2026 年(第35 回)ブループラネット賞 受賞者発表
環境化学物質のリスク評価を通じて政策形成に貢献したバーンバウム博士と、自然の恵みを「見える化」し、世界経済の新しいルールづくりを推進したバービエイ教授
公益財団法人 旭硝子財団(理事長:島村琢哉、所在地:東京都千代田区)は、今年で第35回を迎える
ブループラネット賞(地球環境国際賞)の2026年受賞者を決定いたしました。
本賞は、地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年(平成4年)に創設されました。地球環境問題の解決に向け、理念の構築や科学的理解の深化、あるいは人文・社会科学を含む科学技術に根差した対策や実践活動に大きく貢献した個人または組織を顕彰する国際賞です。受賞者は、以下の2名です。
1.リンダ・S・バーンバウム博士(米国) 1946年12月21日生まれ
元国立環境健康科学研究所(NIEHS)所長、元国家毒性プログラム(NTP)ディレクター
環境化学物質のリスク評価と科学に基づく政策形成への貢献

環境中に残留しやすい化学物質の毒性研究を主導し、国際的なリスク評価を大きく進展させた。特に胎児期等の「感受性の高い時期」での内分泌かく乱物質への曝露が長期的な健康に影響し得ることを示し、脆弱な集団を保護する科学的根拠を強化した。米国国立環境健康科学研究所(NIEHS)所長および国家毒性プログラム(NTP)のディレクターとして科学と政策の橋渡しをし、知見を公衆衛生の向上につなげた。
2.エドワード・バービエイ教授(米国) 1957年7月22日生まれ
コロラド州立大学 経済学部 卓越教授
自然資本を指標化し、国際的なグリーン経済の実装を牽引

自然資本や生態系サービスの価値付けに関する取り組みを主導し、政策や投資の具体的指針を示してきた。国連環境計画(UNEP)報告書『A Global Green New Deal (2009)』で、経済復興・貧困削減・脱炭素化・生態系保護を統合した回復戦略を提示し、以来、自然保護を経済的繁栄のための「戦略的投資」と位置づけた。さらに、「貧困と環境の相互関係」に関する分析を通じて、地球環境問題への対応と社会的公正との両立に向けた道筋を示した。
●毎年原則として2件を選定し、受賞業績1件に対して、賞状、トロフィーおよび副賞賞金50万米ドルが贈られます。
●表彰式典は 10月28日(水)に東京會舘(東京都千代田区)で行う予定です。受賞者による記念講演会は、10月29日(木)に東京証券会館、10月31日(土)に京都市国際交流会館で開催を予定しています。
※本リリースは環境記者クラブ、環境記者会、重工記者クラブに同時配布しています。
※本リリース及び受賞者の写真は、6月10日午前11時から財団 ウェブサイト(https://www.af-info.or.jp)にて入手可能です。
<受賞の辞>
・ リンダ・S・バーンバウム博士
旭硝子財団よりブループラネット賞に選出いただきましたことを、大変光栄に存じますとともに、心より感謝申し上げます。環境健康科学の発展に向け、ともに歩み、支えてくださった多くの同僚、学生、恩師、そして後進の方々に深く感謝いたします。
私の研究は、残留性有機汚染物質(POPs)の毒性の解明、ならびに環境中の内分泌かく乱化学物質への曝露が、生涯にわたり持続する発達および健康への影響をもたらす仕組みの理解に重点を置いてまいりました。これらの研究は、脆弱な人々を守り、国際的なリスク評価を前進させるための科学的基盤の強化に寄与してきました。
また、米国国立環境健康科学研究所(NIEHS)所長として、研究成果を実効性ある公衆衛生の保護へと結びつけることにより、科学と政策の架け橋となるよう努めてまいりました。
特に、POPsが環境および健康に及ぼし得る影響を早期から認識し、ともに歩んでくださった日本の研究者・研究機関との連携に深く感謝しております。その協力関係は、私たちに共通する使命を大きく前進させるものでした。ブループラネット賞は、国際的な連携を促進し、環境研究を顕彰・支援することを通じて、より良い世界の実現に貢献していると感じています。
・エドワード・バービエイ教授
1992年以来、旭硝子財団によって贈呈されているブループラネット賞を賜りますことを、大変光栄に、またありがたく存じます。本賞は、「地球環境問題の解決に向け、重要な貢献を果たしてきた、また現在も果たし続けている個人または組織」に贈られるものですが、そのような栄えある顕彰を受ける者の一人としてお認めいただきましたことに、身の引き締まる思いでおります。
私自身の貢献は、「自然は、経済的な豊かさと人々の幸福の基盤である」というシンプルな命題に基づいています。このことがなぜ経済的繁栄と持続可能性にとって重要なのか、そしてそのために何をなすべきかを明らかにすることが、経済学者としての私の生涯にわたる研究テーマでした。
旭硝子財団が、現代の地球環境問題の解決における私の考え方の意義をご評価くださったことに、深く感謝申し上げます。また、惜しみない愛情と支えを与えてくれた家族や友人、そしてこの道を歩む中で励ましと助力を与えてくださった多くの同僚や恩師の方々にも、心より御礼申し上げます。
<本年度(第 35 回)の選考経過>
国内332名、海外 878名の推薦人に推薦書を送り、118件の受賞候補者が推薦されました。候補者の分野は、多い順に生態系27件、気象・地球科学25件、環境経済・政策が16件などでした。候補者は30ヶ国にわたります。
選考委員会による数次の審査をもとに顕彰委員会に諮った後、理事会で、1件はリンダ・S・バーンバウム博士が、もう1件はエドワード・バービエイ教授が受賞者として正式に決定されました。
<ブループラネット賞について>
人類が解決を必要としているグローバルな諸問題の中で、最も重要な課題の一つが地球環境の保全です。地球温暖化、酸性雨、オゾン層の破壊、熱帯雨林の減少、河川・海洋汚染などの地球環境の悪化は、いずれも私達人間の生活や経済活動が大自然に影響を及ぼした結果です。旭硝子財団は、地球環境の修復を願い、地球サミットが開催された1992年(平成4年)に、地球環境問題の解決に向けて著しい貢献をした個人または組織に対して、その業績を称える地球環境国際賞として「ブループラネット賞」を創設いたしました。
賞の名称の「ブループラネット」は人類として初めて宇宙から地球を眺めた宇宙飛行士ガガーリン氏の言葉「地球は青かった」にちなんで名付けられました。この青い地球が未来にわたり、人類の共有財産として存在しつづけるようにとの祈りがこめられています。
<歴代受賞者>

<賞状とトロフィー>


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