取得の合計数は前回調査比113%BELSとCASBEE不動産は伸びるも、DBJ Green Buildingは92件減
建築物の省エネ計算事業を手掛ける、環境・省エネルギー計算センター(本社:東京都豊島区、代表取締役:尾熨斗啓介、運営会社:株式会社HorizonXX)はこのたび、『J-REIT 環境性能評価・認証取得状況調査2025』の結果を公表しました。
この調査はJ-REIT全57銘柄が保有する不動産について、国内の3大環境性能認証である「BELS」、「CASBEE」、「DBJ Green Building」の取得件数とその内訳に加え、国際的な評価「GRESBリアルエステイト」の取得状況を分析したものです。
前回は、2024年3月※1に同年1月時点の調査結果を公表。今回は2025年2月時点のデータをまとめており、約1年の認証取得傾向の変化についても分析しています。
※1 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000019265.html
<調査目的>
全57銘柄のJ-REIT全体の環境性能評価・認証取得状況の明確化を目的としています。J-REITの環境性能評価と認証の取得状況は、各企業や団体がホームページなどで公表していますが、それぞれ異なった形式で掲載されているため、把握しづらいのが実情です。そこで、本調査を継続的に実施することで、最新動向や実態の把握につなげてまいります。
調査結果の主なポイント
【総括】 BELS、CASBEE不動産、DBJ Green Buildingの総取得数は2,215件で、
前回調査(2024年1月時点)比113%(272件増)。認証の有効期限を意識する傾向も。
➀BELS
取得件数は計677件で、前回調査から81件増。引き続き、ランクに関わらず取得する傾向。
②CASBEE不動産
取得件数は前回調査から283件増の1,071件。とりわけ、集合住宅での伸長が目立ち、140件増。
③DBJ Green Building
前回調査から92件減少。3年の有効期間が到達したタイミングで、有効期間が5年の
CASBEE不動産に切り替える傾向。
④GRESBリアルエステイト
ランクは相対評価で決まり、今回の調査ではランクアップは12社、一方、ランクダウンは8社。
➀BELS
BELSとは、建築物省エネルギー性能表示制度の略称です。建築物の1次エネルギー消費量に基づきBELS評価機関が5または7段階※2で評価し、省エネルギー性能を表示します。
※2 再エネ設備がない住宅は5段階。再エネ設備がある住宅・非住宅は7段階で評価(いずれも☆0個を含む)
【調査方法】
J-REIT各社がホームページで公表しているデータを集計
【調査項目】
ランク(☆1~☆6)、用途(工場等/事務所等/ホテル等/居住用施設/百貨店等/病院等/飲食店等/商業施設
/集会場等/学校等)、延床面積(300㎡/2,000㎡/10,000㎡区分)、竣工年代
【調査期間】
2025年2月時点
【調査結果】
ランク別・用途別・延床面積別・竣工年代別統計データ

【分析結果】
・取得件数は677件で、前回調査(2024年1月時点)から81件増となりました。
・ランクの比率に大きな変化はなく、引き続き、ランクに関わらず取得する傾向にあると言えます。
・2024年4月から開始した新BELS制度で導入された☆6を取得したのは6件(0.9%)。あくまで各
企業が公開している内容ではあるものの、取得への動きはまだ少ない結果となりました。
②CASBEE不動産
CASBEEとは、建築環境総合性能評価システムの略です。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮だけでなく、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建築物全体の品質を総合的に評価。「建築」「戸建」「街区」「ウェルネスオフィス」「不動産」など、複数の種類があります。
CASBEE不動産は、不動産業界関係者が不動産評価の際に活用することを目的に開発された評価システムで、竣工後1年以上が経過したオフィス、店舗、物流施設、共同住宅、オフィス・店舗(改修)が評価の対象となります。
【調査方法】
J-REIT各社がホームページで公表しているデータを集計
【調査項目】
ランク(B+/A/S)、用途(オフィス/物流施設/店舗/集合住宅/ホテル)、
延床面積(300㎡/2,000㎡/10,000㎡区分)、竣工年代
【調査期間】
2025年2月末時点
【調査結果】
ランク別・用途別・延床面積別・竣工年代別統計データ

【分析結果】
・取得件数は1,071件で、前回調査(2024年1月時点)の788件から大幅に増加(+283件)
しました。
・用途別では、前回調査と同様、オフィスでの取得が目立ちます。また、2021 年版の改訂で評価対象
に加えられた集合住宅の取得件数が大きく伸長し、140件増となりました。
・CASBEE不動産では2024年12月からホテル版が追加されましたが、今回の調査でその取得を公表し
ている企業はありませんでした。また、このカテゴリーでウェルネスオフィスが加わる予定もあり、
今後の取得動向が注目されます。
なお、CASBEE建築(新築時における設計内容に基づいて評価)の取得数は計18件(S:1件、A:11件、B+:6件)、CASBEEウェルネスオフィス(建物利用者の快適性・健康性の維持・増進を支援する建物の仕様や性能、取り組みを評価)の取得数は計7件(S:1件、A:4件、B+:2件)でした。
③DBJ Green Building
株式会社日本政策投資銀行 (Development Bank of Japan Inc.)が、環境・社会への配慮がなされた不動産とその不動産を所有・運営する事業者を支援する取り組みとして、2011年に創設した認証制度です。
【調査方法】
J-REIT各社がホームページで公表しているデータを集計
【調査項目】
ランク(★1~★5)、用途(オフィスビル/リテール/ロジスティクス/レジデンス/ホテル)、
延床面積(300㎡/2,000㎡/10,000㎡区分)、竣工年代
【調査期間】
2025年2月時点
【調査結果】
ランク別・用途別・延床面積別・竣工年代別統計データ

【分析結果】
・取得件数は467件で、前回調査(2024年1月時点)の559件から92件の減少となりました。
・新規で取得するケースは多いものの、有効期間の3年が到達したタイミングで、有効期間が5年のCAS
BEE不動産に切り替えるケースが多く見られました。
・2024年4月より運用開始した、ホテル版を取得するケースも出始めています。同年12月からはCASB
EE不動産でもホテル版が追加されたため、各企業がどちらを選択するのか、今後の動向が注目されま
す。
④ GRESBリアルエステイト
GRESBは、欧州の主要年金基金グループを中心に2009年に創設された評価制度で、不動産会社やファンドがESG(環境・社会・ガバナンス)に配慮しているかを示します。評価項目は「GRESBリアルエステイト」「GRESBインフラストラクチャー」の2種類があり、本調査では既存投資物件や新規開発・大規模改修プロジェクトでの取り組みを評価する「GRESBリアルエステイト」の取得状況をまとめています。
【調査方法】
J-REITがホームページで公表しているデータを集計
※全57銘柄が参加しているとされるが、ホームページで取得情報を公開しているのは55銘柄
【調査項目】
GRESBリアルエステイト ランク別取得状況、各環境性能評価・認証取得数
【調査期間】
2025年2月時点

【分析結果】
・相対評価であることから、今回の調査でランクが変更となった企業が見られました。
ランクアップ12社、ランクダウン8社
・各認証を取得した企業の数でみると、BELSが4社増、CASBEE不動産が2社増、DBJ Green Building
は1社減となりました。
総合分析結果
・BELS、CASBEE不動産、DBJ Green Buildingの総取得数は2,215件で、前回調査(2024年1月
時点)比113%(272件増)となりました。今後も、J-REITは認証を積極的に取得していくと
予想されます。
・前回調査時と同様に、GRESBの評価項目となっている「認証を受けている延床面積の割合」を
意識しているためか、認証取得物件をできる限り保有していることが重視され、認証の有効期
限を留意する傾向が表れ始めています。そのためJ-REITにおいては、有効期間のないBELSや
有効期間が5年と比較的長いCASBEE不動産で取得数の増加が予想されます。
・CASBEE不動産やDBJ Green Buildingは、2024年にホテル版が追加。J-REITの保有物件に合
わせて、新たな用途が加わる可能性もあるため、今後の動向が注目されます。
■環境・省エネルギー計算センターについて
URL: https://www.ceec.jp/
運営会社:株式会社HorizonXX(ホライズン)URL: https://www.horizonxx.com/
代表取締役:尾熨斗啓介
所在地:〒171-0022 東京都豊島区南池袋3丁目15−11
所属協会等:一般社団法人 東京建築士会、グリーンビルディングジャパン(GBJ)、環境不動産普及促進機構 (RE-SEED) 、環境共生まちづくり協会、空気調和・衛生工学会、環境共創イニシアチブ、住宅性能評価・表示協会
■代表者プロフィール
尾熨斗啓介(おのし けいすけ)環境・省エネルギー計算センター(運営会社:HorizonXX) 代表取締役

日本大学理工学部建築学科、日本大学大学院理工学研究科不動産科学専攻卒業後、大手日系証券会社に入社。不動産の証券化を扱う新規ビジネス部門に配属され、不動産ファンドアレンジメントやREIT主幹事業務に従事する。その後、大手外資系証券会社にて同様の業務に従事。2012年 に独立して、株式会社HorizonXX(ホライズン)代表取締役に就任。省エネ計算および環境性能認証の市場が成長することを予見し、2019年に「環境・省エネルギー計算センター」のビジネスを開始。現在、年間約1,000件の省エネ計算・環境性能認証取得サポートを請け負っている。省エネ計算の担い手を増やすための「省エネ計算学校(オンラインスクール)」も提供。
著書に『環境性能認証に対応できる「不動産・建築ESG」実践入門』(日本実業出版社)がある。ビル・不動産マネジメント情報誌「月刊プロパティマネジメント」、建築・建設業界における最新テクノロジーの活用に特化したメディア「BUILT」で連載中。
■環境・省エネルギー計算センターの強み
強み1:新築・既存建物に対応可能
一般的には既存建物の省エネ計算の方が図面や設備情報が揃わないことが多く、難易度が高いと言われ
ています。当センターには経験豊富なスタッフが在籍しており、新築、既存問わずスムーズに対応できます。
強み2:一気通貫で業務の対応が可能
要望のヒアリングから始まり、省エネ計算に関わる業務を一気通貫で対応しています。通常であれば、複数の企業とやり取りが必要となる場合がある作業を一本化。お客様の負担軽減、作業時間の短縮が可能です。また、当センターはBELS、ZEB、ZEH、CASBEEなどの業務全般を網羅しており、新築・既存建築物で、どの環境性能認証を取得する方が良いかなどのアドバイス・コンサルティングも可能です。
強み3:補助金の活用・金融業界の知見
環境性能認証取得において、建築物の種類やタイミング次第で行政の補助金を利用することが可能です。しかし、補助金の制度そのものを把握していない、把握はしていても申請方法がわからないお客様も多数いらっしゃいます。
当センターでは補助金申請に知見を持つスタッフが在籍しており、どの制度に申請をすれば利用可能なのか、といったアドバイスが可能です。また、代表取締役の尾熨斗が不動産業界のみならず金融業界にも精通しており、ファンド目線で環境性能認証取得のサポートが可能です。
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